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家に図書館をつくる

読んでない本があるままに、本を買い続けるとどうなるか。
家に図書館ができるのである。

その図書館は自分好みの本が並ぶ図書館である。
自分が興味のある本を買っていった結果なので、当然ではあるのだが。
図書館があれば、たとえ今は読めなくても、ふとしたときに「あんな本あったよな」と本を手に取れる。

特に私が重宝しているのが、出勤前に本を選ぶときである。
読みたい本というのは、その日によって違う。
だから、昨日まで読んでいた本でも、今日も読みたくなるとは限らない。
そんなときはその図書館から、”今日読みたい本”を2冊ほど選んで職場に持っていく。
その本を通勤電車の中や、昼休みの休憩室で読むのが、日々の楽しみになっている。

また、家に図書館があれば、休日だって楽しくすごせる。
なんてったって、好きな本が読み放題なのである。
私はよくラジオを付けて本を読むのだが、その時間はとてもリラックスできて心地いい。
何にも邪魔されず、ただ自分と本だけがある世界。
そんな時間を持てるのは贅沢だと思う。

そして、家に図書館があるとそれだけで文化的な雰囲気が漂い、居心地がよくなる。
私は本屋とか図書館の雰囲気が好きなのだが、それが家でも感じられるのだ。
特にいいのが、晩酌の時間。
好きな本に囲まれた空間で、お酒を飲むのがとても楽しい。
たとえるなら、お気に入りの喫茶店にいるような感覚で、お酒が進んでしまう。

私は本を”可能性が物質化したもの”だと思っている。
家という閉鎖された空間には可能性の広がりがない。外部との繋がりがない。
そこにまだ読んでいない本が”モノ”としてあることで、可能性の広がりが生まれる。
その本を手に取れば、自分の知らない思考に触れることができる。
日記本を読めば他の人の日常を追体験できるし、ちょっと古い本を読めば当時の人間が何を考えていたかがわかる。
そんな可能性の広がりを持つ本が家にあることで心に余裕が生まれ、心地よくなるのだと思う。
それはまるで、窓があることで開放感が生まれるように。

最近は何にとっても余裕がない世の中である。
そんな中でも家に図書館があれば、心に余裕が生まれてなんとかやっていける。
だから私は今日も好きな本をせっせと買い続ける。
たとえ今は読まなくとも、それが家にあるだけで意味があることを私は知っているから。

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