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ToDoリストを作らないで過ごしてみた あるいはタスク錬金釜法の芽

この土日だけですが。
で、そのきっかけと結果がわりと良かったのでメモです。


きっかけ

この本を読むか読むまいか迷って迷って、目次と著者ツイートを眺めてたんですね。

タスクシュートというタスク管理? 処理? の提唱です。
アプリで展開されているんですが昨年アナログ手帳版のモニターというかそういうやつがあり、実はその頃三ヶ月ほど参加してました。
本書はその際の内容をフィードバックしてさらに練り上げられているようです。
著者のツイートやyoutubeはもともと追ってたのでタスクシュートがなんなのか、どういうものなのかも大体知っていた。
ので、うーーん買うか……? 今年はビジネス書の購入減らしたいしなあ、と思いつつツイート眺めてて、ちょっと気になることがあったので試し。

曰く、「ToDoリストを作るとむしろやれなくなる」「がんじがらめになる」「あれは「やれなかったこと」にフォーカスする手段」という話。
これは彼が以前から提唱していたことであり、「予定を立てずにその瞬間に思いついたことをやればいい、それで結局はやれる」という、フォースの力を信じよ的なあれです。
が、やっぱりどうしてもそれを信じきれなかった。タスクシュートだってまず「今日やること」を決めるわけだし。それはToDoじゃん的な。(厳密にいうとそういった箇条書きを起こすにもタスクシュート的ルールはあるんですが割愛)

で、気になってたカレー屋でカレー待ちつつノートにあれこれ書いてて、あ、そういうことか? と思ったんですね。

ToDoリスト、つまり私がどうしてもできないアレと同じだった

以前こういう本の感想文を書いてます。

名著「アイデアのつくり方」。めーーちゃ雑に要約すると「アイデアはアイデアの材料になりそうなものをかき集めてかき集めて、あとは忘れる。忘れて散歩とか運動とかしてると急にまとまりだす。ほんとにアイデアを出す方法はそれしかない」みたいなことです。

この「かきあつめてかきあつめて」「そして忘れる」が重要です。アイデアは捏ね回していたらなんかできる知恵の輪ではなくカレーとか、錬金釜とか、そういうもの。

実際私もこの方法でしか結局「アイデア」って出せたことがないなと思ってて、たとえば二次創作などしてるときも「箱書き」ってのがどーーーーーーしてもできなくて。
「箱書き」って、小説や脚本全体の構成やシーンの大枠をスプシなりなんなりに用意して、その中に状況や展開や読者に与えたい感情のポイントやらをメモしていき、それを並べ替えたり調整したりして、よし、と思ったら執筆開始する、というものです。

映画の脚本などはそうやって作られますし、再現性を得るとか大人数が関わったり資金の調達が必要なゲームシナリオであったりとかコンスタントに書く必要があったり連載する必要があったりする商業小説家などにはおそらく必須の手法です。企画書みたいなもんだから。とにかくこれをしっかり用意できるようになれという入門書は少なくないです。

が、私はこれがぜんっぜんできない。小説の楽しさってジャズだから。アドリブだから。書いてて自分でもなんでそうなった?ていう展開になるのが楽しいところだから。
このへんのあれを肯定してくれるのは「今すぐ書け、の文章法」という本に詳しく力強いので興味のある方はぜひ。

あと「まあ宮部みゆきも森博嗣もスティーブンキングもトマス・ハリスもジャス型執筆で、なんなら書き出した時点では誰が犯人なのかもわかってないっていってるしな」という烏滸がましいあれで箱書きはできねえしやらない! というのを正当化しています。商業作家ではないし私。ジャズ型だと「降って」こないと書けないという欠点もありますが……

で、この「アイデアの作り方」とジャズ書き、箱書き、の話がどうToDoリストに繋がるのかっていうと、ToDoリストって箱書きそのものじゃん! と気づいたからなんですね。
なにをするか、どの順番でやるべきか、を順番通りに少し詳し目に書いて、そのとおりに実行していく、という。そりゃーーーたまにしかうまくいかねえわけだわ! で、たまにうまくいくときってのは「リストの要素そのものより、リストの完了をさせられるかをやってみる」っていう、たまにやるギャンブル的なもの珍しい遊びだから成功してるわけで、珍しさがないと積極的になれない!

あーーToDoリストのしんどさ、箱書きで小説書こうとしたときにそっくり。あの箱書き作ってるときからの「つまんねえ」という感覚、行儀のいい箱書きはそれでも一応作りはするけど「おっもしろくないなーーーー! 絶対にぶっこわしてやるからなこんなつまんねーやつは。むしろ壊したい」と思う感覚。だからToDoリスト作り込んだ日はむしろToDoに入れてないnoteの執筆3件とかやってたのかもしれない……

タスクのサイロをつくる

というわけで、ToDoリストを作らずにすごしました。
とはいえただただ無軌道に衝動的に過ごすのはよくはない。
ので、過ごす前にMECE(網羅)というか、現状を認識する作業をしました。

今家事の状態がどうで、仕事がどうで、外出予定がこう、買いたいとおもってるものがこう、勉強したい内容がこう。
そのへんを紙に書き出し、現状認識と輪郭を強めに把握しました。
で、カレー食べてぼんやり散歩しながら帰宅。

あとは衝動にまかせて過ごしました。
目についたゴミ箱の汚れを拭き取ったり絶対にラグを洗う、洗いたいとおもったので洗う、床を磨く、洗濯機引き取りの電話をする、など。
事前の現状把握ができてると、浮かんでくる衝動が自然とその把握内容でコントロールされてきます。
把握がうまくできてないとただスマホ見てゲームやっておわってたかも。
「アイデアのつくり方」と同じく、出力したい、形にしたいネタを全部タスクのサイロというか錬金釜に放り込んでいたらぽんと出てくるものがあるのであとはそれを掴むだけ。「今思いついた、今すぐやりたい衝動」がちゃんと前進できるタスクになっている、

あーー「先送りゼロ」の著者が言ってたのこれか! ってなりました。全てのタスクを「今」思いついたかのようにやれ、というあのツイート! そういう感動がありました。
これが最初からToDoリスト作ってたらこうはならなかった気がする。ていうかなってなかっただろうな。

おそらく平日5日かけてやるようなことも同様で、このへんは日曜夜にでも「平日1日あたりこのくらいやれば大丈夫ではある」っていうのを書き出しておいて、でも月曜のToDoでそのことを書き起こしたりはしない。
自分の意識は意外と自分で考えた状況と物語を覚えていて、ふわっと突然「あ、参考書5ページすすめとこ」ってなる。と思う。

衝動をコントロールする方法じゃないですかこれもしかして?すごいのでは?

で、著者は「起きたことの記録はしっかり」といいます、アイデアサイロで動くと衝動でいろいろやったなーって印象しか残らないから。そっちを重視するのが大事、と。

これだとずっと使い方をもてあましてたバーチカル手帳がまさにログとして機能するな? という気づきもあったので、新年度からは「アイデアサイロを使って衝動を味方にする方法」あるいは「タスク錬金釜法」を育てていきたいです。



カレー待ちのあいだのメモ
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