#11 レビューはしないと言ってたOM-5のレビュー
■ 前置き
前回、OM SYSTEM OM-5を購入した理由(屁理屈)を並べ立てましたが、その際『発売から1年半ほど経過しており、他の方が詳しいレビューをアップしておられますので、このカメラにご興味のある方はそちらをご覧ください。』などと嘯いておきながら、舌の根も乾かないうちに気になったことを簡単に綴ります。
■ ボディデザインについて
OM-5が発表されたとき、先代機種のOM-D E-M5 MarkⅢに酷似している外観にガッカリされた方が少なからずいらっしゃったようです。かくいう私もそのひとりでした。変更点は、おでこのブランドロゴ、肩の商品名、バリアングル式モニターを閉じたときのブランドロゴの有無(E-M5にはOLYMPUSの刻印があったような…)、シルバーボディでは、軍幹部左側のメインスイッチ部分の色ぐらいでしょうか。ひねくれた見方をすれば、デザインを変更することで新たな金型を作るより、既存のボディに違う部品を詰め込む方がコストダウンが図れたからかもしれません。
私の場合、OM-D E-M5 MarkⅢのデザインは嫌いではなく、むしろ好きでした。そこで思ったのが、完成されたデザインであれば、それを踏襲するのもありなのでないかと。
偉大なライカは、頑なに基本デザインを変更しません(特にM型)。変更しようものなら『信者』からの反発は必至で、謀反が起こりかねないことはフィルムカメラ時代の「M5の乱」で歴史が証明しています(注:筆者による調査なので信憑性なし)。完成されたデザインであるならば、それを継承することは大いにあり得ると、自分の中で納得しました。
それよりも気にしていたのが外装のプラスチック素材です。OM-1で採用しているマグネシウム合金は、高級感とひんやりした感触で所有欲を満たしますが、プラスチック製では安っぽいのではないかと思っていました。しかし、テカテカしない塗装により、見た目だけなら金属製と言われても分かりませんので安心しました(指先に金属特有の冷たさは伝わりませんが…)。
■操作性について
オリンパス時代から「MENU」のUIが独特で慣れが必要とか言われていたようですが、OM-1になって刷新されました。その後発売になったOM-5は、それ以前のものを踏襲したため、OM-1と同じUIに変更すべきだったという意見をネットで目にしました。同じメーカーなのにUIが異なると、OM-1とOM-5を同時に使用したときに混乱し、サブカメラとして用を成さないという理由だそうです。
実際触ってみての感想ですが、結論から言って私はほとんど気になりませんでした。そりゃ多少の違いはありますが、そもそも基本的な思想は同じなので、正直スクロールの方向が縦か横かの違いぐらいにしか思いませんでした。ソニー機とOM -1を併用していたころは何だか違う気もしなくもなかったですけど、個人的には目くじら立てるほどのことはなく、操作に戸惑いもありませんでした。
ひとつだけ気になったのは、OM-1に搭載されている右手親指でグリグリしてメニューやフォーカスポイントなどを設定する「マルチセレクター(ジョイスティック)」がなく十字ボタンだけなので、少しだけ不便です。もう少し十字ボタンが上の方に配置されるか、スペース的に無理なら、いっそのこと十字ボタンを廃止してマルチセレクターだけにした方がよいのかも? ボタンの廃止でその数が減れば、ボタン機能の置き換えカスタムの選択肢が少なくなるので、困る方もいるかもしれませんが…
ただし、シャッターボタンと同軸にある大型ダイヤルと、その後ろにもうひとつある同じサイズのダイヤルによる操作性は、極めて使い勝手がいいことを付け加えておきます(最近のカメラはどれもそうですけどね)。
■機能について
OM-1以前のフラッグシップ機だったOM-D E-M1 MarkⅢの機能をほぼそのまま詰め込み、さらに防塵・防滴性能をアップさせたことで、信頼性は高そうです。OM-1に比べAFの測距点の数が少ないとかありますが、スナップ写真などの撮影なら不満はありません。ただ、画質に関しては旧式の撮像センサーと画像処理エンジンなので、OM-1より階調表現や高感度ノイズ特性はやや劣るように感じました。ちなみにOM-1ではISO感度の自動設定の上限を3200にしていますが、OM-5では念のため1600にしています。とはいえかつてのフラッグシップ機と同程度の性能なので、信頼に足り得る実績はあります。
過去のレビューで酷評されていた入出力端子のUSB Micro-B規格の採用については、確かにType-Cが主流になりつつある今、これってどうなのよ、と思いますが、私は古い人間なので、オプションの充電器を購入し、家庭用コンセントで事前に充電した予備バッテリーを懐に忍ばせ撮影するスタイルなので、USB端子はせいぜいファームウェアのアップデートのときぐらいでしか使いません。よってOM-5購入の障壁の理由にはなりませんでした。
■まとめ
OM-1のサブ機として導入したOM-5でしたが、コンパクトで軽量なため出撃の頻度は高くなりそうです。やや大柄な12-100mm F4.0の高倍率ズームや望遠レンズを使用する際はOM-1を、17mm F1.8や20mm F1.4、12-40mm F2.8といった小型レンズではOM-5というように使い分けようと思います。
新たに発表された超高性能中堅フルサイズミラーレス機「Nikon Z6Ⅲ」に負けない写真が撮れるよう、これからも精進したいと思います。
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