時価総額25兆円、(7203)トヨタ自動車の株価分析! 今後の見通しは? 〜銘柄リサーチPart.16〜
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普段は割安株中心に、銘柄分析記事を連載形式で投稿しています。
今回の記事では趣向を変えて、各種投資指標は決して割安とは言えないものの、個人的に注目している(7203)トヨタ自動車について、詳細を見ていきたいと思います。
①トヨタ自動車ってどんな会社なの?
トヨタ自動車は輸送用機器セクターに属する企業で、言わずとしれた日本一の自動車メーカーです。
国内企業の時価総額では25兆円と、2位のNTTにダブルスコアをつけて圧倒的1位となっており、売上高でも2位の三菱商事に大差をつけて1位となっています。
時価総額世界ランキングでは40位前後ですね。
名実ともに日本最大級の企業グループと言えるでしょう。
正直トヨタの会社概要については説明不要かと思いますので、さっそくセグメント情報を見ていきます。笑
トヨタ自動車の収益事業は、以下の3つのセグメントに分かれています。
※各%は、全社合計に占める割合
(1)自動車
売上比率:89.5% 利益比率:82.6%
※セダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売。
自動車は、トヨタ自動車、日野自動車(株)およびダイハツ工業(株)が主に製造しているが、一部については、トヨタ車体(株)等に生産委託しています。
海外においては、トヨタモーターマニュファクチャリングケンタッキー(株)等が製造。
自動車部品は、トヨタ自動車および(株)デンソー等が製造。
これらの製品は、国内では、東京トヨペット(株)等の販売店を通じて販売し、一部大口顧客に対してはトヨタ自動車が直接販売。
一方、海外においては、米国トヨタ自動車販売(株)等の販売会社を通じて販売。
主な車種は、クラウン、カローラ、ハイラックス、ヴィッツ、ハイエース、プリウス、アクア、タント などになります。
(2)金融
売上比率:7.0% 利益比率:13.1%
※トヨタグループが製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融・車両のリース事業。
国内ではトヨタファイナンス(株)等、海外では、トヨタモータークレジット(株)等が提供。
(3)その他
売上比率:3.5% 利益比率:4.3%
※住宅の設計、製造および販売、情報通信事業等。
住宅は、主にトヨタホーム(株)、ミサワホーム(株)が製造、販売。
トヨタほどの規模でセグメントが3つしかないのでは、あまりセグメント別に分けて分析しても仕方ないかもしれません。笑
数字としては、イメージ通りではありますが自動車セグメントで売り上げの8割、利益の9割ほどを占めています。
②トヨタ自動車の規模ってどのくらい?
それでは次に、トヨタ自動車の定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:25兆3,861億円 ※2020年1月20日終値
●売上:30兆2,256億円 ※2019年3月期
●営業利益:2兆4,675億円(営業利益率 8.2%) ※同上
●当期純利益:1兆8,828億円(最終利益率 6.2%) ※同上
●連結従業員数:全社合計 374,014人 ※2019年3月末
この規模で営業利益率は8.2%というのは驚異的と言わざるを得ません。
時価総額も売上高も規模が大きすぎて、なかなか割安なのか割高なのか判断が難しいですね。笑
続いて、トヨタ自動車の業績・配当の推移を見ていきましょう。
③トヨタ自動車の業績と配当金の推移は?
直近5年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
営業利益・純利益ともに波がありますね。
配当金は微増維持というところでしょうか。
ちなみに、2020年3月期の業績についても好調で、中間決算として売上高は3年連続で、最終利益は平成27年以来4年ぶりに過去最高を更新しております。
以下は月足チャートになります。
横ばいではありますが、過去最高益更新ということもあり、今は高値付近にいますね。
2020年1月20日終値では7,780円ですが、8,000円台まで上がっていければ強いトレンドとなるかもしれません。
ちなみに、2020年1月20日終値ベースで、トヨタ自動車の各種指標は以下のようになっています。
⚫︎PER:10.2倍 ※東証一部 同セクター平均 15.9倍(2019年12月末)
⚫︎PBR:1.09倍 ※東証一部 同セクター平均 0.8倍(同上)
⚫︎配当利回り:2.82%
時価総額25兆円にインパクトに比べて、意外と指標は割安ですね。笑
特にPERはセクター平均よりもかなり低いと言えます。
そもそもの企業規模が大きい上に、前述の通り利益の波が激しいので、多少セクター平均よりも低くなってしまうのはやむを得ないかもしれません。
次は、トヨタ自動車のリスクについて見ていきます。
④トヨタ自動車のリスクは?
それではトヨタ自動車のリスクについて見ていきます。
以前、自動車部品メーカーがなぜ割安なのかというポイントを記事に書きましたが、トヨタも同様のことが言えます。
各自動車メーカーはCASE(コネクテッド、自動運転、シャアリング、電動化)分野で競争が激化しています。
(そのため自動車部品メーカーも研究開発費を増やして次世代技術への対応を急いでいる状況です。)
一方で、米中貿易摩擦によるリスクを懸念した生産設備の移管などにも追われ、先行きは不透明な部分もあります。
自動車業界自体の中長期的な見通しについては、金利の上昇リスクなどの懸念もあります。
足元の業績については実際、三菱自動車も11/6に、2020.3期の業績見通しについて大幅な下方修正を発表しています。
トヨタほどの企業であれば問題ないのではと思われるかもしれませんが、投資家が本当にそう思っていればPER 10倍程度で止まらないでしょう。
このように、自動車業界自体の構造的な問題から、トヨタの株価も伸び悩んでいるのです。
⑤トヨタ自動車は今買うべきか否か?
以上、トヨタ自動車について見てきました。
業績の波が激しい点はやや懸念ですが、PER 10.2倍という水準を考えると、投資対象となり得ると考えます。
配当利回り2.82%というのも決して高くはありませんが、長期的に保有しても悪くない数値だと思います。
CASE分野に積極的に取り組んでいるポイントもポジティブですね。
⑥まとめ
今回の記事ではトヨタ自動車について見てきました。
業績も過去最高を更新し、PERも10倍とそれほど割高ではありませんので、投資対象となり得ると考えます。
もし買うのであれば、長期的には保有する資産株のつもりでいるのがいいと思います。
次回の記事もよろしくお願いします。
本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。
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