引き際の美学
人はみな、生き様に惚れるのだろう。
世界最強のサッカーチームの一つ、レアル・マドリードのクロースが引退を表明した。
34歳。
まだまだ現役で活躍できる年齢だ。
サポーター、メディア、そしてチームメイトからも引退を惜しむ声が後を絶たない。
今期はリーグ優勝を成し遂げ、これからCLの決勝もある。
そして6月には母国ドイツで開催されるEURO2024。
地位も名誉も、そして実力もまさしくピークと言えるシーズン。
なのにだ。
6月のEUROを最後にサッカーを引退するという。
クロースのレアル・マドリードの最後のリーグ戦。
解説の方が言っていた言葉が心に残る。
「サッカーに捨てられるんじゃなくて、サッカーを捨てれる選手ってなかなかいないですよ」
ふつう、サッカーが以前よりも下手になったり、体力面での衰えが見え、引退するだろう。
要はサッカーから「お前は終わりだ」と言われる。
でもクロースは違う。
自ら、サッカーに別れを告げたのだ。キャリアの絶頂で。
絶頂の時にあえて、引退する。
ふつう、そんなことできない。
富も名声も、人気もそして実力もピークの時に辞めるなんて、できない。
チヤホヤされている環境を捨てるなんて、なかなかできない。
クロースは言う。
「キャリアのピークで引退すると決めていた。あいつはもうダメだって言われてから引退するのは嫌だった。これからは家族との時間を大切にしたい」
僕はこのクロースの引退のニュースを知るまでは、1人の選手として認識しているに過ぎなかった。
ただ、今はこの生き様に惚れ込んでしまっている。
自分の美学を持っている人は
やっぱり、かっこいい。
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