M・Horkheimer 『道具的理性批判』(ドイツ語初版)序言(1967)試訳
人間にとって目的だと見做されることになっている永遠の理念を問いただしそれ自身のうちに吸収することは、昔から理性と呼ばれている。それに対して、その都度偽られた目的のために手段を見つけ出すことは、今日では理性の商売事というだけでなく理性に固有の本質であると見做されている。かつて達成していた手段にすらならない目的などというものは迷信として現れている。神への服従が昔から神の好意を手に入れるための手段として用いられてきた一方で、支配や侵略のための出兵、テロリズムのあらゆる方法の合理化と