中二病の最高峰。『三体』を読まずして、中二病は名乗れない。

Netflixによってドラマ化されることでも話題の『三体』。僕は久しぶりに、小説で興奮した。20年近い昔、ハリーポッターの新刊を待っていたあの頃のような気持ちだ。

何が面白いって?

なんだかんだ言って僕たちは、わかりやすく伏線を張って、お約束通りに展開される物語が好きなのだ。小説に限らず、音楽や映画、漫画などは、ジャンルが成熟していくにつれて複雑化していくが、一周回って定番オブ定番(に独自のスパイスを入れたもの)が売れたりする。漫画でいうと『鬼滅の刃』。音楽でいうと米津玄師。映画なら新海誠。小説なら『三体』。「三体読むくらいなら●●読めばいいじゃん」みたいな、通ぶりたい奴の頭上を通り越して、売れていくのだ。今の時代に、新しい定番を作ることが大切なのだ。キンプリが好きという女の子に「少年隊きけばいいじゃん?」と言わないでしょ。

中二心をくすぐる設定がたまらない。

世界中を欺く、面壁者。それを破壊する破壁者。人類の発展を阻止する智子。僕たちのような凡人が考えられる設定よりも、ほんの少し斜め上に想像力を働かせた中二設定が、たまらない。

重厚長大な説得力がある。

設定自体は、かなり現実離れしているものだ。だが、作者の膨大な知識から生まれる理系チックな設定の濃密さが、物語に説得力を与えている。

まとめると…

あまり説明にならなくて申し訳ない。だって、ネタバレを防止するために、詳しくは書けないのだもの。ネタバレをしたくないと思った物語は久しぶりだ。Netflixも楽しみだし、三作目も楽しみだ。メッセージ性とか、自己啓発とか、ビジネスに活かす教養とか、そんなモン糞食らえって気持ちになったときには、読んでほしい。

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