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そうだ、父島行こう(GW父島上陸日記)

はじめて島に行ったら、島大好きになってしまったので、日記を書いたはいいのだけれど、すっっっっっごく長くなってしまった。
最後には、かかったお金や持って行った方がいいものリストも付けておいたので、これから島に行く人の助けになったら幸いだ。

2023年4月28日(金)出発

こんなにも太陽をぼおっと見つめ、地球の自転を感じたことがあっただろうか。
先ほどは頭上、ちょうど真上にあった月も太陽に引っ張られるように西に移動している。日の入りは18:21。いつもならラストスパートとシャカリキに仕事をしている金曜日の夕方、私は電波のつながらない船のデッキで、夕日を眺めていた。
吹き付ける風は建物や木々にさえぎられることがなく、指が通らないくらい髪を絡ませるけれど、そんなことが気にもならないくらい、目の前のオレンジ色に目が吸い寄せられる。

photo by Hayato

船の後ろを見遣れば海上に船の軌跡。まっすぐに進んでもその跡は波に揉まれ、蛇行しているように見える。人類の歴史も、その都度、価値観の波に揉まれて、形を変えていくものなのかも、なんて。

ー--
時は遡り、2023年4月の頭。
ひょんなことから、
本当にこれ以上この言葉が似合うシチュエーションはないくらいひょんなことから、GWの父島行きが決まった。

叔母と従兄弟と4年ぶりの再会を果たしたら、父島に行くと言う。「いいなー」と言えば、「来ちゃえば?」と言う。
言葉は言葉通りに都合よく受け取るでおなじみな私は、同行者がいれば安心だな、これはチャンスなのでは?え、ちょっと待って、その島行きたい!とその場で船のチケットを取り、親子二人水入らずの旅への闖入者となった。

それからの一か月は仕事の合間に島の天気をチェックチェックである。

行くには船で24時間かかる島。船は約6日に一本しかない。
島の人口は2,000人。
バカンスには最高じゃないか。

ー--
再び2023年4月28日(金)

午前11時。
竹橋の港から「おがさわら丸」に乗り込む。
今回取った席(ベッド)は特2等。小笠原に10カ月赴任していて、今回の旅の発端になった従姉妹の澪ねえちゃんが「最初は2等か特2等くらいにしといたら?」と言ったためだ。(ややこしいが、旅の同行者は澪ねえちゃんではない従兄弟である。)

特2等は1つのスペースにベッドが2つ、2等は4つ。ほかにもいろいろ席があるがここでは割愛。ベッドのカーテンを閉めればそこはコンパクトなプライベート空間の出来上がり。
なかなかに快適だ。

船を探索したり、デッキで海を眺めたり、おが丸のレストランで夕飯の島塩ラーメン(900円)を食べたり、本を読んだり、また海を眺めたりしながら、日の入りを迎える。もちろんデッキでスタンバイだ。
そして冒頭に戻る。

驚きなのが、船上の夕日も十分心を浄化してくれたのに、島の夕日はもっとすごかったこと。

それでも、とろけそうな太陽が水平線に吸い込まれていくのを、「きれいだね」と言葉少なめに共感しあいながら見つめるこの贅沢。

社用のPCは家に置いて来た。携帯も電波は入らない。置いて来た仕事のことを心配してもしょうがないのだ。

夕方になるにつれて雲がかかってきたので船上での天体観測とはいかなかったが、夜ご飯にはサバの味噌煮定食(1,200円)を食べる。従兄弟と叔母は唐揚げ定食とハンバーグ定食。おが丸のレストランのメニューは、思ったよりも豊富で美味しい。こちらも思ったより快適なシャワー(男女別・風弱いがドライヤー有)を浴び、就寝。
船の揺れに体がまだ対応していないのか、覚醒を繰り返しながら、なんとか眠る。
ここで困ったのが、iPhoneのアラームの音の消し方わからない問題。船上は電波が入らないため、「ぐぐろー。あ、電波入んないんだった」と頭に眼鏡をひっかけて探す人みたいなくだりをすることに。当然プライベート空間とは言えども、ドアがあって防音がしっかりというわけではないため、アラームが鳴ると周囲にも響き渡り、申し訳ない気持ちになる。次回はその設定をしてから船に乗ることを誓った。

4月29日(土)上陸

朝4:30
日の出を拝みたいと無理やり体を起こし、「朝はちょっと揺れてるね」と言い合いながらデッキへ。

「曇ってるね…」と心配しながらデッキに出れば案の定。曇りだわ、風強いわ、太陽は雲の向こうだわで早々に退散。二度寝。
電波はまだまだ入らない。

11:00
澪ねえちゃんから授かりし、最強の酔い止め、「アネロン」と穏やかな海のおかげで、車酔い常連者の私でも酔うことなく、元気に父島に上陸!

