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日記

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2020年6月の記事一覧

2020年6月29日(月)

ベッドは運び出されているので起きた瞬間の目線が低い。出社する前に駅前の区役所で転出の手続きをし、時間があるので来た道を戻って自宅の前を通ってヤマトの営業所に行って荷物を受け取り、そのまま高円寺から電車に乗った。十時になるまえに四十分ほど歩いた。すでに一日の意味が担保されていると言っていいほどに労力を割いた。誰かに話すとしたらおそらくは、期日前投票も済ませたという脚色を加えてしまうだろう。その疲れか

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2020年6月28日(日)

三時間の幅。というのは狭いようでかなり広くて、不要品回収業者がやってくるのが13時~16時ということになっているとそれだけで、一日の半分が潰れたような気がしてしまう。前日まで連絡も予約受領のメールもなく、ただ先週に電話で口約束的に依頼をしただけなので不安になる、と同時に、16時を過ぎた瞬間に憤慨しながら、しかしそれと同程度には高揚もしながらクレームの電話をかけている姿を想像していると午前中はそれで

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2020年6月27日(土)

あの昼時の時間帯に吉祥寺にいた人間のなかで一番緊張していた自信を持っても構わない、という境遇に身を置いていた。地下のロシア料理屋において、人生、というやつをやっていた。朗らかに会が終わって胸を撫で下ろした。すべての言葉が、ここでこういう言葉を言うぞ、という決意の一拍を置いてから放ったものだった。その後は三鷹まで歩いていって新居の鍵を受け取り解散。それなりに長く残っていたはずの夜は転居の準備により、

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2020年6月26日(金)

野菜が不足しているので今日の昼飯は満を持して人生で初めてサブウェイに乗り込むことを決意し通勤電車のなかで注文くるメニューを決めて呪文の練習までしていたのだけれども同料金にランチを誘われて祖の計画は水泡に帰した。野菜が食べたいと喚き散らした結果ハンバーグを食べることになるものの、付け合わせの人参やブロッコリーはすべて私の皿に集まってきたのでよしとする。苦手らしいのでWin-Winの関係を構築すること

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2020年6月25日(木)

職場の最寄り駅から職場に向かう道中にコンビニに寄る場合の最適解は、コンビニではなく職場のビルの隣のドラッグストアを選択する、というものかもしれない。グミの選択肢の豊富さはコンビニに遅れを取っていないどころか凌駕すらしているし、菓子パンの数もかなりある。しばらくはそれでやっていく。
#日記

2020年6月24日(水)

久々の在宅勤務。引っ越し間近ゆえに部屋が殺風景ゆえに業務に集中できません、という三段論法が頭から離れなかった。退勤後すぐに高円寺に向かう。揚げ物を専門とする定食屋で爆食をかましたのち、それを相殺できると頑なに信じて小杉湯にゆく。番頭の年齢不詳の女、褒め言葉ではなくネガティブな意味で二十代にみえるけれどもおそらくは四十を越えている女の、往年の篠原ともえを彷彿とさせるノリに面食らう。湯治という行為の対

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2020年6月23日(火)

職場の最寄り駅から職場に向かう道中にコンビニに寄る場合の最適解が、なまじ選択肢が多い割に最短ルート上には店舗がないゆえに、未だに掴めていない。
#日記

2020年6月22日(月)

およそ四年ぶりに国立から出勤する。今は十時始業で新宿だからよいものの当時は九時始業なうえに王子の先まで行っていた。およそ人間業ではない。国分寺の次は新宿。という体調の悪い人間は乗ることが放送によって禁じられる恐ろしい種類の電車の存在も思い出す。昼食は彷徨ったあげく大阪王将に吸い寄せられる。
#日記

2020年6月21日(日)

すぐには使わない荷物を実家に退避させるべく車で実家と自宅を往復。同乗していた母が幼馴染や私に訪れている人生の転機的局面に感極まって涙する場面あり。どうしたものか、と思いつつやり過ごす。帰りに丸井に寄る。実家には胃を拡張する磁場がある。
#日記

2020年6月20日(土)

引っ越しに伴う各種手続きの果てしなさに途方に暮れている。契約の手軽さと解約の煩雑さの落差による稼ぎ、というのはかなりあるだろうということを思い知らされる。引っ越し業者の前もって時間を指定できるというサービスも、落差ではないけれども実体のない労力に金を取られている気がしてならない。引っ越しの方法が二転三転した挙げ句、突如として実家に帰ることにする。前回帰ったときは禍の影響で三ヶ月ぶりで、今回は二週間

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2020年6月19日(金)

塩分を身体のなかに浸透させなければならないというほとんど強迫観念に近い欲望がやってきて、野方に向かう。新宿から西武線に乗るのはこれで二回目。新宿に向かって西武線に乗ったことはたぶん一度もない。花道でまぜそばを食べると異常に美味しい味がした。元々美味しいけれどもそれだけでなく、身体の側もそのように感じる準備ができていた。
#日記

2020年6月18日(木)

新しい職場の人間たちが、私を上の名前で呼ぶべきか下のほうにするべきか、めいめいで決めあぐねているのが伝わってくる。今までもかなりカジュアルな職場だったがそれとは比にならないレベルにカジュアルだから名前の呼び方もフランクだ。私は日本男児として極めてスタンダードな名前、スタンダード過ぎて書類の記入例以外では逆に見かけることのない名前を有しているので、これまでは概して下の名前で呼ばれてきたので、別に下の

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2020年6月17日(水)

夜は幼馴染の面々とオンラインでの飲み会が開催された。惣菜として売られている蛸の唐揚げを豚バラ肉と納豆と一緒に炒めるような弁護士の幼馴染を目の当たりにすることができた。
#日記

2020年6月16日(火)

職場の近くにやたらと中華料理屋があるので自然それらに足が向かうし、そこに入れば炒飯が選ばれるのが人間的な流れなので、胃のなかに常に油でコーティングされている米が収められているし、感覚としては胃のなかだけではなくむしろその周囲、胃を取り巻く膜、というのがあるのかは知らないけれどもその膜が、油にまみれている感覚がある。

ジェイン・ボウルズの【ふたりの真面目な女性】が極めて面白い。一般的な人間が抱きよ

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