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母はローマと呼んでいた。

小さな頃から春菊が好きだ。ほろ苦く、青い季節の味がした。母は春菊をローマと呼んでいた。


厚揚げをサイコロに切り、大根を薄くスライスする。

白菜は芯と葉に分け、芯はごま油でさっと炒める。

出汁の昆布を取り出しキッチンバサミで細く切って戻す。

大根と白菜の芯が煮えてきたら、厚揚げ、白菜の葉を入れる。

麦味噌を溶いて、火を止める寸前に春菊をしゃぶしゃぶしてどけておく。

お椀によそったら、春菊をのせる。

くたくたに煮えた春菊があまり好きではないから。

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亡くなった母は、福岡県飯塚の出身。

なぜ、春菊ローマと呼んでいたのは、聞かず仕舞いだった。

ご馳走様でした。

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