Floodrush | 2023年に開発中止になったSupercellゲームのOBT(2023年5月)をふりかえる
おつかれさまです。kabutomです。
今回のnoteは、昨年2023年5月にSupercellから発表され、わずかその3か月後に開発中止が発表された幻のタイトル『Floodrush』についてのふりかえりです。だいぶ時機を逸してはしまいましたが、OBT(2023年5月)を中心にどんなゲームだったのかについて整理し、供養をしておきたいと思います。
『Floodrush』とは?
『Floodrush』は、Supercell社が開発していたゲームタイトルです。公式の説明によれば、『8人の探検家が宝を集め、覇権を争う!乱暴な乗組員を召集し、島が沈む前に島を支配しよう!』という趣旨のゲームです。
既存のどのSupercellゲームに近いかと言えば、強いて挙げるならバトルロワイヤル系ということで『ブロスタ』でしょうか。もっとも近いのは、開発中の『Squad Busters』というゲームで、これはゲームジャンルがまるかぶりと言っていいくらい似ていました。
ちなみに、上のキーアートは一見すると中央の少女が大量の海系モンスターに追われているように見えますが、実はそうではありません。探検家である主人公の少女が、集めた乗組員(モンスターたち)を率いて島を冒険しているシーンなのです。そんなの分かるか!笑
2023/5/26 タイトル発表
2023/5/29~6/7 OBT
2023/8/24 開発終了
公表からわずか3ヶ月という短期間での悲しい結論になってはしまいましたが、おそらくは水面下での長い開発期間があって、行き詰まり的なものもあって、最終判断をかけてのOBTだったのでしょう。惜しいゲームでした。
『Floodrush』OBTレポート(2023年5月)
OBT(2023年5月)の概要
こちらが、2023年5月の限定オープンベータテスト(LOBT)の概要です。
期間:2023年5月29日~6月7日
地域:アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール
条件:Androidのみ。DL人数に上限あり
日本は対象地域に含まれませんでしたが、招待されたクリエイターや、VPNを駆使して参加したプレイヤーなどが(少数ですが)いました。筆者も公式クリエイター枠で参加したうちの一人です。(公式さんへのフィードバックはもちろんしていましたが、ブログ化が遅れに遅れてしまっておりました。誠に申し訳なく!)
ゲームの流れ
ここからは、『Floodrush』のゲームの流れを紹介していきます。
ゲームを起動するとまず表示されるのが、このメイン画面。OBTで選べたゲームモードは「サバイバル」の1つだけでした。
「Battle」を押すとマッチングが開始し、自分を含めて8人のプレイヤーが揃うとバトルが始まります。
バトル画面の見方がこちら。自分が操作するのは中央の主人公(シーカーと呼びます)。移動はパッド方式ではなく、目的地をタップする方式です。
画面下にはアイテムのスロットが1つと、仲間モンスター(クルーと呼びます)のスロットが3つ、そしてシーカー固有のアビリティ(スキル)ボタン1つが並んでいます。
アイテムは消費制で使えばなくなり、スキルは時間制で一度使うとクールダウンタイムが終わるまで2度目が使えません。持ちデッキからは、タイカ(クラロワでいうところのエリクサー)を消費することで、いつでもクルーを召喚できるシステムです。
バトルが始まると、他のバトルロワイヤル系ゲームと同様にマップの端に主人公が配置されます。マップは円形で、初期配置に有利不利はありません。
まず最初にすることは、ランダムに選ばれた4枚の中から初期クルーを1枚選ぶことです。
初期クルーを数体召喚したら、あとは彼らを指揮して、宝箱や壺を開けたり、NPCモンスターを退治しながら、戦力を整えていきます。スロットが少ないこともあって、どのクルーやアイテムを残すべきかを常に問われ続けますが、その悩みこそが面白い!
