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帰りの電車で

今日は暑い。祭りの熱気が街全体を覆っていて、逃げたくても体内に入り込んでくる気持ちの悪い暑さだ。コンクリートの上を何時間も踊り続けたせいで足の裏がじりじりと痛い。汗ばんだ指先が画面の上を汚く滑る。サブスクのアプリを開く。同期の打ち上げを電車の時間を理由に断って、暗い夜道をひとりで歩いている。なんだか心がからっぽで穴が空いているような気分で、無理やりにでも埋めてくれる音楽が聴きたいと思った。この、片思いしているような気分は何なのだろう。とても辛くて、苦しい。キラキラしている人も物も、その反対に自分がいて、自分ばかりが好きになって相手と温度差が出来る。愛されたいよ、この寂しさと虚無感はどうしたらいいのか分からない。今頃みんなで安くて美味しいご飯食べてるんだろうな。リュックの中のお昼に食べ残したランチパックが虚しい。本当は時間なんてまだ大丈夫だけど、自分が寂しく惨めになる選択をあえてしてしまう最近の癖。今日は楽しかったと嬉しそうに話す君は、かっこよくて寂しかった。どこまで君に縋っていいのか、分からないまま今日もおやすみの通話の時間を待っている。

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