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バツイチ女がマッチングアプリで2000いいねを獲得するまでの話.24 ケント編1〜運命の出会い?〜

待ち合わせは20時。
夏の暑い日だったので、日中に汗をかくことを想定してケントとのデート用に服をもう1着用意したらえらい大荷物になった。
すごい恥ずかしい感じになったんだけど、仕方があるまい。
ワクワクドキドキソワソワ。
イワシやハゼ、シシャモとか二束三文レベルの魚(男)ばかり釣ってきたわたしにとって(すごい失礼だな)、初めて鯛がかかったようなものだった。

ビオレサラサラパウダーシートで全身くまなく拭きあげて、会う30分前に香水をつけなおす。
昨夜はパックに美顔器で肌もバッチリに仕上げてきてるし、ネイルも清潔感ある仕上がりに。
メイクもバッチリ直して向かう所敵なしだ。

ところが、待ち合わせ場所で待てど暮らせどケントは来ない。
「あれ…どこにいます?」
連絡を取り合うも、本当に会えない。
どうやらお互いが場所を間違えていたらしい。
「あれ、今回終わったかな…」
そう思っていた矢先、
「あの、もしかしてマコトさん?」
暗闇の中、後ろから声をかけられた。
何度も何度も見返した、プロフィール写真通りのケントがそこにいた。

「あっ!ケントさんですよね?やだ…ほんとごめんなさい!わたし方向音痴で…」
※このときは勝負かけてたので人格めっちゃ違いました。
「いやー僕もなんかうまく言えなくて!でも会えてよかった!」

ひゃ、ひゃくてえーん。
100点だわ!
渋谷区在住、180cm、ガッチリ体型、爽やかなビジュアル、年収1000万。
非の打ち所がございません。
強いて言うなら話し方の癖が強いくらい。
アメリカのコメディ番組の日本語吹き替えみたいな話し方だ。
「ぃやージョージ!んあー、調子はどうだぁい?」的な。
あと思ったより声高い。
しかしそれを差し引いても100点には変わりない。
完全に目をハートにさせながら店へと向かう。
ケントも満更ではない様子だ。

とっても素敵な店内で、思わずうっとりとしてしまう。
ケントはお話し上手だし、お料理もすっごくおいしい。
(もしかしたら本当に彼とお付き合いできるのかしら…)
今までのマッチングは「早く帰りたい」しか考えたことなかったのに、「少しでも長く一緒に」と思う自分がいた。

「あ、もうこんな時間。そろそろ行こっか」
同い年だったし、ケントとは完全に打ち解けてフランクに喋るようになっていた。
「じゃあ6000円ずつね」
(え、高っ、てか奢ってはくれないのね…まあいいけどきっちりワリカン…わたしお酒飲んでないんだけどな)
と言う心の声を飲み込みつつ、店を後にした。

「また、会えるかな…」
少々の余韻を残しつつ、ケントがそうつぶやいた。
「うん、またごはん行こうね!」

この夜、ケントとエッチする妄想をしながら眠りについたのは言うまでもありません。
つづく

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