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ついていきたいと思える上司とは

先日、1年前から関わってきた企業の最終報告会&懇親会が行われました。

従業員満足度の苦い調査結果が出たのが約1年前。
そこから、経営メンバーとともに、ここまで改善に向けた取り組みを続けてきました。
彼らが社員をいかに大切に思っているか、何度もお話を聞かせてもらい、行動に移されている様子が、ものすごく伝わってきて。
気づけば、この会社のファンになっていました。

だけど、伝え方が上手くいってないのかもしれない…そのために、社員に誤解を与えてしまっていたり、届いてない部分もあるのだろうな…と感じることもありました。
だからこそ、外部の私という人間を大いに活用(利用)してほしいと思い、ここまできました。

当日は、社長だけでなく、経営メンバーそれぞれによる、持ち味を活かしながらの熱のこもったスピーチ。
また、直前まで念入りに原稿に手を入れ、最後の最後まで気を配られている様子にも、とても胸を打たれました。



その後の懇親会の席で。
なるべく多く社員の皆さんと会話したいと思い、会場をグルグルと周る中で、特に印象的だったのが、ある若手女性社員の方のお話でした。


「今の仕事が本当に好きで。私はアルバイトから、契約社員になり、今年になって正社員になりました。本当に幸せだし、この仕事が好きなんです。」

努力して、今の正社員、というポジションまで辿り着いたという彼女。

その原動力になっているものが何なのか、とても知りたくなった。

彼女が勤めているのは、某テーマパーク関連の仕事。彼女は、そのテーマパーク自体が、子供の頃からの憧れの場所であり、そこに関われること自体が幸せだ、と話してくれた。

続けて、こんなことも。


「上司や先輩たちが尊敬できる人たち、ということも大きいです。この人たちについて行きたい!って思わせてくれるような人たちなんです。それがモチベーションになってます。」と。
彼女の仕事や働く仲間に寄せる純粋で熱い思いに、心揺さぶられた。

2日後。今度は、別の社員を対象に2回目の報告会&懇親会が行われました。

その際に、1年前に実施した、初回ワークショップに対する失望の気持ちを、率直に伝えに来てくださった方がいました。

彼は、調査結果を受けて、経営陣からの見解や、具体的な改善策を期待していたのに、結果的には「社員自身で課題を解決しろ!」という姿勢に、ショックだったし、部下にどう説明したら良いか全く分からなかった、と。

なるほど、この方にとっては、そう感じられたんだな、と。
私は、静かに彼の言葉を受け止めて聞いていました。

 
その後、別の方が近寄ってきて。
その方は、初回のワークショップで学んだことを現場で実践している話をしてくれました。とても温かくて、頼り甲斐のありそうな雰囲気の年配の方でした。
そのやり方が正しいのかどうか、ぜひアドバイスを聞かせてほしい、とフィードバックを求めてくださった。

具体的にどんな取り組みをされているかも詳しく聞かせてもらい、とても感動しまた。
素晴らしいマネジメントだと思い、思わず名前を尋ねたところ、彼はまさに前回話してくれた若手女性社員の上司でした。
 
なるほど、この人なら確かについていきたい、と思わせてくれるだろうな、と思いました。
 
そこで、彼に、若手女性社員の方が話していたことを打ち明けると、彼は驚きと恥ずかしさが入り混じったような顔をされ、その後、涙を流されていました。

彼も自分のやり方が正しいのか、部下のためになっているか不安もあった、と。でも、せっかくだから学んだことを現場に落としたかった。できることからやってみたかったのだ、と。
彼女が話していた言葉を聞き、とても安心されている様子で、思わず私も涙してしまいました。


帰り道。
ふとこんなことを思いました。
 
相手や環境を変えようとするのではなく、
やはり自分が変わることで良い影響を与えることができるんだろうな、
と。
 
会社批判をしてもいいし、正論を振りかざしたっていい。
人は誰でも、自分の中での「正義」があるわけですから。
でも結局、それで、その環境や周囲がガラリと変わることは難しい。
 
一方で、たとえ手探りであっても、自分が変わることや取り組むことを考え、行動したことは、相手にしっかりと伝わるし、その思いはどんどん広まっていく。
 
過去と他人は変わらない。
変えられるのは、未来と自分自身。

 
これは、私がとても大切にしている考え方です。
改めて、考えさせてもらう、良い機会になりました。

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