船に上陸する30分ほど前から電波が入り始め、仕事用の携帯も思い出したかのようにブーブー鳴り始める。けれど、「休み中は仕事のことは気にせず休んで」と言った上司の言葉を言葉そのまま受け止めている私には関係ない。これから島での3泊4日が始まる。

降りればさすが亜熱帯。普段目にすることのない、ヤシみたいな木やガジュマル、根っこがあまりにもたくさんありすぎるタコの木に、ハイビスカスに広くて大きな空。
スーツケースを迎えに来てくれた宿の方に預け、父島の街で買い物。島に2軒のスーパーのうちの一つ、生協さんでおにぎりを、隣のお土産店で小笠原発祥の漁業従事者用のサンダル、通称「ギョサン」を仕入れ、その足ですぐそこの大村海岸へ。「こんな青い海、街中でなかなか見れないよー」と言いながらさっそくギョサンを履いて浜辺でおにぎりを食す。こんなにきれいなビーチなのに人はまばらでそこも嬉しい。

Photo by Hayato
Photo by Mariko 

そして、従兄弟ともども、船はへっちゃらだったのに陸に上がるとグラグラすることが判明。特に下を向くと一気に揺れている感覚に。これが陸酔いってやつ⁉︎と密かにテンションが上がる笑

12:30
従姉妹の澪ねえちゃんに小笠原での遊び方を全部教えたという、ふうりんさんぽの「くるみさん」と合流し、ツアー(日中さんぽ)スタート。

実は父島は世界自然遺産であり、島の生態系を守るため、専門知識を持ったガイドさんと一緒じゃないと立ち入れない区域がおよそ島の半分もある。自力で楽しめる(それでも十分すぎるほどだが)地域は島の半分だということだ。「ツアーって必要なの?お金もかかるし…」と思われるかもしれないが、小笠原を楽しみたい方には、全力で何かしらのツアーへの申し込みをお勧めする。小笠原を知ったら滞在がもっともっと楽しくなるから。

まずは島の名物、インスタにも絶対出てくる絶景スポット、ウェザーステーション展望台へ。
昼間だから一面に青い海と青い空、雲、南島、兄島などの島々が望める。運が良ければザトウクジラのブロウも。

素人目にはわからないけど、くるみさんが「そこ、クジラいるよ、親子だね」と指をさすと途端にクジラが目に入るから島の人のクジラアイはさすがだ。

そして、戦跡を見学。

戦時中は日本軍の基地として使われていて、実際にアメリカ軍が上陸し、交戦した父島には、いたるところに兵隊さんがいた豪や砲台、弾薬庫の後が残る。

そこにはビール瓶や兵隊さんが使っていたという陶器の食器類、屋根こそ剥がれ落ちているがコンクリートで作られた三角屋根の家など、私と同じ、人間がここにいたという跡が生々しく実在する。博物館に展示されている戦火の文化財を見るよりも、もっともっと、自分と戦争の地続きさを感じることとなった。

くるみさんによる島の動植物や生活に関する解説を聞きながらいくつかの絶景ポイントで写真撮影をし、ツアーの車はいよいよ自然遺産区域へ。

靴についている砂や内地の植物(島にとっては外来種)の種を落とし、靴裏に酢を、洋服にはコロコロをかけ、いよいよ小笠原の固有種が保護されている区画に入っていく。
小笠原にしかない植物がどこ由来で入ってきて、どうやって小笠原の固有種になったのか、アカガシラカラスバトは何に脅かされ、守られるに至ったのか…

知ったら人に話したくなる小笠原は、ガイドさんあってのことだ。ちなみにくるみさんのふうりんさんぽは少人数制。こじんまりと回りたい人にはおススメだ。

Photo by Hayato

日中ツアーのラストはここもガイドさんと一緒じゃないと登れない、傘山。

傾斜の急な岩を頑張って這い登る途中「まだ振り返っちゃだめよ」とのくるみさんの声に期待を上げ切って「はい、せーの」の声で顔を上げると、なんとも開けた海と、太陽。

「うわあ…」

期待を超える絶景。背後にもまた海で、ここが島なんだと実感させられる。

Photo by kurumi-san

しかもすごいのが、太陽の出ている位置によって、目の前の海と背後の海の色が違うこと。目の前は銀色の海。後ろは真っ青な海。
午前と午後で太陽の位置が変わるので、午前中に来れば、目の前の海が順光となり、青く光るそうだ。なんだなんだ父島、同じ場所で季節、時間によって見せる景色を変えてくるなんて、これは何回も来たくなってしまうじゃないか。

Photo by Mariko 

そうこうしているうちに太陽が少しずつ西に傾いていく。
そのまま、くるみさんのサンセットナイトツアーに突入!

我々3人にあと2人のお仲間を加え、再びウェザーステーション展望台へ。
一面の海に沈んでいく、大きな大きな太陽と、潮を吹くクジラを遠くに眺め、ぽけーっとしたら、車に乗って小笠原の固有種、オガサワラオオコウモリを探しに行く。

車に乗っている間にも、
「ああ、あれ、飛んでるやつ、コウモリ」
とくるみさんに言われ上を見れば、そこそこでっかい黒い影が空を羽ばたいている。
え…私それ、カラスだと思ってたんですけど…
それくらい自然にそこらをコウモリが飛んでいくのだ。そして、オガサワラのコウモリは毛が生えていて、ふさふさしていて、ちょっとおサルっぽくって、可愛い。木に止まったら器用に手足を使って餌である花や果物のところへ登ったり、降りたり。蜜や果汁だけをお腹に収め、また次の木へとお腹を満たしに行く。

名残惜しくもコウモリくんに別れを告げた後は、コペペ海岸にヤドカリを探しにGO!

