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「これでいいのだ」

言わずと知れたバカボンのパパの決め台詞である。

バカ田大学の先輩に家を無茶苦茶にされても、興奮したホンカンさんに連射されても、「これでいいのだ」なのである。

私は、この言葉に随分救われてきた。

思うに、「これがいいのだ」「これはいやなのだ」「これでいいのだ」、この3種類のカードをどう切っていくかが、人生である。もちろん暴論である。

「これがいいのだ」の人生は、例えば、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、孫正義さん、ホリエモンの人生だ。若いうちからビジョンを掲げ、そこに向かって全力を尽す生き方。妥協はない。やり切れれば素晴らしいが、普通の人にはしんどいと思う。

「これはいやなのだ」の人生は、普通の人には、現実的な選択肢だ。やりたいことを選ぶのではなく、やりたくないことを回避する。肉体労働はいや、地方勤務はいや、営業はいや、、、。このカードは切りすぎると、自分の可能性を狭めることもあるので要注意だ。やってみてから発見する適性もあるからだ。

私は「これでいいのだ」の人生だったと思う。基本的には、運を天に任せ、その中で最善を尽くす。こんなこと出来るのか?、向いてないんじゃないか?、と思うこともあった。しかし、まあやってみるか。「これでいいのだ」である。

「これがいいのだ」と自分で選んだわけではないので、結果が良かろうと悪かろうと、「これでいいのだ」なのである。

そんな私も、たまーに、「これがいいのだ」「これはいやなのだ」のカードを切ることがある。そして、この2種類のカードを切るときには、絶対に妥協しないし、負けない。

しかし、そんなことは、一生に何度もない。

大体のことは、「これでいいのだ」なのである。

「これでいいのだ」


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