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「ママがいい」という本から、日本の女性の社会進出について、家庭・社会・個人の視点で考えてみた その1

以前もnoteでとりあげたママがいいという本。
この本のサブタイトルは、
「母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ」
である。もちろん、保育園を否定している
わけではなく、長年保育に携わっていた
著者が、保育政策により保育がサービス化
されることにより本来子供へ親と同等の愛情を
持っておこうなう保育が作業になってしまい、
子供の幼少期に必要な愛着の形成が
されなくなることに警鐘を鳴らしている
本である。
もちろん、本来の保育が今も現場に
残っていることが本の中でも前提と
なっている。

子育て支援施策は、子育て放棄支援
施策となっていないか?
待機児童ゼロのたくさんあずかれる町が、
子育てしやすい街なのか?
すべての人が子供を預けて働ける国より、
母親と一緒にいたいすべての子供が
一緒のいれる国を目指すべきではないか?

(本の中より引用)

昨今の女性の社会進出、
出産後もキャリアを形成すべき
の風潮にすっかり飲まれていた私は、
子育て支援施策は、純粋に子育て世代を
支援してくれる施策だと思っていたし、
保育園に預けられる街に住みたいと
信じて疑わなかったので、
こういった一つの目線に気づくことが
でき、この本を読めてよかったと思います。
言ってしまえば、この本には
今社会が目指そうとしている
日本の女性の社会進出の別(負)の側面が
書かれていることになるので、
本に書いてあることから、
家庭、社会、個人の視点で感じたことを
書いていきます!

以前、書いた記事はこちら。

家庭から見た視点

日本の女性の社会進出については、
ジェンダーギャップランキングや
収入ランキングなどで、
女性の年収やポジションなど
数値化できるもので、計算された結果
日本は、欧米諸国よりも
遅れていると言われている。

しかしながら、その欧米諸国で
女性の社会進出が進み、
母子分離が進んだ結果、
子供たちにどういった変化が起こっている
かという情報は、メディアには登場しない。

本の中では、
幼少期に愛着が形成されなかった結果、
子供たちが青少年期に入った後の
意図しない妊娠件数や、
未婚の親になる10代の女子の件数、
性犯罪・銃犯罪の件数が、
増えているということが書かれていた。

それが直接女性の社会進出により進んだ
母子分離と関係があるかが
証明されているわけではないが、
そういった事実があることは、
このランキングとセットでは登場しない。

だから、かつての日本のように
誰かが家庭で子供とじっくり向き合う。
数値化できない子育てという仕事を
誰かが専念して行うことにより、
日本では、上記にあげたような事例の
件数という意味では、
欧米諸国よりは抑えられた状態にあった
と書かれていた。
しかし、このまま母子分離施策が
どんどん進むことによって、
日本でも同じように
欧米に続くかもしれないということを
本では危惧している。

何度も書くが筆者は、保育の関係者であり、
保育園を否定しているわけではない。
本来子育てをするのは、保護者の責任であるが、
どうしてもその子育てができない分を
保育士が保護者のパートナーとなり、
保育士が親と同等の愛情を
子供にそそぐ昔ながらの保育であれば、
愛着は形成できるという前提である。
私自身も今娘が通う保育園の先生方には、
それをやっていただいていると思えている。
今の保育のサービス化で、その保育の
品質を保てるのかということ問いをなげている。
保育の質の低下の具体例については、
以前こちらの記事に書きました。

ここまで書くと、マイナスばかりで、
絶望的になるが、本では、もちろん
その解決の道筋についても書かれている。
私自身、社会・個人という視点では、
やはり女性進出は進んだ方がよいという
考えに至ったので、その中で、
この家庭のマイナス面をどうカバーするか
ということを考えていきたいと思います。

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