オガサワラのヤドカリは、オガサワラの固有種であるカタツムリが死んでしまった後に、その殻(これが巻貝みたいでとっても可愛い)を借りてかぶっているものが多いが、宿が借りれればなんでもOKで、小さい子だと海岸に打ち上げられた貝殻をかぶっているものもいる。殻から手足、顔を出す瞬間が可愛くって面白くって、しばし動画と写真撮影に集中。「ペットショップに行けば売ってるよ」
というくるみさんの言葉に、少しだけ「ヤドカリがいる生活」を思い浮かべる。いいかも…

いや、いかんいかん。
「もっといるよー」とくるみさんが浜辺に置いてあるカヌーをひっくり返せば、石の下に潜むダンゴムシみたいにヤドカリがわさわさ。実にいろんな殻をかぶっていて、どれももっとじっくり見たい。
でも、集団でいると少しキモく感じるのはなんでなんだろう笑。人も少しは群れなくてもいいのにね。

さて、ナイトツアーはまだ続く。

お次は光るキノコ、グリーンペペを探しに森の中へ。
当たり前だが自然の植物なので、いつでも生えているわけではないし、虫に食べつくされていることもある。見つかるかな…とワクドキしながら森で懐中電灯を消せば…、あった!

蛍光グリーンに発光するキノコ!

まさにジブリの世界。なんとも不思議な光るキノコを目に焼き付けて、写真の技術までハイクオリティなくるみさんに上手に写真に撮ってもらって、ルンルンで車に。

Photo by Kurumi-san

帰り道ではコウモリの食事の食べかすを見せてもらったり、明日回ると良いスポットを教えてもらったり、最後の最後まで楽しみつくして宿へ。

今日から3泊お世話になるのはシャンティバンガロー。
港からは遠いけれど、灯りがないからこそ星が良く見えて、近くに島名物のコーヒー屋さんがある。しかも海岸までは徒歩10分。

泊まる部屋は部屋が完全男女別のドミトリー。二段ベッドが4つで最大8人が同じ空間で寝泊まりする。トイレは男女ともに2つずつ、シャワーは男女共用で4つ。シャワーが24時間いつでも浴びれるのが嬉しい。おが丸の二等以上のベッドのように、ベッドの周りにカーテンがあるわけではないので、ある程度の着替えや生活は筒抜けだ。島で高級ホテルに泊まらないなら、ある程度、初めましての人との共同生活は織り込もう。洗濯機は1回300円で、物干し場もある。キッチンはキッチン用のバンガローがあり、そこにキッチンが4つ。包丁、まな板他調理器具や食器類はここで十分そろう。

調味料は先人たちが置いていったものを自由に使える仕組みだ。(私が泊まったタイミングでは、砂糖と味噌以外は大体そろっていた。)お米は同じ敷地内にあるオーナーさんのご自宅をピンポンし、1合100円で購入できる仕組み。

ツアーを楽しみつくして情報量は多いし、半日で12,000歩ほど歩いてくたくただけれど、なんとかキッチンでカレーとサラダを作って食し、シャワーを浴びて就寝。

シャンティバンガローにもドライヤーは完備されていたけれど、なんと超コンパクト、手のひらサイズで風量は言わずもがな。半乾きで妥協し、明日は爆発してくれるなと念入りに髪がまっすぐツルツルになるクリームを塗りこみ、隣のお部屋がかなり盛り上がっていたのでairpotsのノイズキャンセル機能を駆使し、これに投資した過去の私グッジョブすぎると自分をほめて、気付けば爆睡。

4月30日(日)海!

目覚ましを使わずに、7時ごろ目を覚ます。
コケコッコーとニワトリや、ホーホケキョと鶯、チーチー言うメジロとケッケと鳴くヤモリ。自然の音で目がすっかり覚めてしまって、いつもなら必須の二度寝をする気にもならず体を起こす。

と、なぜかしら、体が軽い。よくあることだが、実は船に乗り込む一週間ほど前、自律神経の乱れからか、胃腸をやられて小食を強いられていたし、船でも少しだけ調子は悪かったのに、ここにきて全快である。恐るべし島の力。あと、やっぱり人間光を浴びて夜はよく寝たほうがいい笑

今日は一日レンタカーを借りているので、島のスーパーで買い出しをし、一度宿に帰ってきて洗濯を干した後、堺浦海岸に行くのだ。

レンタカーを借りるにはバスで街に下りないといけないため、一番近くのバス停へ。レンタカーを借りたら食材の買い出しへGO!

