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今とても欲しい、人を魅了する「道化」のセンス(前編)

「道化」と評されて、嬉しい人はあまりいないと思います。でも、自らその役を演じてみようとすると、これがなかなかに難しい。
そして、私が今、自分の中に取り入れたい!醸し出したい!と切望しているキャラでもあります。今日はそんな話を書いてみたいと思います。

知ると面白い12のアーキタイプ

心理学者のユングが提唱した「12のアーキタイプ(元型)」。
心理学を学ばれていたり、広告やブランドコンサルのお仕事をされている方などは、ひょっとすると聞いたことがある概念ではないでしょうか。

とーっても分かりやすく書いてしまうと、12個に分類された「自分らしさ」を表す特性、キャラクターのいずれかに該当しますよ、という概念です。
もちろんドンズバではなく複数のキャラの掛け合わせ、というケースもあります。

個人だけでなく、企業やブランドイメージを作り上げていく際にも、この12のアーキタイプの考え方を戦略的に用いることがあります。

概念について、色々と解説してくれているサイトがありますが、例えばこちらサイトなど、とても分かりやすく説明されています↓

12のブランドアーキタイプとは:あなたのブランドはどのタイプ?


いくつか例として、以下のアーキタイプを表すキャラクターやブランドを書いてみます。

THE LOVER(求愛者):人々を魅了したり、官能的、ロマンチックなイメージをもたらします。
○キャラクター:峰 不二子、マリリンモンロー
○ブランド:Häagen-Dazs、GODIVA、Chanel

THE SAGE(賢者):経験を重ね、その過程で得た豊富な知識、叡智を用いて人々を導いたり、示唆を与えます。
○キャラクター:「ハリー・ポッター」のダンブルドア、「スター・ウォーズ」のヨーダ
○ブランド:TED、CNN、ハーバード

THE EXPLORER(探究者):一般的な拘束やルールから解き放たれている冒険者。挑戦、開拓者スピリットを感じさせる勇気の象徴です。
○キャラクター:インディアナ・ジョーンズ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のアリア・スターク
○ブランド:Red bull、Jeep、Marlboro

…ほんの一部ですが、上記のように各アーキタイプのイメージに合わせて、ブランドやキャラクター「らしさ」を醸成していきます。「らしさ」を醸し出せるということは、人々に印象を付けやすい効果があります。「優しくてお母さんみたいなブランドと言ったら、あのブランドだ!」のように。企業やブランド側は、その与えたいイメージをもとに、商品開発をしたり、広告を打ったり、メッセージ開発をしていきます。

と、ここまでが余談なのですが(余談かいっ!)。
私が、そのアーキタイプの中で、一番惹かれるのが冒頭にも書いた「THE JESTER(道化)」です。
(ちなみに私は、診断をすると大抵「THE MAGICIAN(魔術師)」とでます。)

過去に出会った、心を鷲掴みにする "Mr.道化"

道化って、言葉が最初にも書いた通り、ちょっとマイナスのイメージをされがちですよね…
DO・U・KE
って書いたら、少しは格好よく見えるかな。どうかな…

JESTERの解説には、「生活の中に笑いやエンターテインメントを提供する既成概念に囚われない先駆者」などとあります。
人生は一度きり。だったら悲しみに浸っていないで、明るく笑とばそうゼィ!イェイ!ってノリです。ある意味、お調子者、お気楽者に感じられるかもしれません。

そして私は過去に、このキャラを絶妙なタイミングで、嫌味なくさりげなく繰り出すことのできる方と仕事をして、人を魅了していく術を見せてもらっていたことがありました。

・・・・・・・

その方は、私の上司でもあったのですが、北欧の国と日本のハーフの方で、イケメンな方でした。さすがはバイキングの国の血が混ざっているだけあり、体格や風格も半端なく大きくて、黙っていたら「圧」に感じる方もいるかもしれません。

その方と私は時折、新規クライアントのところに伺い、サービスや企画の提案、またはヒアリングやオリエンテーションを受ける機会がありました。そういう時って、お互いに暗黙の探り合いが始まると思うのです。

クライアントの心理:どんな提案をしてくれるんだぃ? 面白くなかったらそっこーでボツやぞ!

こちら側の心理:お眼鏡に叶うだろうか? 一緒に仕事をしたいと思える素敵な人達だといいなぁ。

などなど。なんとなく一瞬牽制し合う空気が流れ、場がピリつく…
だけど、くだんのこの上司は、その空気を一気にぶち壊すんですね。

わざとたどたどしい日本語で挨拶し始めたと思ったら…
「ウソウソ!えらいもんが来たなぁ、思いましたでしょ? 実は日本語ペラペラなんですわぁ。テヘヘ」
みたいな、はんなり京風なまりの日本語をお茶目な笑顔と共に、放り込むんですね。先方の心の声を読み、見事に逆手にとって、気になってるであろうところを自ら掴みに(晒しに)いく、という。


そこで場は一気に空気が和み、その後の話が、とてもスムーズに進むんです。オーケストラの指揮者みたいに、相手もこちらも関係なく、その場にいる人の発言をハーモニーのように心地よく織り混ぜ奏でていく。
しかも、この方は、とっても優秀で仕事もお出来になるので、先方の要望やどんな角度からの質問にもスマートに応えられる。先方からしたら、一気にファンになってしまうわけです。

「いいなぁ、そのギャップ、いいなぁー。私も欲しいーー!」って、当時は、とても浅はかにその上司を羨ましく思ってましたし、またその存在に救われまくってました。
また、私までがその役を演じると、「道化×2」は too much にもなりそうなので、観察側に徹しよう、なんて思っていたのですが。


当時の私は、その「道化」を演じられるスキルの高さ、その奥深さに、まだまだ気づいていませんでした。
そして、ここ最近「こ、ここだ!!今こそ道化の力を!!」と、勝手に使命感に感じられるシーンが増えてきまして。なかなかに手に汗握りながら挑んでいる状態です。

長くなってきましたので、続きは後編で、そのお話しに触れたいと思います。よろしければ、ぜひまたお読みいただけると嬉しいです☆

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