時間経過で画面下方から水位が上がってきて、マップが狭まってゆきますが、この辺はバトロワ系あるあるですね。(島が沈んでいるのか、海面が上昇しているのかわかりませんが、世界的な気候変動への警鐘をゲームに盛り込んでいるのやもしれません)。
チャイム代わりに鐘がゴーンゴーンと響くと波打ち際がサーッと迫ってくるのですが、この鐘の音が何とも雰囲気があって僕は好きでした。
試合中盤からは、ほかのプレイヤーとの接触も増えてきます。相手チームを倒せば大量のタイカが手に入るので、対人戦はチャンスでもありピンチでもあります。
複数プレイヤーに囲まれないように気をつけながら、勝てる相手を見極め、自分のチームを大軍勢に仕上げていきましょう!
試合の最後はマップ中央での総力戦です。逃げ場はどんどんなくなりますし、必ず白黒の決着が付いて試合が終わります。基本的に「数=力」なので、ここに至るまでに実質的な勝負がついている試合が多かった印象です。
そうそう、スタンプで勝利を勝ち誇ることも忘れてはいけません。Supercellゲームと言ったら、これが欠かせませんよね!笑
▽ゲームの流れを実機映像で確認したい方はこちら!
いいところ・悪いところ
OBT期間中に約10時間ほどプレイしてみて感じた、本ゲームのよかったところ・悪かったところを色々書いてみます。これはおおむね、OBT終了時に公式さんにフィードバックした内容でもあります。
縦画面:★★★
縦画面とマップ構成がとてもフィットしていました。マップは円形で、常にマップの中心が画面上方に来るように表示される仕組みなのと、常に画面下部から波が迫ってくるので、自然と上の方へ上の方へと進みたくなります。道に迷うことはありませんし、ゲームシステムとも合致していました。
操作性:★★☆
タップでの移動:操作がシンプルになるのはメリットでしたが、不便さもありました。移動しながらカードを取れなかったり、画面をスワイプしてマップを確認することができなかったのは、スマホ操作的にストレスでした。
移動速度:遅く感じました。移動速度アップのスキルやアイテムがほしかったですね。
手札3枚・アイテム1枚:★★☆
どのカードを交換するか残すかに、プレイヤーごとの戦術や好き嫌いを表現できるのが良かったです。アイテムは、もう1枠ほしかったかも。
デザイン:★★☆
シーカー:主人公のミアはいい感じ。あとの2人は悪く言うと量産型と言うか、影が薄いというか…
クルー:静止画で見たときにはピンときませんでしたが、ゲーム内で実際に動いているのを見ると、動きに個性があって愛着が持てました。
アドベンチャーマップ:南国テイストと丸っこい地球がたまらなく好き!
バトル:★★★
敵味方が色分けされていて、混戦でも見分けやすかった点はグッド!
クルーの総タイカ数が自分も相手も数値化されて表示されているので、衝突前から数字で優劣がほぼ分かってしまうのはつまらなく思えました。ですがのちに、敢えてタイカを隠し持つ戦術を知ってからは面白みが増しました。
フック:☆☆☆
クラッシュ・ユニバースでも、ブロスタ・ユニバースでもないオリジナルキャラである分、既存のSupercellファンへのフックが弱い点は気がかりです。クルーたちは、動き出すと愛着がわくのですが、静止画の段階で”客寄せ”ができるかと言うと、うーん...
総評:★★☆
事前情報を聞いて『Squad Busters』と似ていると感じましたが、実際に遊んでみるとけっこう違いがあって、それが個性にもなっている点が良かったです。
マップ画面をはじめとした美術も美しく、夏に遊びたくなるゲームだなと思いました。冬なら冬で、夏が懐かしくなるゲームになりそう!
結局何がいけなかったのか?
その後、OBTが終わって2カ月と少しで「開発終了」が発表された訳ですが、残念だった一方で何となく納得するような気持ちもありました。それは、きわめて個人的な感想になってしまうのですが、”理にかなっている、普通に面白いゲーム”ではあるものの、”なんだかよう分からんが、始めたら止められないゲーム”ではなかったんですね。僕に刺さらずともほかの多くの人に刺さるゲームはごまんとあるので、そうであればよかったのですが…
Supercellの掲げる『何年もプレイされ、永遠に記憶に残る素晴らしいゲーム』という基準が果てしなく厳しいことはそれまでも知っていましたが、この件によって、相変わらずめちゃめちゃ厳しい基準を維持していて、そこに関しては一切妥協しないのだなと強く再認識させられました。
余談:現在開発中のSupercellゲームをおさらいしておこう!