島のスーパーは船の入港日の午後から食材が充実し、その後、光の速さで青果が消えた後、順々に食材が消えていく。肉やレトルト食材は保存がきくため無くなりにくいがそれもだんだんと少なくなる。
だからこそ、入港日の午後はどちらのスーパーも人でいっぱいだ。
生協に入って一巡り、メニューが思いつかなかったため、向かいのスーパー小祝へ。こちらは肉や魚が充実している。マグロの漬け丼、焼きそば、鶏とナスの炒め物、親子丼と無事夕食のメニューも決まり、買い物をして、ビジターセンターやウェザーステーション展望台に寄り道してねぐらへ。

昨日は7人いた同部屋のお姉さんたちのうち3人は今日の船で帰るため、少しだけ広くなったような室内。宿にある物干しで洗濯物を干した後、車で堺浦海岸へと出発。

島の移動手段はバス(一律200円)、レンタルの電動自転車、バイク、車、あとは徒歩。車なしでも十分楽しめるが、あれば行動範囲も増えて便利。免許を持っていないため運転できない私は同行者たちが運転し慣れたドライバーであることに感謝をささげた。

堺浦海岸は車・バスから降りて傾斜のきつい坂を下ったところにある。木陰には屋根付きの東屋もあり、海を眺めたい人にもおすすめだ。
水着を着てきた叔母と私は早速海にin!
今日は海に入らないと決めてきたワーカホリックな従兄弟は木陰でPCを開いて作業をしだす。これぞマイペース一族だ。

Photo by Hayato 

堺浦海岸には戦時中に貨物を運んでいた船が砲撃されて沈んでおり、魚の住処になっている。元水泳部・ダイビング部の叔母はシュノーケルを付けて海の中に消えていった。海でイキイキする叔母、すげえ…と海で泳いだことがないビビりの私は浜辺をプラプラ。すると、あった!昨日くるみさんからここにはブランコがあると聞いていたのだ。想像の倍以上映えているため、とにかく写真撮影。従兄弟によるベストショットも出たので、満足してあとは海を眺めたり、それぞれ作業をしたり、サンドグラスを拾ったり。そろそろ行くかと腰を上げてもまだ14時。最高が過ぎるぜおい、とまだ帰ってもいないのに、あの人もこの島絶対好きだわ、と布教相手を探し出す。

Photo by Hayato

行きはヨイヨイだった急坂道をえっちらおっちら登って車に戻り、夕日まではまだ時間があるので長崎展望台と海洋センターへ。島の施設はなんでも無料で、そこもまたすごいところだ。

海洋センターにはウミガメがたくさん。大きい子から小さい子まで。一匹一匹を注意してみると、色や顔、手足の大きさやかじられた跡など、個性たっぷりだ。大きい子におやつのキャベツをあげてバイバイ。
父島では亀を刺身や煮込みにして食べる風習があり、多くの店で名物として出されているが、あのつぶらな瞳が浮かんでしまって今回は食べることはなかった。でも、馬肉みたいで美味しいらしい。

さて、レンタカーを返却してバスに乗り、終点の小港海岸へ。
夕日はどんな角度で見れるんだろうか…とワクドキして向かえば開けた海岸の正面に傾いた太陽がドーン。あれ、太陽ってこんなに大きかったっけ、と島に来てから何回目かの問いかけをここでも繰り返す。

Photo by Hayato

日が沈んでいくにつれて、海にかかった太陽への道は薄くなり、陽が水平線のふちにかかったところで、にじむように海へと広がり一本道はなくなる。最後のひとかけが水平線に消えた後、余韻とオレンジやピンクに染まった空を眺め、立ち上がる。ここから宿へは歩いて10分ほど。

それにしても、蚊に刺されすぎた!

亜熱帯の小笠原には一年中蚊がいるそうで、虫よけを持ってこなかった我々は格好の餌食。これから小笠原へ行く方は、季節を問わず虫よけをお忘れなく。

歩けば動物にあたると言っても過言ではない小笠原には、川沿いの道を歩けば大量のカニやカエル、庭にはヤモリ、道にはヤギやニワトリ、アカガシラカラスバト。
とくに夕方から夜にかけてはカエルの時間で、誤って踏まないようにするうちに、「カエルがいる生活」に慣れてくるほど。大きいものは手のひらにやっと乗りきるほどで、慣れたとは言うものの、やっぱりちょっと怖いし、暗闇で足元から3匹ほどビヨンと飛ばれるとビクゥってなる。人の数よりカエルの方が多そうな島である。

今日歩いた歩数を見てみると、なんと2万歩。やっぱり小笠原は健康にもよさそうだ。

今日の晩御飯はマグロの漬け丼と炒り卵と農協で買ったレモンみそを付けたきゅうり。
デザートにはパッションフルーツ。初のパッションフルーツ、どんなもんじゃいとスプーンですくって食べてみれば、すっぱくて種の触感はプチプチで、甘みもあって美味しい。これはオガサワラオオコウモリにも好評なわけだ。

隣の部屋の宴会おじさんたちは今日は母島で一泊するらしく、静かな夜。いつ寝入ったかもわからないほど、その日も爆睡。

5月1日(月)イルカとクジラ!

