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“24時間書店”は避けて通れない。

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初めての著者。
解説を担当されたゲームデザイナー・米光一成さんによると、本書は『Mr.penumbra’s24hour Bookstore』の全訳で、東京創元社から2014年に出ていて、“ぼくたちがいま読むべき本ベスト1長編”だそうだ。

ロビン・スローンは作家。と最初に書かれているが、2004年には情報社会の未来を予想したFlashムービー「EPIC2014」を共同制作して話題を呼んだひとでもあるらしく、ぼくの苦手なそっち方面(ゲームとかITとかAIとかの)にも精通されているようだ。

2013年度アレックス賞(全米図書館協会がヤングアダルト読者にすすめたい一般書に与える賞。知らなかった...)の受賞作で、「村上春樹のお伽話的なチャームと、ニール・スティーヴンスンと初期ウンベルト・エーコの魔術的な小説技巧をあわせもつ傑作」と紹介されている。
いやはやである。

それでも24時間書店

ほとんどお客が来ない。どう考えても大きな赤字。
この本屋は、古本を売る店と、会員にしか本を貸し出さない図書館的な本屋(主人公クレイは“奥地蔵書”と呼んでいる)が合体して出来ている。
謎解きは、この奥地蔵書と怪しげな会員が鍵になって進む。

元書店関係者は、赤字でなぜ成り立っているのかがおおいに気になる。
しかも同じような構造で状態の店舗が他にもあるという。
どうやって赤字をカバーしているのか?

あれ?そういうこと。

結構、ああ、そういうことね、が後々出てくる。
まあ、ちょっと骨が折れるが、放り出して机の上のどれかに乗り換えようかと思わないでもなかったが、読了はした。
なにせ、ヤングアダルトだから。

メモを見返してみると、
“グーグルに係わっているひととか働いているひとを、“グーグラー”というんだ!(ね、超初歩)“

“ペナンブラ氏、NYに向かう。設定シーンがいい”

“雨のNY。岩肌がむき出しの秘密の図書館“

“古典が置いてあるビストロ。読んだ客の走り書きノート”

“秘密の書”

グーテンベルグ聖書は大変な大型版でノンブルも打ってない。持ち運びに不便⇒伝播しにくい。対してアルドゥス・マヌティウスの本はノンブル付き。八っ折版で持ち歩ける⇒書物史の転換点。そして、海賊版との闘いのはじまり⇒24時間書店の赤字運営可能は!”

なんだかいろいろ書いている。

本文のノンブルはP337。
村上春樹、ニール・スティーヴンスン、初期ウンベルト・エーコも誇張とは言い切れない。
まあ、エーコは別として。

ぼくは一冊でお腹一杯だが、続編(若き日のペナンブラ氏が主役)もあるようだ。
こんなこと言ってて、案外...

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