【C-058】キャラクター作りませんか?と提案しても絶対に決まりません(笑)
日本ではあらゆる場所でキャラクターを見かけます。
その中には巷で人気のキャラクターもあれば、地元の飲食店でもそこの店主が描いたであろうキャラクターなんかもいたりします。キャラクターは、人目を引くので、街を歩いている時でも、まずキャラクターがふっと視界に入り、ついその看板(広告)を見てしまうなんて経験も一度や二度ではないはずです。
ビジネス界隈で重宝されるのも納得ではないでしょうか。
一時期“ゆるキャラ”がブームとなりました。全国のあらゆる自治体が、地域活性化、観光促進等々を期待して増えまくりましたが、今でも継続した人気を誇るキャラクターは数える程です。悲しいかな、多くの“ゆるキャラ”はブームの終焉と共に鳴りを潜めてしまいました…。
消えたゆるキャラに共通するのは、ビジネスとしての計画とそれに基づいた運用がされていなかったことが要因です。
隣の芝が青く見えちゃったから…、何となくノリで…、みたいに場当たり的にはじめたところは、もれなくフェードアウトしています。
キャラクターは、人間と一緒で見た目は良いに越したことはありませんが、やはり中身がないとダメなのです。
キャラクターマーケティング
ビジネスでキャラクターを活用するには、モノやサービスを生み出し、それが売れる仕組みを構築するマーケティング同様、色々と考えていくことが必要となります。
私は、企業等にその会社のオリジナルキャラクターを提案する仕事をしています。また、すでにいるキャラクターのテコ入れのお手伝いもしています。今の仕事の前は玩具メーカーに20年以上勤めていました。その時間のほとんどをマーケター、ブランドマネージャーに費やし、いわゆるキャラクタービジネスにも様々に関わりました。モノを生み出し、それを売る仕事とキャラクタービジネスの両方をほど良く経験しています。この2つのスキル、知見の組み合わせを背景にキャラクターマーケティングコンサルタントを名乗っています。
キャラクターは課題解決のツールのひとつ
会社でキャラクターを活用することは、特に新しいことではありませんが、キャラクターを作るきっかけは、会社によって様々です。
これからキャラクターを検討される皆様は、後悔しないために是非下記を参考にしていただければと思います。
1. キャラクターはイラストが1枚あっても何も起こりません。
2. キャラクターはランニングコストがかかります。
3. キャラクターはデザインの前に計画を作ることが大切です。
4. キャラクターは資産です。
解説します。
キャラクターを検討する際に、デザインから入ってしまうことがよくあります。ダメということではありませんが、このパターンはすぐに行き詰ります。会議でかわいいキャラクターのイラストが披露されると参加者はどよめき、その場は盛り上がります。1枚のイラストだけで全てが成功したような雰囲気さえ出てしまいます。キャラクターのデザインは何でも良い訳ではなく、そのデザインに至った理由があるはずです。逆に言えば、デザインの前に何のために作るのか、何をさせるのか、どこで、どのように使うのか等々をしっかりと話し合う必要があるのです。キャラクターのモチーフやそのデザインに至った理由、設定や活用方法も検討過程で出た意見に沿っていなければ、その後活用出来ないはずなのです。ここでの意見には会社の課題が隠れていることもあるので、顕在化することが大切です。そして、その課題を、キャラクターを活用することで解決するのです。こういった工程を踏まずに世に出たキャラクターは、最初こそ担当者の勢いで活躍しますが、すぐにネタ切れとなり。結果的にフェードアウトしていきます。デザインの前に十分な検討が必要なのです。
キャラクターを運用するにはランニングコストがかかり続けます。例えば、イラストも1ポーズだけでは継続的な露出は不可能です。様々なポーズのイラストは必要で、これの制作費用が必要です。着ぐるみ作ります、映像作ります、イベントに出ます、等々、継続的に運用していくと色々と費用が必要な場面が出てきます。また、担当者の日々の手間ひまももちろんランニングコストです。これは給料に含まれるので、意識されない場合が多いですが、継続するには人が関わらなければならないので、大変さも含めて共有された方が良いです。
キャラクターは、露出面×時間で認知が上がりますので、露出する場所は多ければ多い程良いです。認知が上がればファンも増えてきます。やがて時間が経ち、キャラクターとしての人気が上がれば、商品化(他社へのライセンス含め)による収益なども期待出来ます。キャラクターは、会社の資産と捉えて、長い目で育成する考えも必要です。それに伴うランニングコストを、単なる月々の販促費と考えるか、経費処理としては同じでも「これは将来に向けた投資だ」と考えるかで変わってきます。単なる販促費であれば業績によってすぐに削減対象になりますが、投資と決めていれば、すぐにそのようにはならないと思います。キャラクターを検討する時点から、ここまでのことを考えることが出来れば、このキャラクターは会社に様々に貢献することになるでしょう。
会社で活用するためのキャラクターはかなり奥深いことがお分かりいただけたかと思います。
私は営業の際に「キャラクター創りませんか?」と言わないようにしています。何故なら、キャラクターはその会社の課題を解決するためのツールなので、まずは課題があるのか無いのか、その辺からヒアリングをしています。
「BtoBの会社なので上手く情報発信が出来ない…」、「宣伝はしたいけど予算も取れないし…」、「SNS始めたけどネタが続かない…」等々、
ビジネス上の課題がありましたら、お気軽にご相談ください。それキャラクターで解決しましょう!!
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