今日は体験ダイビングの日!起きてすぐに天気を確認すると、太陽も出ていて絶好の海日和だ。
水着を着て宿で待っていれば、今日一日お世話になるBONIN WAVEさんの迎えの車が来てくれる。街でさっとお弁当を買い、同船者の人々を拾ってボートへ。

海で泳いだことはない、シュノーケルをしたことない、ダイビングなんてもっとしたことない私は朝からドキドキしっぱなしだけれど、横には大学時代200本潜ったゴリゴリダイビング部の叔母がいるからそれだけで心強い。

イルカと一緒に泳げるように、そして南島に泳いで渡れるように、まずは波が少ないポイントで泳ぎの練習。
今日のツアーは、今頃は電波のつながらない船上にいる澪ねえちゃんに言われるがまま予約を取ったので、ここでイルカと一緒に泳ぐことが判明!笑

シュノーケルとフィンを付けてぽちゃんと海に飛び込めば、浮くし(ウェットスーツのおかげ)、進むし(フィンのおかげ)、息ができる(シュノーケルのおかげ)!え、私これ結構好きかもと新たな発見をして、イルカのポイントに行くと、運よくすぐに群れに遭遇。群れで泳ぐイルカの優美なこと!見ているだけでこちらまでご機嫌になるから不思議だ。怒りっぽい人には小笠原のイルカの動画を見てもらえば、世界平和が訪れると思う。

そろそろ一緒に泳ぎましょうと船長がポイントを探し始めると船上が一気にあわただしく、やや体育会系チックになる。そしてこの感じも結構好きだ。

「船長の合図があったら海に入ってください!」「はい!」
「入ったら船に巻き込まれないように全力で離れてください!」
「はい!」
「船に上がる合図は私が出すので時々顔をあげてみてください!」
「はい!」
ガイドのあやみさんの声はよく通る。

そしてその時。
ぽちゃんと海に飛び込み、真下にイルカを眺めながら同じ方向に向かって泳ぐ。
ちょうど子育ての時期なのか、母イルカの下には小さな子イルカが。え?これ現実?と思っている間にもイルカは通り過ぎて船に引き上げられてまた準備をしてイルカを真下に見ながら泳ぐ。

by Ayami-san

一回目は出遅れたので前の人がバタ足をした泡もたくさん見えていたのが、今回は視界が良好。なるほど。これはポジション取りも大切らしい。かといって同じ船に乗り合わせた人たちとバチバチする必要もなく、飛び込んだらすぐに船から離れてイルカを待って、その推進力に乗るのが得策と言えそうだ。

計4回ほどイルカの上を泳いだら、次は南島へ。もうちょっと技術があれば、潜ってイルカのそばに行けそうなんだけれど、それはまた次の機会だ。

南島へは船で近くまで行き、泳いで上陸する予定だったけれど、今回は波が強すぎて船長判断で断念。その代わり、イルカとクジラを探す時間が確保される。兄島の周辺でクジラが見られたという情報が無線で入ったため、船は二見湾を横断して兄島の方へ。父島の船はみんなでクジラとイルカを探す。

すると運よく親子のザトウクジラが。ザトウクジラが島周辺にいる終盤の時期だったため、見れただけでもラッキー。これから島にはマッコウクジラがやってくる季節らしい。遠くにいてもでっかいクジラの潮吹きと背びれ、尻尾を揺れる船の上、視線だけはずらさず眺める。そしてクジラが潜った後、また出てくるのを待つ。ゆっくり泰然と時間が流れる。何もかもがスピード重視、急いて急いて仕方がない人は一度小笠原の船に乗せたら心に平穏が訪れると思う。クジラとお別れしたら次はダイビングスポットに。二見港の海は全体的に青いけれど、ここはエメラルドグリーンだ。何とか持って帰れないものか…なんて考えてしまう。

ダイビング体験で付けるマスクは、フルフェイスマスクという、いわゆるイッテQのオーシャンズ金子さんがつけているものらしい。フルフェイスと言うだけあって、顔を全部覆ってくれて、ほぼ100%に近いくらい外れることがなく、鼻でも息ができる優れもの。初心者には心強い。船上でマスクを着けて息をすれば、「シュコー」という音がなって、ダースベーダーになった気分だ。楽しい。
タンクを背負ったらいざ海へ。

きれいな海は水中眼鏡を付けて潜ればもっときれいだ。見てるだけでいいかも、なんて思ってたけど、それだけじゃもったいない。
しかしここで、私は耳抜きが苦手だということが判明した。海の中の少しの高低差ですぐ耳がきーんてなる笑。もともと耳の管が開き気味で耳鼻科に通っていた時期があるからそのせいかもしれない。

自由が利かない海の中、タンク重いなー、もっと自由に動き回れたら超楽しいんだろうなー、て思いながらサンゴや魚を眺める。ちなみにさすがダイビング経験のある叔母が一番生き生きとしていた。私もあれくらい自分の浮力を楽しみたい。
まあ、初ダイビングなのでうまくはならずに船へ上がるための梯子を上ると、海から完全に出たところで、タンクがちょーう重たくなる。重力やば、て思ってると船で待っていたベテランダイバーさんたちが「がんばれー」て言ってくれるので、マスクとタンクを外してもらい、何とかよたよたと自分の席へ。

