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異語り 072 ご先祖様

コトガタリ 072 ゴセンゾサマ

今年は久しぶりにととサンの実家へ帰省することができる。
(自分の実家は関西のため、もともと数年に一度くらいしか帰れていない)
ととサンの実家は同じ道内と言うこともあり、毎年 盆と正月には顔を出していた。
男2人兄弟だったおかげか義両親には義姉共々とてもかわいがっていただいている。
ネットでよく聞く嫁姑バトルなんてモノは都市伝説か? と思う程居心地がいい。


それがこの度の感染症騒動のせいで2年程帰れていない。
実家に泊まらずホテルを取って墓参りしたのが去年の夏。
実家には本当に久しぶりの帰省になる。


盆と正月に帰った時には、家の仏壇とお墓に家族揃って顔を出していた。
ご先祖様にもかわいがっていただけているようで、事故も病気もなく平和に暮らしていた。

ただ、物理的に距離が離れているためか、手厚く見守っていただけるのは1年弱程。
1年以上ご無沙汰してしまうと、ととサンが違反切符を切られることになる。
一時停止違反や、一般道での速度超過(10キロ以下がほとんど)などの軽微なモノが多いのですが、違反金は地味にきついです。
「ああ、お盆に帰りそびれたからねえ」
なんて話をしながら、なるべく早めに予定をつけて帰省できるようにしている。


ところが今回は帰るに帰れない日々が続いていた。
思い返せば夏前辺りから家族に不調が出ていたように思う。
怪我や体調不良が続いたことも……

きっと違反切符は『そろそろ顔をだせよ』というメッセージだったのかな?
と思う。
帰れない今は切符は切られていない。
代わりに下手すれば大惨事的な事故未遂が増えた。
切れかけた縁を必死で守ってくださっているのかもしれない。

ついこないだもあわや車がひっくり返るか? と言う目にあったばかり。
ツルツル路面にハンドルを取られ、路肩の雪壁に乗り上げた。
前輪が微かに浮かんだ感触もあったし、すぐ後ろにはトラックが走っていた。
どうにか道路に戻ることができたが、しばらく動悸が治まらなかった。

(もしかしたら後ろのトラックの運転手さんが一番ビビってたかも)

帰ったらちゃんとご挨拶とお礼をお伝えしておかねば! できればお墓もいきたいけど、冬は少々難しそう(けっこうな斜面にあるので雪があると登れないかもしれない)天候次第かな。


実家までは六時間ほどのロングドライブになる。
『交通安全』と書かれたしめ飾りをしっかり飾って、安全運転で帰ります。

皆様も事故なく、怪我なく、よい年をお迎えくださいませ。

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