大好きな君へ

久しぶり、大きくなったね。
あれから十年だもん、そりゃあ大きくなるか。
なぁに泣いてるのよ?
せっかくの可愛いお顔が台無しだぞ。
全く、二十歳になるっていうのに泣き虫なのは変わらないままだね。
わたし?
わたしは別にな〜んにも変わって無いよ。
君とわたしじゃ生きる時間が違うからね。
ほら、泣かない泣かない。
あの時は仕方なかったでしょ?
だって君かわたしか、もしかしたらどっちも死んじゃってたんだからさ。
言っとくけど、わたしの命は高いんだぞ!
それに君のこと好きだったんだよ?
だから、責任とってわたしの分まで幸せになってね。
あと、お父さん元気にしてた?
お父さんっていかつい顔しといてデリケートな人だから、たまに様子見てあげてね。
それと…それと…わたしのこと忘れないでね。
…ごめん、言いたいことがいっぱいありすぎて支離滅裂になちゃった。
君と話してると色んな気持ちが溢れてきて、辛いからそろそろあっちに帰ろうかな?
ふふ、また泣きそうな顔してる。
きっと、ここに来てくれたらまた会えるから。
じゃあね。ばいばい。

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