ふう、とお茶を飲んでいれば帰ってきた叔母が、私の顔を見て「鼻血出てる!」と言ってティッシュを恵んでくれる。
多分10年以上ぶりの鼻血である。珍しすぎてもはやちょっと面白い。多分気圧とかの関係で、鼻の中の毛細血管が切れたんだろう。昼休憩時にかつ丼をぺろりと平らげた従兄弟も「頭が痛い…」とダウン。

ダイビングって大変だ。でも魚と一緒に泳ぐためにおっもいタンク背負って、息もちょっと不自由だし、自分が思ってる方向には進まないけど潜る気持ちはわかった。次はもうちょっと上手くできそうな気がする。

最後は島で有名なシュノーケリングスポット、キャベツビーチへ。なんでその名称なのかは、聞くのを忘れた。それくらい、目の前の海とたくさんの魚に釘付けだったから。青や黄色、緑、白黒の食欲はそそられないが、シュノーケリングの口部分をつけ忘れて顔を海に付けてしまうくらい綺麗な魚たちの中を泳ぐ。でも手を隠さず近づくと危険だ。餌と勘違いして指にかじりつかれるから。「キャベツビーチでは手はグー」新しい学びだ。

船に上がれば、さすがにちと眠いが、頭痛でダウンしていた従兄弟も復活していた。体調とよく相談しながら自分で潜る回数を調整するため、船でお留守番組もいるのは、安全策であるのと同時に、島らしさかもしれない。

イルカや色とりどりの魚たちと泳いだことがまだ夢みたいに感じられながら港に戻って宿に送り届けてもらう。体は疲れているんだろうが、頭の中はハイテンションだし、まだ時間は15:00!
帰ってきたとホッとするくらいに慣れたシャンティバンガローで洗濯を回している間に「小笠原コーヒー」が飲める、USKコーヒーへ。ここはもう夏くらいに暑い5月の父島、アイスコーヒーに揺るぎかけるが、そこはやっぱり小笠原で育てられたコーヒーを飲んでみたいと、hotオンリーの小笠原コーヒーと手作りのクッキーをいただく。

すっきりした飲み心地で、酸味はほぼなくコクは深い。うん。美味しい!父島に来たら一度味わっていただきたい、小笠原コーヒー。豆があったら買いたいときいてみれば、豆のみの販売は数年後になる見通しらしい。残念だけど楽しみだ。

徒歩5分の宿に戻って洗濯を干したら、徒歩10分の我らが小港海岸へ。今日も大きな夕日が見られそうな天気だ。

陽が沈むまで、浜辺の東屋でそれぞれカバンからPCや資料を取り出してそれぞれ作業をしだす。叔母と従兄弟は仕事を。私はブログを。ちなみにこの時点でまだ上陸一日目のところをちまちま書いていた。島にはトピックが多すぎるのだ。

今日の夕日も最高だったとオレンジとピンクに染まる空を背負って宿に帰ると、今日のツアーの船長、BONIN WAVEの柴山さんからメールが届く。なんと、海中で撮った写真や動画を当日中に送ってくださるのだ。しかも、イルカオンリーの動画も。これ、欲しかったんよ…。陸に上がってからも海を楽しめるなんて!

ただし、島の電波は4G。さらに山の方だと電波がつながりにくくなるので、ダウンロードにはちょいと時間がかかる。そこもまた、のんびりできてよいところだけど。

ご飯を作っていれば、同室のお姉さんに声をかけられる。
「小港海岸まで星を見に行きませんか?今日見ないと後悔するくらい綺麗なんですって」
聞けばもう一組、中国から来ている二人組たっての希望だそうで、それはぜひ、と星見が決定。

カエルを避けて歩きつつ浜辺につけば、大きな空に大きな月と星。
月がきれいに出ているため、天の川とはいかないが星は確実に多い。あとデカい。そして水平線の向こうの低い位置には金星が。
星座を勉強してくればよかったね、なんて言いながら星を眺めていると、夜目になってきたのか、見える星の数がだんだん増えてくる。金星はいつの間にか水平線の向こうに消えていて、電気をつけずに帰れそう、としばらくは灯りを消して宿へと歩く。

宿に着けばなんとおしゃれな従兄弟がドライヤーを持って来ていることが発覚し、ありがたく借り受けられることに。誕生日プレゼントに家族から貰ったものとのことで、なるほど風量はもちろん、イオンとか出るタイプのいいやつである。ドライヤーのおかげでチリチリになっていた髪が息を吹き返したので、ルンルンと足の甲と腕の日焼け部分にワセリンを塗りこんで就寝。島では、陸にいるなら日焼け止めをしっかり塗っておけば黒焦げになることはない。ただし、海に入ると日焼け止めが取れた部分から結構いかれるため、UVカットの長袖ラッシュガードは必須アイテムだ。フード付き、もしくはハイネックだとなお良い。足の甲は海辺でギョサンで遊べば日焼け不可避なのでこまめに日焼け止めを塗ろう。でもギョサンは可愛いので、まあ焼けてもしょうがないこととする。