悲しい気持ちのまま原稿を終えるのもアレなので、現在開発が進行中のSupercellゲームをおさらいして、期待に胸を膨らませるとしましょう!
(1)Clash Mini
おそらくグローバルリリースに今一番近いゲーム。ただ、2021年11月にソフトローンチされ、その後もじわじわOBT対象国が増えているものの、なかなかグロリリまでたどり着けていないのが現状です。2024年こそなにとぞ!
(2)Clash Heroes
2021年4月の「Clash系新規3タイトル開発中!」の初報でもっとも期待値の高かったタイトルですが、いっこうに音沙汰がありません涙。反面、開発中止という発表もされていないのはチャンスの証(のはず)。首を長ーくして、続報をお待ちしてます!
(3)Everdale
2022年10月に一度開発中止された本タイトルでしたが、2023年1月、Metacore社(主なタイトル『マージマンション』)に開発が譲渡されてリブートされることが発表されました。おそらく全く別のゲームになるでしょうし、時間もかかると思いますが、朗報は朗報です。
(4)Squad Busters
2023年2月と2023年5月の2度、期間限定のCBTが実施されて、2024年にはおそらく3度目のCBTがあるであろう期待作。ゲームの骨子はとても評判が良いので、あとはボリューム的な問題をクリアすれば一気にグロリリも?
(5)mo.co
2023年10月に発表されるや即、期間限定OBTが実施されたSupercellの最新作。MMORPGというジャンルといい、アートのセンスといいこれまでのSupercellゲームっぽくないところが逆に注目ポイント! 2024年も何らかのアクションがあるはずです。
◇
2024年は、Supercellファンにとっても楽しみが多そう! 今後も、続報や新情報などがあり次第、X(Twitter)やこのnoteなどで速報していきます👍。
関連:『Floodrush』OBT資料集
思い出として、色々な資料をここに遺しておきます。
OBT版の各種画面
OBT版『Floodrush』の各画面は、こんな感じでした。
メイン画面
バトル画面
リーダーボード(ランキング)画面
アドベンチャーマップ
コレクション画面
クエスト画面
Seaker(シーカー)
Seaker(シーカー・冒険家)は、このゲームの主役であり、プレイヤーが直接操作できる唯一の存在です。メイン画面から、バトルで使うシーカーを選んだり、育成したりします。OBTでは3人のシーカーが用意されていました。
Mia(ミア)
Nook(ヌック)
Zaenna(ザエナ)
Crew(クルー)
Crew(クルー・乗組員)は、バトルの中でシーカーが集めていく仲間モンスターです。他のシーカーよりも早く、バランスよく強力な軍団を組み上げていくのがゲームの勝敗を握ります。
バトル前に使用したいクルーを設定しておくことはできませんが、好きなクルーをレベルアップしておくことはできます。OBTでは14種類のクルーが使用可能でした。
Fish Pirate(サカナ海賊)
Shellby(シェルビー)
Octoshot(オクトショット)
Pistol Fish(ピストルフィッシュ)
Shark Bear(シャーク・ベア)
Bombardier(砲兵)
Boxer crab(ボクサー・クラブ)
Bombback(ボムバック)
Tiktik(ティックティック)
Triceratops(トリケラトプス)
Hairy(毛むくじゃら)
Gruk(グルーク)
Raptor(ラプター)
Item(アイテム)
Item(アイテム)は、バトルの中でシーカーが集めていく道具です。持てる数に制限はありますが、任意のタイミングで、任意の場所に発動できるのが便利で、おもに対人戦で効果を発揮します。
バトル前に使用したいアイテムを設定しておくことはできませんが、好きなアイテムをレベルアップしておくことはできます。OBTでは5種類のアイテムが使用可能でした。
Bomb(ボム)
Rum Bomb(ラム酒爆弾)
Fishing net(漁網)
The Wheel(車輪)
Watermelon(スイカ)
+ 関連SNS
▽GSA03
▽バケホク
▽Airborn Studios
▽Ocellus Services
+ Information
最後までお読みいただきありがとうございました。
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それでは、また次の記事でお会いしましょう!(kabutom)
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