「カコタム」するってどんなこと?(3)ゆるきち(日)拠点インタビュー
この記事は、Kacotam × 寄付月間2024の記事です。
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認定NPO法人Kacotam(カコタム)は札幌圏を中心に活動している子どもの学習支援団体です。
Kacotamで活動しているのはどんな人なのか、どんなことを考えているのか……ぜひ知ってもらいたい!
広報担当がインタビューを行うシリーズの第3回です。
今回はスタサポ(拠点型学習支援)の活動が終わった後のゆるきち(日)拠点で、ボランティアのみなさんにお話を聞きました。
ーー活動お疲れ様でした!子どもたちが帰っていったところですが、みんなにぎやかでしたね(笑)。
はるか はい(笑)。ゆるきち(日)拠点は小2から高2までの子どもたちがいます。休み時間はお菓子を食べておしゃべりしたり、年齢層ごちゃまぜでアナログゲームをしたりします。
りょうた ポケモンポンジャンとか。
きりちゃん 何から何に進化するのかがわからなくて(笑)。
ーーきりちゃんはボランティアを始めて1ヶ月ということでしたが、やってみてどうでしたか。
きりちゃん 通信制高校に通う子の課題が新鮮でした。逆にこちらが教えてもらいながらやっています。
はるか パソコンで動画を見たり、タブレットにタッチペンで書き込んだり入力したり、いろいろあるよね。
りょうた ChatGPTを使う子もいる。
きりちゃん 検索したら答えがすぐ出てくるものもあるんですけど、会話していく中で考えたり創造したりしてほしいなと思っていて。答えに至る過程を楽しんでほしいです。
ーー他に驚いたことはありますか?
きりちゃん メンバーと子どもの仲が良いですよね。アットホームというか。他の拠点でも同じですか?
りょうた ゆるきち(日)拠点の場所は一軒家なので、場の力があるかも。
はるか 児童会館のさらにアットホームバージョンというか。
きりちゃん 小学生のやることが終わっちゃった後に、工作をしました。以前は中高生のオープンスペースだったから、いろいろなものが揃っていますよね。
ーーちなみに最初にボランティアとして参加するとき、緊張しませんでしたか?
きりちゃん どうだろう?でも大丈夫だったと思います。拠点の名前が「ゆるきち」なので。
一同 (笑)。
きりちゃん きっとゆるい空間だから、大丈夫と思って(笑)。
はるか その通りだったね(笑)。
ーーゆるきち(日)拠点と言えば、今年の10月から食事提供を試験的に始めたということで。
りょうた はい。1ヶ月に一度、学習時間の前にお昼ごはんの提供を始めました。まだ実施は2回ですが、子どもたちにも好評です。
ーー食事提供を始めるきっかけを教えてください。
りょうた 自分自身が、へるすたでぃ拠点の食事提供のお世話になっていました。調理に興味が出てからは、食事提供のお手伝いもさせてもらっていて、その経験が今の職業にもつながっています。ゆるきちは一軒家なので、キッチンもあるし、せっかくならと思って。
ーー実際に食事提供が始められるようになるまで、大変だったことはありますか?
りょうた もともとのゆるきちの学習時間があるので、そこにどうやって組み込むのか検討を重ねたり、あとは予算が厳しくて献立を組み立て直したりとか。
はるか 1回の食事提供につき予算が8人分で2000円未満です。メンバーたちからは食事代をもらう、ということでなんとかしています。10月は食費1055円で抑えました!
りょうた 頑張ったよね。
ーー実際に始めてみて、調理はうまくいきましたか?
りょうた 毎回自分を入れてふたりのメンバーが朝に集まって、2時間くらいで調理していきます。予算を抑えて簡単なメニューになったので、なんとかなっています。
きりちゃん 私は普段あまり料理はしなくて、包丁も握ることがなかなかないんですが、それでもちゃんと料理ができました。りょうたさんの的確な指示のおかげです。
はるか なんか、言わされてない(笑)?
