見出し画像

トヨタ式カイゼン ダイハツの虚偽検査

・トヨタ式カイゼン
 一秒 一円 一グラムの徹底した削減、効率化に成功し
 世界一の自動車会社に成長
 このノウハウを一般事務部門に応用し、削減、効率化の手法を
 売り物にしたトヨタ式カカイゼン活動

・これを取り入れた我が社の惨状について聞いていただきたく筆を執った

・カイゼンを批判してはいけない
 とにかくやってみよう
 カイゼンに終わりなし 次は次は 今度は何を削減する?
 この途方もないルールの危険性

・カイゼンを批判してはいけない
 それはまさしく、組織の中にタブーを作ること
 触れてはいけない聖域を作ること 禁句をつくること
 まさに組織崩壊の第一歩 旧日本軍の歴史 

・一秒 一円の削減のために、決して省略してはいけないものを
 効率化の名のもとに切り捨ててはいないか

・長年培ってきた独自のノウハウ、職人技、風土、受け継がれてきた技
 これら効率化で測れないもの、一度途絶えたら二度とは手にできないもの                        それを完全に破壊する、危険性を内在している

・カイゼンの結果、行きつく先は、どこにでもある会社
 効率化、スピード、低価格だけが売り物の
 安っぽい、ロードサイド店のような、チェーン店のような会社へ変容

・カイゼンによってきわめて平坦な、深みのない、だれにでも取って代わる
 薄っぺらな企業へと変容する恐れがある

・今まで慎重にチェックを重ねていたプロセスを省いたり
 他部門への情報共有、連絡、フォローアップを省いたり
 堅実に、確実に実行するという行為が
 真っ先にカイゼンの対象になるだろう

・カイゼン活動のノルマ化
 それによって実際に改善しているのではなく
 カイゼンしたように見せている可能性

・カイゼン成果発表会、年に一度のお祭り、社内イベント
 入賞者へのわずかな報酬
 それはまさに、端折ってはならない課程を端折った結果の成果であり
 その数字は、無理矢理作り上げた虚像である危険性をはらんでいる
 経営層には現場事情を知らない、虚偽の数字が上がってくる可能性

・その虚像に経営層が気が付かなかった場合、暴走への第一歩である

・やってもいないことをやったように見せかける
 飾り付けることが巧みな社員の独壇場
 会社方針の言いなりなイイ子ちゃんが、闊歩する会社へと変容するだろう

・個々の人間、社員の業績を長いスパンの中で評価せず
 きわめて短いタイムスパンの中で
 その効率、出来高を評価することの弊害
 短い時間軸の中でのみ成果を出す人物のみを高く評価
 縁の下の力持ち、堅実、確実を信条に働いてきた社員は去っていくだろう

・カイゼンの成果が時間短縮による人員の削減であった場合は特に要注意
 そこには末端社員の加重労働というかたちで、しわ寄せがきている

・最も効率良くカイゼンの成果を上げる方法はなんだろう
 それは下請け会社に面倒な業務を押し付けることだ
 今まで自社でやっていた管理業務、検査業務、グレーなところを
 支払いはそのままで、金に物を言わせてやらせてしまうのだ
 それをやり遂げた人間は、やり手とし有能な人材として高く評価される
 下で泣いてる人がいようとも、カイゼンの数字欲しさにお構いなし

・時間短縮、なくす、へらす、変える、
 こんな企業風土に創造的な天才は決して現れない
 VHS方式ビデオ、ウォークマン、マッキントッシュ
 社会を変えた革新的な商品は
 カイゼンによって徹底管理された職場からは決して生まれない

・なぜトヨタ式を取り入れるのか
 仔細かつ複雑な進め方、書式、ノウハウまで
 丸のみにしてしまう経営層のお粗末さ、思慮の浅さ、軽薄さ
 これこそがすべての元凶かもしれない
 独自の改革方法を考えず、世界一の自動車会社の名を冠したシステムを
 あまりにもお手軽に取り入れた
 浅はかな経営層を戴いた会社の行く末

・カイゼンによる成果として各部署が発表した数字は
 無理矢理作り上げた虚像であって
 その数字が大きいほど
 いつか必ず破裂する危険が潜んでいる

・その行き着く先は、管理が行き届かなくなった結果による
 労災事故、欠陥商品、法令順守違反、隠蔽

・つまりは、トヨタの完全子会社 ダイハツの虚偽検査へと
 いつか至る道である

この記事を始めて投稿したのは、2023年12月28日
トヨタ子会社 ダイハツの虚偽検査が明るみになった直後だった
そして2024年6月
トヨタでも同じような検査手順の偽装が報道された
つまり、カイゼンなどというものにいったいどんな効果があるというのか偽装のやり口に効率化、磨きがかかったことだろうか

カイゼンはそう簡単にはやめられない
なぜなら
浅はかにも、熟考する頭脳もなく、これを始めてしまった経営層
その責任を取るはずもなく
カイゼンの行き着く先に何が待っているのか、見通す眼力もなかったことを
悟られるのを何より警戒する経営陣
内部崩壊するまでつずけるか
あるいは、カイゼンなんてそういえば昔やってたね
なんて、うやむやに自然消滅
誰も責任を取らなくてすむ、日本型企業病
インパールの時から何も変わらない

私が最初に指摘したように
カイゼンを批判してはいけない
そんなタブーを、社内に持つことの危険性
誰も言い出せない
今日も勤め先の職場では、相も変わらずカイゼン教を
宗教のように信仰し、トヨタの偽装検査など、触れてはいけないタブーとしてみなかったことにしている
トヨタが倒産したとき、はじめて誰かが言い出すのだろうか
カイゼンやめてみようかと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?