「灰色雲とわたし」
何かを我慢しているような空が
灰色の雲に覆われている
溌剌としたような
真っ白の雲ではなくて
心の澱を含んだような
その厚い灰色雲は
それでも空を支えているようで
モヤモヤもイライラも涙雨にして
降らせてしまえばラクになると
そんな思いもあるにはあるけど
土砂降り雨に降られた方は
たまったものじゃないだろう
どうせ降るなら静かな雨を
大地や草木を潤す雨なら
灰色雲も救われよう
そっと支える腕を解いて
去りゆく雨を見送るだろう
天気予報は今日も曇りだ
雨が降るには、まだ早い
【詩集】「十六夜書簡」つきの より
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