雨に沈む

短歌です。


さびしさのやつあたりを身に受け続けすっかりやつれたぬいぐるみのくま
 
雨が降る街というより雨に沈む街というようで月が見えない
 
ハエぐらいデカいハナクソ摘出の爽快感だけが今日得たもの
 
美しい乳白色の傘立てがビニール傘であふれて醜い
 
理科室の裏の紫陽花の亡骸は倒れることをゆるされていない
 
パーカー着てジャケット羽織る恰好を植え付けた人がお元気でした
 
鋼鉄が固定されたまま校庭を周回すること56周
 
重いから気を付けてね、言わんこっちゃない 転がり出たキグルミの首



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