見出し画像

【詩】いばらの王子

ばらさん、ばらさん!
とげがなくてはいけないの?
僕の母さまが笑うのです

「ばらにはみんなとげがある
おまえの笑顔は気に食わぬ
触って怪我をすればいい
泣いたら大事にしてあげる
かわいい子供はどこにも出さぬ」

僕は泣いたことがありません
お城に閉じ込められるから
笑ったこともありません
母さまにばかにされるから

夢の中で出会ったばらにはとげがありませんでした
かわいいお姫様みたい
摘んでやさしく口づけたけれど
目覚めるとどこにもいませんでした

「ばらにはとげがあるものさ!」
僕の母さま大笑い
僕はお城を去りました

「ばらにはとげがあるけれど
毒まであるのは母さまくらい!」


・・・・・

書いた作品の意味は読んだ側に委ねられる とした上で言いますが、これは宗教2世としての苦しみから生まれました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?