疲れたので爆睡と思いきや、体を動かしたせいか、筋肉が熱を持っていてうまく寝付けない。ぼおっと外で星を眺めたりして、眠りにつく。

5月2日(火)雨

朝から曇りのち雨。予約していたパラセーリングに向けてちょうどいいバスがなかったので、中止かもしれないけれど、早めに街に下りて雨宿り。海辺の東屋で作業をしていると、小降りだった雨は東屋ではギリ防ぎきれない線上に。風も強く、これはドシャ降りと言ってもいいだろう。ギョサンで来てよかった。東屋の中で傘をさして雨風を防ぎながら、従兄弟がリモート会議をしている声を聞くともなしに聞きながら雨を眺める。雨が降ればちょっと寒いけれど、こんなに真っ直ぐにザアザア降る雨を見るのも久しぶりなのでちょっとテンションが上がる。

パラセールはやっぱり中止になったので、雨宿り目的で近くのビジターセンターへ。無料で開放されていて、アンケートに回答すればクジラのポストカードがもらえるのでおすすめだ。ビジターセンターでは小笠原の歴史や生き物について知ることができる。イルカやクジラの個体の識別の仕方や、オガサワラオオコウモリのはく製の展示を一度見だすと結構な時間が溶ける。恐るべし。

雨が止んだので散歩開始だ。

水産センターの無料の小さな水族館で白いタコや美味しそうな魚を眺めた後、道端で小笠原の固有種のマイマイを発見。第一発見者の叔母は仕事柄か、生き物や植物への感度が高くて、すぐに面白そうなものを見つけるレーダーを搭載している。雨の後は巻貝のような殻を被ったカタツムリ天国で、これが見れるなら雨も悪くない。でも、雑菌が付いている可能性もあるから、直接触ってはいけない。ってくるみさんが言っていたのでゆっくりゆっくり動くマイマイたちをしゃがんでしばし眺める。

マイマイのあとは、ハートロックカフェでランチ。ここにはフリーWi-Fiとコンセントが完備されているため、リモートワークし放題だな、なんて長期滞在の可能性に思いを馳せる。実際3カ月くらい滞在する人もいるんだそうで、しっかり頭のメモに書き込んでおく。
癖がない白身魚のバーガーといった味わいのサメバーガーとコーヒーのセットを食べて、いざコペペ海岸へ。1番近いバス停でバスから降りてとことこと歩く。30分ほどの道のりだけれど、ここは島。時間はいくらでもある。ギョサンで歩くのにも慣れてきた。

コペペ海岸は3度目の来訪。雨が降ったから山から水が流れ込み、海の色は茶色い。貝殻を被ったヤドカリがたくさんいたから貝がらも沢山拾えるんじゃないかという目論見でやって来たらやっぱり。綺麗な貝殻、でっかい貝殻、シーグラスを拾うならコペペ海岸がおすすめだ。しばし自由に散策したのち、持って来たおやつを食べ、宿を目指してまた歩き出す。ここからは歩いて40分ほどの道のりだが、ここは島で、仕事は休みで、時間はいくらでもある。ゆっくり歩いても、寄り道して立ち止まってもいいのだ。

さてその夜は晩御飯を作ってテーブルに着くと、同じ宿に泊まる方達との語らいが始まった。出身や今住んでいるところや仕事などなど、話すほど共通点が出てくるから面白いものだ。人見知りの私でさえ、なんだか楽しく初めましての会話ができる。
60代の一人旅のかっこいいお姉さんもいて、こんな風に楽しく歳を取りたいものね、と思ったりもして。
気付けば2時間話し込んでその日は解散。

5月3日(水)最終日

さあ、とうとう島での最終日がやって来てしまった。私は今日本当に帰るのか、帰ることさえもはや現実離れしてくる。

今日は朝からふうりんさんぽのくるみさんと再び島散歩。たっての希望で午前の傘山をおねだりしていたのだ。
結構な岩を登ったらそこにはもう!自分に絵が描けたら絶対に絵に残すのに、と思うような島と海が広がっている。やっぱり午前と午後で海の色が全然違う。

ここでくるみさんのリュックからコップと熱湯が登場し、USKコーヒーで購入したコーヒーチェリーティーを淹れ、最高の景色の中でのティータイム。くるみさんのリュックからは美味しいものが次から次へと。

今日でしばらく島とはお別れかと思うとより一層目に焼き付けなくては、と堪能したら、お次はオガサワラオオコウモリの寝ぐらへ。

オガサワラオオコウモリは20匹くらいがぎゅっと固まって眠る。人に気付くと起き出して枝をのそのそと登ったり、飛んだり。これがまた集まってるのも動いてるのも、かんわいーいのだ。澪ねえちゃんが昼のオガサワラオオコウモリを激推しする理由がわかった。

これは見ないとわからない。コウモリラバーの方はぜひ小笠原へ。

お次はコペペ海岸の脇道を通って行ったところにある砲台へ。見晴らしが良いために岩を掘って作られた壕の中には、大砲がまだ残る。皮肉にも絶景そのものの海が見えるそこでは、運が良ければクジラも見えるし、こんな素敵なところ、もっと通えばよかったと悔しくなったくらい。海に見惚れて映え写も撮って、ますます島に居残りたくなるけれど、車は街へ。お土産を買わなくてはならない。

