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繊維製品2社(シキボウ、ダイニック)の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.23

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 さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。

(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内

 ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。

 これまで、商社株、銀行株、建設株、不動産株、化学株、輸送用機器株、機械株、ガラス土石製品株、その他金融株、鉄鋼株、電気機器株ついて分析を行いました。

 本記事では、繊維製品業の2社について書いていきたいと思います。


①繊維製品業の概要について


 繊維製品業セクターは、名称の通り繊維メーカーがその名を連ねます。

 下着メーカーのワコールなど消費者にも馴染み深い企業も中にはありますが、ほとんどがBtoB系の企業群となっています。

 化学繊維と表現されることもあるので、化学セクターとも似ていますね。

 化学セクターは、繊維も含んだ広義の化学分野として区分されています。

過去記事『化学メーカー徹底分析! 割安株の探し方 vol.11』


 ちなみに、参考までに繊維製品業セクターの時価総額上位3社の指標は以下のようになっています。
 ※2019年11月26日終値

東レ:1兆1,991億円 PER 14.17倍、PBR 1.05倍 
帝人:4,105億円 PER 11.70倍、PBR 0.99倍
ゴールドウイン:3,702億円 PER 31.68倍、PBR 8.71倍 

 時価総額で1兆円を超えているのは東レの1社だけですね。

 マーケットのサイズに限界がある業種と考えられます。

 一部上場会社平均と比べるとゴールドウインは非常に割高で、その他2社はやや割安と言ったところでしょうか。(20.19年10月末一部上場平均PER 17.1倍PBR 1.2倍)。

 ではさっそく、スクリーニングの結果、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。


②割安な繊維製品株の具体的な銘柄は? 


 vol.1の記事でピックアップした電気機器業2社の内訳は以下のようになっております。 
 ※時価総額は2019年11月26日終値


無し

 ―――――――――――時価総額500億円の壁

(3109)シキボウ 111億円 ※紡績名門。航空機向け含む機能材などの育成や豊富な不動産資産活用

 ―――――――――――時価総額100億円の壁

(3551)ダイニック 66億円 ※書籍用クロスと染色から。基材・製膜技術を軸に情報関連、自動車内装材、不織布など展開


 2社とも時価総額100億円からそれ以下の中小繊維メーカーですね。

 東レや帝人などの業界最大手クラスの指標はそれほど割安と言えるものではないので、規模の小さい繊維メーカーほど割安になりやすいのかもしれません。


③繊維製品業2社の業績・配当金推移は?

 
 では次に、2社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。


(3109)シキボウ :一株利益19.3期を除き横ばい、配当横ばい。

(3551)ダイニック一株利益、配当共に横ばい

 

 2社とも基本的に横ばいでパッとしない印象ですね。

 少し想定外のことがあればすぐに減益となってしまいますし、そもそもが規模の小さい企業なのでその影響は大きいです。

 この点は注意が必要ですね。


④なぜ、繊維製品業2社の投資指標は割安なのか?

 

 次にこの2社が割安な理由を見ていきましょう。

 ただ、その前に一旦本日2019年11月26日終値ベースでの、各社の各種指標を見返してみます。

 
(3109)シキボウ: PER 7.7倍 PBR 0.32倍 配当利回り 4.25%

(3551)ダイニック: PER 7.3倍 PBR 0.34倍 配当利回り 3.82%

 特にPBRがどちらも驚くほど割安な数値ですね。

 また、繊維製品業セクターの2019.10月末時点の平均PER 18.4倍、PBR 0.8倍となっているので、セクター平均と比べてもかなり割安と言えます。

 ただ、(3551)ダイニックは直近の値動きで配当利回りが4%を下回ってしまっているので、僕の基準では割安株からは外れます。

 一方で(3109)シキボウはまだ3指標とも十分割安と言えそうですね。


 では、なぜ(3109)シキボウの指標は割安なのでしょうか。

 複数理由はあるかと思いますが、最大の理由は10月時点で2020年3月期の業績予想を下方修正しているからだと考えられます。

 元々は営業利益26億円の予想でしたが、23億円に下方修正されました。

参考 会社IRページ『業績予想の修正に関するお知らせ』

 こうした下方修正がなされると、再度下方修正がなされるリスクも高まりますし、来期以降の見通しにも疑念が出てきます。

 元々が時価総額100億円程度の中小であるだけに、ネガティブに見られてしまうのも仕方ないでしょう。


 

⑤結局、繊維製品業2社の株は買わない方がいいの?


 ここまで、繊維製品業2社がなぜ割安なのかを見てきました。

 個人的には、(3551)ダイニックは配当利回りが4%を下回ってしまっておりますし、(3109)シキボウは業績に下方修正がされているので、2社とも今時点では買い検討は出来ないと考えます。

 あえて言うなら、(3551)ダイニック配当利回りが4%を上回ってきたら、再度詳細分析を行うのがいいかもしれません。


⑥まとめ


 以上、簡単に繊維製品業の2社について見てきました。

 結論としては、(3551)ダイニック(3109)シキボウの2社とも、現時点では買い検討には値しないと考えます。

 他の銘柄の分析に時間を使うのが良いでしょう。

 

  次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、金属製品セクターの2社について見ていきます。


   ※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』

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