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FA関連銘柄、(6954)ファナックの株価分析! 今後の見通しは? 〜銘柄リサーチPart.11〜

 閲覧ありがとうございます。
 株まとめ@元証券マンと言います。

 初めての方は、こちらの自己紹介記事をぜひご覧下さい。


 これまでの株価分析記事の一覧はこちらです。

 普段は割安株中心に、銘柄分析記事を連載形式で投稿しています。

 今回の記事では趣向を変えて、各種投資指標は決して割安とは言えないものの、個人的に注目している(6954)ファナックについて、詳細を見ていきたいと思います。



①ファナックってどんな会社なの?

 ファナックは電気機器セクターに属する企業で設立1972年、工作機械用NC(数値制御)装置で世界トップを誇ります。

 また、産業用ロボットでも世界首位となっており、FA(Factory Automation)の総合的なサブプライヤとして、世界のモノづくりにおいて重要な地位を占めている企業と言えます。

 電気機器セクターの時価総額ランキングでは、ソニー、キーエンス、村田製作所、日本電産、日立製作所に次ぐ6位につけています。



 ファナックの収益事業は、「自動化による生産システムに使用されるCNC(コンピュータ数値制御)システムとCNCシステムの技術をベースとしたその応用商品の開発、製造、販売」を主な事業とする単一セグメントとなっています。

 商材別、地域別の売上構成は以下のようになっています。
 ※各%は、全社合計に占める割合

【商材別売上】
①FA(Factory Automation):33.2%
②ロボット:34.2%
③ロボマシン:18.1% ※スマートフォンの加工向けの工作機械
④サービス:14.5%

【地域別売上】
①日本:23.6%
②米州:20.2%
③欧州:19.2%
④アジア:36.3%
⑤その他の地域:0.7%

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 工作機械用CNC(コンピュータ数値制御)装置や産業用ロボットで世界トップシェアを誇るだけあって、日本における売上比率はわずか23%で、海外売上の比率が80%近くなっています。


 電気機器セクターについては以前(6932)遠藤照明についても分析記事を書いていますが、同じセクターでも扱う商材は全く違います。




②ファナックの規模ってどのくらい?

 それでは次に、ファナックの定量情報を見ていきましょう。

●時価総額:4兆2,173億円 ※2020年1月10日終値
●売上:6,355億円 ※2019年9月期
●営業利益:1,632億円(営業利益率 25.7) ※同上
●当期純利益:1,541億円(最終利益率 24.2) ※同上
●連結従業員数:全社合計  7,866人 ※2019年9月末

 営業利益率が24%と非常に高いですね!

 時価総額が売上の6.6倍というのもなかなか見ない水準です笑

 時価総額やその売上・利益の規模において、あえて類似企業を挙げるとするならば、業種は異なりますが(4661)オリエンタルランドが近いでしょうか。

 ちなみに、オリエンタルランドは売上の実に10倍もの時価総額となっています。笑


 続いて、ファナックの業績・配当の推移を見ていきましょう。





③ファナックの業績と配当金の推移は?

 直近5年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。

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 一株利益・配当金ともに非常に波がありますね

 トップラインの売上も安定していないのが気になります。


 以下は月足チャートになります。

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 上げ下げはありますが、基本的には横ばいと言えそうですね。

 2018年の高値からは15,000円近く下げている形です。


 ちなみに、2020年1月10日終値ベースで、ファナックの各種指標は以下のようになっています。

⚫︎PER:68.5倍 ※東証一部 同セクター平均   21.6倍(2019年12月末)
⚫︎PBR:2.94倍 ※東証一部 同セクター平均   1.5倍(同上)
⚫︎配当利回り:1.36%

 PER・PBRともにセクター平均よりもかなり高いですね。

 元々セクター平均自体が東証一部平均よりも高い水準ではありますが、その中でもファナック特出していると言えます。


 次は、ファナックのリスクについて見ていきます。





④ファナックのリスクは?

 それではファナックのリスクについて見ていきます。

 まず、ファナックは2020年3月期の連結業績予想についてですが、今期中に2度も下方修正を行っています。


 この事実を踏まえて、ファナックのリスクは、大きく以下の2点が挙げられます。


(1)中国における需要低下リスク

 業績の下方修正にあたり、ファナック側は、「中国の需要家は投資に様子見の姿勢が強い。受注状況は想定以上によくない」と説明しています。

中国をはじめとした自動車需要の落ち込みで顧客が設備投資を抑制。米中貿易戦争が追い打ちをかけ、7~9月期の受注高は1,234億円と前年7~9月期に比べ16%減った。FA部門の受注高は35%減の297億円に激減した。

 景気が悪くなると各企業設備投資を抑えようとするので、FA部門も産業用ロボットも需要が落ち込みます。

 それにしてもファナックの規模で、前年35%減というのは恐ろしいですね。


(2)スマホ需要の低下リスク

 ファナックのロボマシンは、スマートフォンの加工向けの工作機械なので、世界におけるスマホ需要が伸び悩むと投資が減り、ロボマシンの販売も低下します。

 ロボマシンの受注高も172億円で前期に比べて31%減となっています。





⑤ファナックのおすすめポイントは?

 では逆に、ファナックの魅力は何なのでしょうか。

 やはりそれは世界トップシェアに裏打ちされた高収益企業という点でしょう。

 2度の下方修正があってもその営業利益率は15%超を維持しています。

 中国をはじめ世界の経済の影響を受けやすいビジネスではありますが、収益性の高さは目を見張るものがありますね。





⑥ファナックは今買うべきか否か?

 以上、ファナックについて見てきました。

 利益率が高くで、世界においてトップシェアを誇る超優良企業ですが、さすがにPERが高すぎるので、今の水準で買うのはリスクがあると考えます。

 ただし、もう少し株価が落ち着いてくれば十分投資対象となり得る銘柄だと思います。

 いずれにしろ、景気に左右されやすい銘柄ですので、あまり大量に保有しないほうがいいと考えます。





⑦まとめ

 今回の記事ではファナックについて見てきました。

 利益率の高さや世界シェアなどから魅力のある銘柄ではありますが、景気敏感な銘柄なので、あまり多額の資金を投資しないほうがいいでしょう。

 また、今の水準で買うのはややリスクが高いように思います。

 せめてPER 50倍は切りたいところですね。




 本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。

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