りょうた そんなことはない、はず(笑)。
ーー食事提供をするにあたって、大事にしていることはなんですか。
りょうた まずはおいしい料理を出すこと。それから、会話の場の提供。次に、食事の機会提供や習慣づけになったら、と思っています。
ーーどんな食事なのか、メニュー例を教えてください。
りょうた 11月は豆腐ハンバーグとわかめと玉ねぎの味噌汁、白米でした。初回に出した厚揚げとキャベツの辛味噌炒めが特に好評だったかな。
はるか 3月までのメニューはもう考えてもらっているんですが、試作したときに3月のメニューであるかき揚げと炊き込みごはんの調理時間が全然2時間に収まらなくて。
りょうた 考え直さないといけないかもと悩んでいます。
ーー食事の後に学習時間があるので、気軽に時間をオーバーできないのが難しいところですね。
はるか そして、早く作り終わり過ぎても冷めちゃうんですよね。
りょうた まだまだ頑張ります。
ーーここまで聞いてきていろいろ大変なことがあると思ったのですが、それでも食事提供をする理由はなんでしょう。
りょうた 勉強時間以外のメンバーと子どもとの時間も大事だと思っている、というのが大きいです。出てくる話題が違ったり、ならではの距離感になったりすると考えています。自分が子どものとき、食事提供での時間や関係が好きだったので、この拠点でもあっていいんじゃないかと、そう思いました。
はるか 子どもたちは、食事のときにいろいろな話をし始めるよね。
きりちゃん 普段は話しにくい話を、話してくれる場面もありました。
ーー子どもたちの食事への反応はどうでしたか?
はるか ひとりの子が食べるなり「久しぶりの昼食だ!うれしい」と言ったんです。三食しっかり取るって難しいから。
りょうた 食事を自分で用意している子もいるので、ひとが作ったごはんっておいしいみたいだよね、やっぱり。
はるか あと、食事提供を始める前にアレルギーの確認でアンケートを取ったときに、保護者の方からも「すごくありがたい」というメッセージをいただきました。
ーーそれは励みになりますね!
りょうた はい!……でも実は、先ほどメニューは3月まで作ってあると言ったのですが、最近の物価の上昇が予想を超えていて。
はるか 団体から食費の予算をいただいたものの、提出したメニュー通りに作れないかもしれなくて不安です。ありがたいことに、調味料はAmazon欲しい物リストからいただいたので大丈夫なのですが。
りょうた 今月は鶏胸肉を使う予定なんですが、いくらになっているのか買いに行くまでわからない。肉だけで食費が吹っ飛んでしまうかもしれなくて。それに、今は試行期間。4月からについては、目処は全く立っていないんです。
きりちゃん 私は参加したばかりですが、食事があるので子どもたちの雰囲気がやわらかくなったと思うことがありました。続けてほしいと思っています。
りょうた まだ始めて2ヶ月ですが、やっぱりあってよかったなってことがたくさんあるので、なんとかしたいです。
ーー最後に、これを読んでいるみなさんに伝えたいことはありますか。
きりちゃん 学習もそうですが、食事提供など、自分にできることを頑張っていきますので、応援いただけましたら幸いです。
はるか カコタムではメンバーと子どもが1対1となって学習をすることを目指しています。毎週なんとか実現したいと試行錯誤しているので、ぜひ、メンバーになってくれる人をお待ちしています。
りょうた ボランティアをしている、と言うと「すごいね!」と返されることが多いのですが、できたら「すごいね」で終わりではなく、その先を考える人が増えてほしいです。自分は当事者だったので、カコタムが掲げている「すべての子どもが学びの機会に出会い、自己実現に向けて挑戦できる社会を目指す」ということが、他人事でなく自分事なんです。自分事にしてくれる人が、少しでも増えたらいいと思っています。
ーー本日はありがとうございました!
拠点の雰囲気や食事提供について語る3人はとても生き生きとしていました。
これからもおいしく楽しい食事の場が提供されたらいいなと思います!
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