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大学生(21)からの人生相談に答えたら、人生に胸を張れた話。

私は脚本家をやっている。
27歳、台本を書き始めて4年になる。

そんな脚本家、
なんと年末に人生相談アルバイトをしていた……!!


電話で相談を受けられるサービスだ。
半年間、携わっていた脚本の仕事をすべて失った私は、
途方に暮れつつも、来年に向けて動いていたのだ。

青年「お尋ねしたいことがあるんですけど、いいですか?」
私「はい、何でもどうぞ~」


青年は、サッカー部に所属していて、今まで周りに言われた通りに進んできたそうだ。
しかし、23歳になって、急にどうしたらいいかわからなくなったのである。

サッカーのプロも目指したそうだが、青年が好きなのは、好きな仲間とプレイするサッカーだった。
就職を前に、将来が不安だと、そういったご相談だった。

……そこでまず、
私が同じ年くらいの時には、未来の成長した自分が、今の自分を応援している想像をして、不安な日々を乗り切っていたことを伝えた。


それを聞いた青年は、少し希望を取り戻したようだった。


青年「当時は、今みたいになるなんて、どのくらい想像できましたか?」



私「まったく。想像していなかった!」

青年「えっ……!」

私「私も二十歳前後の頃は、将来が不安で仕方なくて、未来の自分なんて想像もつかなかったよ! でも、小さなことから始めて、自分で生きがいを作っていったんだ」

すげぇ! と、感嘆の声を上げる青年。
そして新たな問いかけをしてきた。


青年「やりたいことがわからないんです……」


・・・・・・・・・・・・

私が17歳や21歳のとき、世界は真っ暗闇だった。
好きなことも、やりたいこともわからなかった。

だから、やりたいことを探しに、何でも挑戦してみた。

私は寝る前にあらゆる”想像“をすることが好きだったから、
その物語を書いて、世界に披露してみようと思った。

それが脚本家になる第一歩だった。

これまでの道のりには沢山の決断があって、決して楽な道のりじゃなかったけど、
最終的には、自分が納得するか、好きなものは何かで決めていった。

・・・・・・・・・・・・


この話を青年に伝えると、青年は興奮した声で尋ねてきた。

青年「じゃあ、あなたはいま

幸せ

ですか?」



私は、答えた。

私「……そうだね。幸せかどうかと聞かれると、日々落ち込むことはあるけれど、私は今までの人生に一片の悔いもない。

だから、幸せです!」


答え終わった私は、自分の人生をとても誇らしく思っていた。

みんな自信なんてない。
当たり前だ。
正しい生き方マニュアルなんて、ないのだから。

でも、私にとっては悔いなく生きることが、
胸を張って生きられる証なのだ。


青年「今日は本当に、本当にありがとうございました! 僕のこれからを見ていてください!」


どうやら、明日を生きる勇気が湧いたらしい。
青年の悩める魂が救われて、私も大変嬉しかった。

これからを見ていてください、に関しては、
まぁ、霊的に見守っていることにしよう。うん。


救われたのは青年だけではない。

青年のおかげで、私は前進することができた。


そんな年末の一期一会。


(卒塔葉しお)


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