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KADOLABO 012 Barrel Aged Chocolate Brownie Stout 2021


諸言

熟成と腐敗は、物質や食品などが時間の経過とともに変化するプロセスである。熟成は通常、意図的に管理されるプロセスである。特定の食品や物質を特定の条件下で長時間置くことで望ましい変化を引き起こす。一方で、腐敗は通常、食品や物質が微生物、酸化、または不適切な環境条件などによって劣化する自然なプロセスだ。品質が低下し、食べることや使用することが危険になることがある。腐敗は適切な保存方法がされていない場合や微生物が増殖する条件が整った場合に起こりやすくなる。
熟成と腐敗の違いは、主にプロセスの意図性と結果の質にあるといえるが、食中毒を除き、その境界は人の主観に依存するものである。良い熟成か悪い熟成かという議論は意見の分かれるものとなる。
チョコレートはカカオ(Theobroma cacao L.)から製造される発酵食品である。
カカオ豆はカカオの実から取れる種子で、その種子がチョコレートの原料となる。カカオの実から取り出された豆は、外皮や果肉などを取り除かれた後、発酵するために箱や袋などに入れられる。ここで微生物の働きにより発酵が起こる。この段階で、カカオ豆が特有の風味や香りを持つようになる。発酵は通常、数日から1週間程度続けられる。
今回のKADOLABO 012 Barrel Aged Chocolate Brownie Stout 2021では温度管理のない過酷な条件下で24ヶ月熟成させたPastry Stoutを題材に、熟成と腐敗の境界線を探る。
24ヶ月熟成の原酒は元々の味わいを失い、酸味も強くなり、腐敗に近い状態であった。しかし、発酵キャラクターの強いベリーズ産のチョコレートでフレーバリングすることで、熟成の方向へ引き戻し、熟成由来の醤油やレーズンのようなニュアンスやハードリカーのようなキャラクターを主体としつつもベリーの甘味を感じ取れる円熟したビールへと仕上げた。チョコレート由来の香りがビールの元々の発酵キャラクターの代替となり、若さを取りもどさせたのではないかと感じている。
これは私の主観であり、このビールが熟成か腐敗か、皆さんの意見を聞きたい。
本ビールは食中毒を引き起こすような微生物汚染は発生していないことを補足する。

方法

2021年に醸造したPastry Stout「Chocolate Brownie Stout」をバーボンバレルへ充填し、24ヵ月熟成した。
Dandelion Chocolateのベリーズ産グラウンドチョコレートを10g/L混和し、静置、コンディショニングし、充填した。

テイスティングレビュー on Podcast

追記

インスタライブ,Podcastの撮影裏で高崎がこのビールをいたく気に入っていた。


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