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日記

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2021年2月の記事一覧

2021年2月25日(木)

出社した。特に変わりはなかった。家に帰る道中にモスバーガーの限定のそれを食べた。あれをどうしてコロッケで作ったか。肉とともに食べたいソースだった。

先日購入していた児島善三郎の画集を眺めていた。画集を買うなどということが、それも古本屋で眺めて偶然手に取ったものをいいと思えてレジまで吸い寄せられるようにして持って行ってお金を払うということが、私にできるなんてそれまでは考えたことがなかったので、それ

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2021年2月24日(水)

夜はキーマカレーを作った。玉葱&挽肉は当然のことだが、余っていた茄子を刻んだのを入れたところ舌ざわりにアクセントを加えてくれたのでよかった。

2021年2月23日(火)

作業部屋と化している洋間の構造を根本的に変えた。それぞれのデスクを両壁に寄せていたのを変更し、中央で向かい合うように設置した。背後に人間がいないという快適さを手に入れることができた。素晴らしい思い付きだった。夜は麻婆茄子を作った。今まで私が作った料理で一番美味であるという評価をいただいた。茄子と挽肉の隙間を粘土の高い辛味で埋めてやるイメージ。

2021年2月22日(月)

猫の日だからと言ってすべての人間が等しく猫に会えるわけではなかった。猫には日付という概念がなかったから、そんなものを押し付けられても困るだろう。もう二十一世紀になって二十一年も経つのかと脈絡なく思う。部屋の模様を根本から変更すること思い立つことを二人で相談して決めて、それを明日実行に移すことにする。生活がよくなるといい。

2021年2月21日(日)

新宿駅の西側の地下広場にある無数の角柱のうちの一つにはめ込まれていた周辺地図を執拗に見つめている鍔の深い帽子を被った妙齢の女性を通り掛けにおそらくは彼女に気づかれないままにカメラに収めているロシア人と思しき男のそのカメラには通りがかった私も写っていた。どうして新宿に行ったのだったか。それは覚えていないようだった。ロシア人が写真を見たときに、カメラ目線のさえない男子の存在を認めたときの気分を想像する

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2021年2月20日(土)

暖かくなることは嬉しいのは間違いないけれども、二月にこのレベルのものを出されると、そのまま春に移行するのではなく揺り戻しがあるのが明白で、所詮これは束の間の温度だということを思ってしまう節があった。ただし今日が暖かいのは変わりがないから、未知なる道を歩いていくときに、寒い思いをしなくて済むのはありがたかった。経度的には三鷹と武蔵境の中間の、ただし自宅からだと中央線を挟んで対称の位置にあるからそれな

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2021年2月19日(金)

パスタをレンジで茹でる際に蒸気を麺に吸わせるようにすることでもっちりとした食感に仕上がります。というのが売りの代物の使い方を長らく間違えていたことがわかった。パスタを入れてからお湯を掛けるのではなく、お湯を入れてからパスタを沈めるという順序が正しかった。分量と時間をいくら遵守したところでパスタが分離せずむしろその団結を強固にしたものを良しとして食べていた自分たちが少し恥ずかしかった。

2021年2月18日(木)

zoomを利用した五十人規模のオンラインミーティングで、あろうことかスピーカーを務めた。みなミュートにしていて、資料を共有すると顔さえも見えなくなるから、虚空に話しかけているみたいだった。上司や先輩といったほかのスピーカーはその反応のなさにやりづらさを覚えていたようだったけれども、私はむしろやりやすかった。

2021年2月17日(水)

朝行くようになったガストにいる面々が、店員も客もかなり固定化していることがわかった。客についてはみな朝のこの時間の、三十分なり二時間なりを習慣として過ごすことを選んだり、余儀なくされたりしているのだった。それで連帯感が生まれるということはなかった。スープバーのスープは、韓国風卵スープとチキン卵スープが交互に出されていることもわかったけれども、どちらも同じ味だった。

2021年2月16日(火)

すっかり晴れていた。雲ひとつない快晴で、取り沙汰したくなるほどの好天だった。最近足繁く通っているガストは高床式になっていて、交通量が少なくはないバス通りの沿道にあるから、揺れていた。家に帰って仕事を開始した。キャリア面談が行われた。本音というものをひた隠しにするゲームをやっているみたいだった。夜はやたらと美味い豆乳鍋が作られていて、ありがたく頂戴した。目の前もそれも美味かったけれども、翌日の昼に食

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2021年2月15日(月)

雨が降っていた。そのことを取り沙汰したくなるほど多量のものだった。頭痛と倦怠感に襲われた。少し前までは気圧で体調を崩すという言説をまるで信じていなかったのだけれども、近年は身を以ってそれを体験していた。わたしたちに許された特別な時間の終わりで描かれている類いの時間を過ごすことを自らに許可した。それも終わりがやってきた。

2021年2月14日(日)

チェルフィッチュの【消しゴム山】を池袋の劇場で見た。正確には東池袋駅だった。池袋駅と東池袋駅の位置関係を、はじめてきちんと理解した。北に進んでいると思っていた道がじつは東に進んでいることがわかった。人間と物質を等価にしようという試みが、演劇では為されていた。第一部においては、洗濯機が壊れるという些細な、けれども実際に起こってしまえばそれなりに面倒な出来事を、洗濯機を人間の側に引き上げようとする(と

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2021年2月13日(土)

二十九歳になった。等々力渓谷に行くことを提案されたので、大喜びでそれに乗った。嬉しい心遣いだった。これまで食べてきたすべてのクレープを過去にするクレープを食べた。生クリームの質感がまるでちがっていた。渓谷は思っていたより短かった。けれども楽しかった。

2021年2月12日(金)

必要に駆られて出社した。街にいる人間の量と事務所にいるそれのバランスがどうにも釣り合っていないような気がした。それは弊社の在宅勤務率が高いということで、前向きにとらえるべきことだった。昼飯には噛み応えを重視した蕎麦を食べた。あらゆることを先延ばしにしておこうとしたがる気分が、久々にやってきていた。夜に作った回鍋肉がとてもうまかった。記憶の中ではあれは味噌味の食べ物だったけれども、いざ作ってみると味

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