2020年6月29日(月)

ベッドは運び出されているので起きた瞬間の目線が低い。出社する前に駅前の区役所で転出の手続きをし、時間があるので来た道を戻って自宅の前を通ってヤマトの営業所に行って荷物を受け取り、そのまま高円寺から電車に乗った。十時になるまえに四十分ほど歩いた。すでに一日の意味が担保されていると言っていいほどに労力を割いた。誰かに話すとしたらおそらくは、期日前投票も済ませたという脚色を加えてしまうだろう。その疲れからだろうか、平素に増して声が通らなかった。引っ越しの先に続く共同生活の期待と不安以上に、引っ越しの手続きそれ自体に大いなる不安がある。抜け漏れはないか、致命的な不備をおかしていないか。

会社では異動先の部署説明会が開催された。漫画編集という仕事の、物凄く基礎的な話を聞けた。この人たちに頑張ってもらうのが仕事なのだと思うと、珍しく頑張ろうという前向きな気持ちが、それは期間限定のものかもしれないけれどもやってきた。その会に先だって急遽、新規着任者挨拶が行われた。冷静で聡明な印象と取り違えられがちな単なる覇気の欠如を自身の見所として挙げてしまう癖はいつまで経っても抜けないし、それが始まったのがいつの頃だったかも覚えていない。

#日記

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