Photo by Kurumi-san

お土産を求めて島のお店を行ったり来たり。お土産屋さんは街に密集しているので、あれがいい、これがいい、と行き来できるのが良い。農協さんでたまたま母島のミニトマトに出会えたのは運が良かった!宿でこれは美味しいと聞いていたのだ。
そして、ピアスをお迎えしようか迷うが、次に来れた時のために取っておくことにする。待ってろよ、ウミガメのピアス!
次に島に来る理由は多い方が良い。

くるみさんオススメのカフェ、ハレでランチして、夜ご飯用のパンを買い、船が来るまでまた海岸でのんびりする。今日も良い天気で、海が青い。

「はあ、帰んなきゃいけないのか…」
現実逃避色が強い私に、

「でも、何かあったら小笠原に来ればいいやって思えたのは大きいよね」

と2歳年下の従兄弟は言う。

天才か君は。そっか。そうだ。うん。

そして、宿で仲良くなったお姉さんと別れ、島の人たちと島太鼓の音に見送られながらいよいよ出航。おがさわら丸が出航するときには、島の船がお見送りをしながら並走してくれる。
くるみさんの船、ダイビングの船、パラセーリングの船、ホエールウォッチングの船…船には手を振る人たちや、せーの!で海に飛び込んでバイバイしてくれる人、なんと、船の上で3点倒立して足でバイバイしてくれる人も。こちらが手を振るのをやめるまで、ずっと手を振ってくれる。しんがりは海上保安庁の船で、すごい速さでおが丸を追い越してUターンして島に帰っていく。
1週間もいなかったのに、グッと涙を飲み込むような、後ろ髪を島に預けるような、そんな気持ちになって、

ああ、だからこの島はリピーターさんが多いのか。

島はグングンと遠くなり、また見渡す限りの海へ。

Photo by Hayato

晩御飯はおにぎりとハレで買ったあんぱん、ミートパン。帰りはちょっと揺れが大きいけれど、船にも慣れてもうへっちゃらだ。人間の慣れはすごい。
天気が悪く、今日も星は見えない。

帰りはお隣さんがおらず、心なしか広々と眠りにつく。

5月4日(木)東京へ

4:30、起床。しばしぼうっとしてから再び朝日チャレンジ!
うーん…今日も曇ってる…だがピンクに染まっている雲はキュートだ。それにしても船上に吹き付ける風は強いし寒いので、早めに退散、二度寝をキメてレストランで朝ごはん。

叔母と従兄弟は和食Bセット。私は洋食Bセット。朝食は品数が多いAセットと、シンプル(とは言っても朝小食派からするとだいぶしっかりめ)なBセットの二種類で、Bセットはワンコインの500円。

和食の納豆をかき混ぜながら、
「きたえみ家は納豆文化はあるの?」
と叔母が言う。なんかこういうなんでもない会話を覚えてるもんだなあ、なんて。

昼ごはんを食べ終わると船は東京湾へ。黒い海を眺めながら、島の青い海を思い出して
「帰ってきちゃったね…」
とまたまた現実逃避気味の私に、

「でもさ、無事帰ってこれたっていう安心感もある」

と2歳年下の従兄弟が言う。
天才なのか君は。

そうだね。帰る場所があるから行けたんだもんね。そう思えば東京湾の黒い海や周りを囲む街並みにも郷愁が…いや、やっぱり海は島の方が好きだ笑

船が竹芝に着く。

叔母と従兄弟と別れ、スーツケースの取っ手をぐっと握り直して東京駅の改札へ歩く。
名残惜しさはあるけれど、悲しさはもうない。だって、心には「小笠原」というお守りがあるから。

「いざとなったら小笠原」とおまじないのように唱えて、GW明けの怒涛の日々を過ごすのだ。

5月19日 東京にて
早くも島欠乏症。
あー早く島に行きたい!


お役立ちかも?リスト

【お世話になったガイドさん】
ふうりんさんぽ くるみさん
BONIN WAVEさん

【行く前に知りたかった…!小笠原のパンフレット
持ち物リスト付き!

【持っていったらよかった、と思ったもの】
・ドライヤー
・虫よけとムヒ
・ビニール袋(貝を拾ったり、おにぎりを入れたり)

【持って行って助かったもの】
アミノ酸シャンプー
・顔パック(日焼けケア)
・帽子とサングラス
・ワセリン(日焼けに塗ると痛みがちょっとマシ)

【買ってよかったお土産】
・母島のミニトマト(めっちゃ甘い)
・パッションフルーツ(日持ちするしおいしい)
・パッションフルーツのドレッシング(フルーティでキャベツの千切りにかけると一気におしゃれな味に)
・レモンカード(スイーツ好きの方はぜひ)
・Tシャツ(いつでも島を思い出せる)

【かかったお金】
船 特二等 80,000円(節約可能)
船でのご飯 4,500円(節約可能)
宿 3泊4日 24,000円
ツアー(自然保護区域へのガイドとダイビング等の総額)36,000円
自炊 7,000円
その他ご飯やカフェ代 3,000円
バス代 1,000円
レンタカー代 5,000円(3人で割り勘した額)
洗濯代 200円(3人で割り勘した額)
お土産代

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