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アンソロジーはチョコレートの箱のようなもの。

人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみなければ分からない。
Life was like a box of chocolate.
You never know what's you're gonna get.

思わぬものに出会った時に思い出すのは、
トム・ハンクス主演の映画「フォレスト・ガンプ」の名言です。


世の中に多く出ている、アンソロジー本もまさにチョコレート箱のようなものだと感じます。

甘いと思ってたらビターかもしれなくて、
癖があるかと思ったらストレートだったり。

読むまでのわくわくがたくさんつまっているのです。

最近読んだアンソロジー小説です。

誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。
ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。
ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。
僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000432/


一見、ネガティブな感情のように感じる
『行きたくない』という感情がテーマでアンソロジーが出来るなんて…と中身が全く想像できないまま読み始めましたが

びっくりするくらい一作一作、心が温かくなり、自分を大切にしたいと思えるような素敵な小説ばかりでした。


なんだか今の時代は、常に前を向いていることが正解のように感じることが多々あって、
時間は有限だから価値あるものに、効率性、生産性、を重視して心の声を無視した時もあったなと。


「行きたくない」そんな感情だって、本当は見落としてはいけない大事な自分の思いなのにね。
本当はポジティブな意味の「行きたくない」なのかもしれないよ。

そんな風に言われているような気持ちになる読書体験です。


最近お気に入りで聞いていた曲の歌詞が、
驚くことにこの本に合っていたので紹介させてください。


意味ありげに 意味のないことをしてもいいんじゃない?
そうやって 僕は僕を刻んでいく
日々 日々 愛すべき無駄なこととか
今しか出来ないこと たくさんしよう

何もなくても 「何もない」が確かにある
空見上げながら 大人になったら
消えてしまうような 瞬間を抱きしめよう

(夜這星)


止まっているように感じる時間だって、
無駄のように感じる一日も

ちゃんとあなたを作っているんだよ。って


何を大事にするのか、価値は自分で決めるものだから。



アンソロジー小説は久しぶりに読みましたが、
数年前はよく読んでたな、と思い返して本棚を眺めていたら
色々見つかりました。

(ラヴレターズは小説ではなく、ラヴレターを集めたものです)

(当時は恋愛に悩んでいたのかしら…(笑))


アンソロジーは、好きな作家さんが参加しているので手に取ることが多いのですが、
思わぬ作品や「はじめまして」の作家さんに出会えるのが嬉しいです。


そう、それは開けてみないと何が入っているか分からない
「チョコレートの箱のようなもの」なのです。


最近同じ作家さんの作品ばかりよんでいるな

新しい作家さんや作品との出会いがないかな

そんな風に感じている方にぜひともおすすめです。




読んでいただき、ありがとうございました。


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