やっぱりほしい、人を魅了する「道化」のセンス(後編)
今、とっても欲しいと思っているスタンス「道化」の要素について、前回その理由や、定義について書いてみました。
また、かつて所属していた会社で尊敬する上司が、とてもさり気なくこの「道化エッセンス」を繰り出すことで、場を和ませ、活発な意見を引き出し、その場にいる人をファンにさせてしまう!
という、とんでもなくイケてる人で、私もその技術ほしーーー!!と甘く考えていたことも書きました。
そうなんです。このスキルは、実は一朝一夕で繰り出せるものじゃないことが、いざ自分がやってみようとすることでわかりました。
今日は、後編として、私が内心バクバクしながら、冷や汗ダラダラかきながら、チャレンジした話を書いてみます。
・・・・・
舞台は、人事コンサルのお仕事でお世話になっている、とある企業さまの会議の場です。その企業さまとは、約1年半ほど、あるプロジェクトでご一緒させていただいてきました。プロジェクトもいよいよ架橋で、これまで携わってきた全員が、着地に向けてもう一踏ん張り、という段階です。
その場には、本来プロジェクトメンバーではない先方の偉い方が(A様とします)、これまでの経緯を全て説明してほしい、と参加をされました。
また、これまでも何度か、A様の堅物さ具合は耳にしてきました。
その方が、説明の途中、話を遮り、こんなことをおっしゃったのです。
どうしてZ案にしたんだ?
場が一瞬にして凍りつきました。おそらく、その場にいた人たちは、
"なぜZ案にしたか?"
その答えを探し、A様に納得いただくために、それをどう伝えたら良いか、ということで、頭の中がいっぱいになっていたと思います。
さらに言うと、
ここで「否!やり直し!!」と言われたらどうしよう…
取り返しがつかない…
ここまで、1年半もかけてやってきたんだよぉぉ…
人生ゲームをしていて、ゴール目前で、ルーレットで最悪な「目」を出してしまい、振り出しに戻る…はい、詰んだね(号泣)…
例えるなら、そんな感じの状況です。
誰も口火を切ろうとしない中。ふと、こんなことを考えました。
おそらく、A様が本当に聞きたいのはZ案にした理由そのものではないはず。
Z案にすることでのリスクを考えているのか?
備えは万端なのか?
他の案とも検討した上での最終決定をしたのか?
おそらくは、そう言うことを聞きたいはずだと。
そっちが本質なんだろう、と。
となると、バナナで釘を打てる程、場が凍りついてしまうような、その質問は変えた方がいい。
さらに思った。
ここだ!今こそ、道化っぷりを発揮する場面なんじゃないだろうか!と。
そして、こう尋ねてみた。
Z案にしたのはなぜか、と。
そう問われた理由を、知りたいのですが。
よろしければお聞かせください(with smaile☆)!!
慇懃無礼になりすぎないように、なるべくあっけらかんと。プラス「あなたの考えを知りたいのです」と言う”敵じゃないですよ”スタンスで。
すると、
ああだし。こうだし。
…と、色々過去の失敗ご経験や、その方の正義感ゆえの懸念、社員を思うからこその気遣いであったことが見えてきた。
口調こそおっかねぇものの、決してZ案を覆してやろう!と言う意図はないのだ、ということがわかった。
そこまでわかれば十分だ。そのまま飄々としたスタンスで、
確かに、その懸念はありますよね!(ガッツリ寄り添いにいく)
その場合、こう言う打ち手で対応可能かもしれませんね(Z案という結論はそのままに、打開策の提示)
みなさん、どう思いますか?(場の合意形成)
そんな風に立ち回ることで、Z案の方針を活かしたまま、A様が懸念される事態の回避のための案も講ずることができる。(みんなで出した答えだね!となる)
誰も傷つかない。
みんな一安心。
結局、全員が納得でき、その会議の幕はとじた。
・・・・・
私は、まだまだこの「道化」スタンスを、完全に我がものにはできていない。上に書いた場面でも、内心はバクバクしてたし、きっと相手にもそれはダダ漏れていたはず(苦笑)。
だけど、やってみて、やっぱりこのスタイルを我がものにしたい!と思った。
道化の力。それは、空気を読む力、相手の真意を洞察する力が必要だ。
それを嫌みにならないよう、飄々とやる。
とっても機知に富む、上級スキルなんじゃないか、と思う。
これからも探求していきたいと思います!!
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