金属製品2社(駒井ハルテック、サンコール)の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.24
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さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。
(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内
ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。
これまで、商社株、銀行株、建設株、不動産株、化学株、輸送用機器株、機械株、ガラス土石製品株、その他金融株、鉄鋼株、電気機器株、繊維製品株ついて分析を行いました。
本記事では、金属製品業の2社について書いていきたいと思います。
①金属製品業の概要について
金属製品業セクターは、名称の通り金属メーカーがその名を連ねます。
ただ、セクターに含まれる企業は、LIXILのような住宅設備向けからSUMCOと言った半導体用シリコンウェーハメーカーまで幅広いため、セクターを一括りで分析するには非常に難しいですね。
また、以前分析を行った鉄鋼業セクターとも似ているので、その点でも、細かい分析はセクターごとというよりは個社ごとに行うのが良いかもしれません。
※過去記事『鉄鋼業2社(合同製鐵、新家工業)の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.20』
ちなみに、参考までに金属製品業セクターの時価総額上位3社の指標は以下のようになっています。
※2019年11月27日終値
LIXILグループ:6,050億円 PER 37.34倍、PBR 1.06倍
SUMCO:5,018億円 PER 15.63倍、PBR 1.7倍
リンナイ:4,428億円 PER 21倍、PBR 1.46倍
時価総額1位のLIXILグループでも6,000億円なので、比較的規模の小さい業種と言えます。
マーケットのサイズにかなり限界があるセクターと考えられますね。
一部上場会社平均と比べると3社とも割高となっております。(20.19年10月末一部上場平均PER 17.1倍、PBR 1.2倍)。
ではさっそく、スクリーニングの結果、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。
②割安な金属製品株の具体的な銘柄は?
vol.1の記事でピックアップした金属製品業2社の内訳は以下のようになっております。
※時価総額は2019年11月27日終値
無し
―――――――――――時価総額500億円の壁
(5985)サンコール 166億円 ※トヨタ、ホンダ向け中心にばねなど精密部品販売
―――――――――――時価総額100億円の壁
(5915)駒井ハルテック 84億円 ※鉄骨・橋梁の大手(超高層建築など)。風力発電も
2社とも時価総額200億円以下の中小金属メーカーですね。
ただ、扱っている商材は一方は自動車部品、一方は建築用の鉄骨と、性質が全く異なります。
東レや帝人などの業界最大手クラスの指標は割安と言えるものではないので、規模の小さいメーカーほど割安になりやすいのかもしれません。
③金属製品業2社の業績・配当金推移は?
では次に、2社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。
(5985)サンコール:一株利益ほぼ横ばい、やや増配傾向
(5915)駒井ハルテック:一株利益19.3期は赤だがその他は横ばい、やや増配傾向
2社とも基本的に一株利益は横ばいで、配当はやや増配ですね。
少し想定外のことがあればすぐに減益となってしまいますし、そもそもが規模の小さい企業なのでその影響は大きいです。
この点は注意が必要ですね。
④なぜ、金属製品業2社の投資指標は割安なのか?
次にこの2社が割安な理由を見ていきましょう。
ただ、その前に一旦本日2019年11月27日終値ベースでの、各社の各種指標を見返してみます。
(5985)サンコール: PER 13.9倍 PBR 0.42倍 配当利回り 4.09%
(5915)駒井ハルテック: PER 7.3倍 PBR 0.29倍 配当利回り 4.12%
特にPBRがどちらも驚くほど割安な数値ですね。
また、金属製品業セクターの2019.10月末時点の平均はPER 13.1倍、PBR 0.7倍となっているので、セクター平均と比べてもかなり割安と言えます。
ただ、(5985)サンコールは、直近の値動きでPERが大きく上昇して14%に迫るほどの水準なので、僕の基準では割安株から大きく外れます。
一方で(5915)駒井ハルテックはまだ3指標とも十分割安と言えそうですね。
では、なぜ(5915)駒井ハルテックの指標は割安なのでしょうか。
以下、2つ見ていきます。
<割安な理由 その1>建設業界の景気の影響を受けるため
(5915)駒井ハルテックは金属製品セクターの銘柄ではありますが、実質建設・土木業界の景気の影響を受けています。
以前建設(ゼネコン)株についての分析記事を書きましたが、その時に、ゼネコン株が割安な理由について以下のように分析しました。
■ゼネコン株が割安な3つの理由
(1)オリンピックが開催される2020年以降、需要が頭打ちになる可能性があるため
(2)企業側が業績予想を低めに出してくるため
(3)東京都関連の公共工事で、価格が相場よりも高すぎると批判が出ているため
※過去記事『中小ゼネコン株って実際どう? 割安株の探し方 vol.8』
このように、建設株は複数の理由から割安な株価となっており、実際2019年10月末時点の建設業セクターの平均PERは10.2倍と金属製品の平均よりもかなり低いです。
このように、他セクターのリスク要因の影響を受けて、(5915)駒井ハルテックも割安になってしまうと推測できます。
<割安な理由 その2>前期に大幅な下方修正を行っているため
(5915)駒井ハルテックは2019年5月13日に2019年3月期の業績の下方修正を発表しています。
当初予想が純利益11億円の黒字で、修正後の純利益はなんと7億円の赤字となりました。
内容としては、棟梁事業の収益性の低下による固定資産の減損損失(33億円)で、まぎれもなく事業の失敗による損失です。
通常の感覚であれば、直近でこのような減損損失を計上している企業の株を買うのはかなり怖いと感じるはずです。
(5915)駒井ハルテックはそもそもが時価総額100億円もないほどの中小企業なので、よりリスクが高いと見られているのかもしれません。
⑤結局、金属製品業2社の株は買わない方がいいの?
ここまで、金属製品業2社がなぜ割安なのかを見てきました。
個人的には、(5985)サンコールは、PERが14%に迫るほどまで上昇してしまっていますし、(5915)駒井ハルテックは前述の通り割安である理由が明確なので、2社とも今時点では買い検討は出来ないと考えます。
僕の基準でスクリーニングをかけても100社ほどは抽出できますし、その他の割安銘柄で、検討に値するものがないか探す方がよいでしょう。
⑥まとめ
以上、簡単に金属製品業の2社について見てきました。
結論としては、(5985)サンコールと(5915)駒井ハルテックの2社とも、現時点では買い検討には値しないと考えます。
他の銘柄の分析に時間を使うのが良いでしょう。
次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、1セクターで1社しか抽出されなかった少数の銘柄について見ていきます。
※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』
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