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【建築プチ知識】01_ユニットバスってなんですか?

「ユニットバス」と聞いてどういうもの想像しますか?

私の経験上ですが、「賃貸住宅にあるお風呂とトイレと洗面台が一体になったもの」と答える方が多いです。

「お風呂とトイレと洗面台が一体になったもの」は、【3点ユニット】と言われるもので、確かに「ユニットバス」の一つではありますが、それだけではありません。

簡単に言うと【ユニットバス】とは、システム化されたお風呂を指します。

つまり今ある殆どのマンションや住宅にあるお風呂は全てユニットバスになります。「規格化されたお風呂を工事で作って、搬入して、取り付けられたもの」が【ユニットバス】です。

【ユニットバス(UB)の歴史】

ユニットバスが初めて使用された建築をご存知でしょうか。

ユニットバスが出来る前、お風呂を作るためには、コンクリートの床を作ってから、床に穴を開けて配管を通していました。

当たり前ですが、それではマンションやホテルを作るのには時間がかかります。

ユニットバスが誕生した背景には、「時間がない中で作らなければならない」という時代が強く影響しています。

「1964年 東京オリンピック」

戦後20年経って、経済成長真っ只中だった日本では、オリンピックを絶対に成功させなければならないという使命感がありました。建築業界もそうです。オリンピックによって一気に増える観光客に対応するため、当時ホテルの供給が急務だったのです。

2020年に2度目の東京オリンピックが開催されますが、今も建築業界はホテルの供給、駅施設や商業施設の整備が至る所で進められています。そんな状況が役50年前にもありました。

「沢山のホテルを作らなければならないのに、部屋にあるお風呂1つ1つで、コンクリートに穴を開けて、水が漏れないように補修、防水するのはめんどくさい。いっそのこと配管の位置が決められ、防水も施されたお風呂を工場で作ってしまおう」というのがユニットバスが誕生した背景にはあります。

【ホテルニューオータニ】

ユニットバスは、1964年の東京オリンピックに供給されたホテルの1つである【ホテルニューオータニ】で初めて取り入れられました。

それからというもの、ユニットバスはその便利さから、当時は当たり前ではなかったお風呂を「戸建住宅」でも手軽に導入出来るようになりました。

覚えておくと良い知識かと思います。

【ユニットバスの種類】

様々なメーカーで作られているユニットバスですが、簡単にその種類や寸法について書きます。

通常のユニットバス:多くの住宅やマンションにある一般的なもの
2点ユニット:ワンルームの賃貸マンション等にあるお風呂と洗面台が一体になったもの。お風呂に洗面台がついているもの。
3点ユニット:ビジネスホテルや古い賃貸アパートにあるお風呂とトイレと洗面台が一体になったもの。

またユニットバスはその大きさにも違いがあります。

木造の戸建て住宅では、木造企画である3尺(約910mm)に合わせた1616サイズが一般的です。3尺の倍数である1820mmに配管等の隙間を考慮して1600mm×1600mmのユニットバスを当てはめたものです。

木造以外で造られたマンションやホテルでは比較的自由に寸法を変更出来るので、ユニットバスでも用途に応じた寸法を採用できます。

お湯を溜めて浸かることが少ないワンルームでは1216サイズや1317サイズや子供と一緒に入浴することを考慮してファミリータイプでは1418サイズを採用するのが一般的です。

高級なホテルやマンションでは、1620サイズというのもあります。

1620サイズの【16】は浴槽の長さを表しており、お年寄りや子供が溺れることを考慮して1600を安全性の最大値として決められています。

このようにユニットバス(UB)一つ取っても歴史背景や寸法等知っておくべき知識があります。

この機会に覚えておいても損はないかと思います。

今後は「建築知識」を少しもじった、【建築プチ知識】と言うマガジンを書いていこうと思っておりますので、興味ある方はぜひフォローお願いします。

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