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コロナと仕事とお金と

2022年8月。新型コロナウイルス感染症に罹りました。
お盆明けで、過疎高齢化の激しい愛媛県南予地方でも感染者数がピークに達した時期。
私もどこかでSARS-CoV-2に触れる機会があったようです。

3回のワクチン接種が功を奏したためか、幸いにも症状は軽めで済みました。
微熱と軽い喉の違和感で発症した翌日に病院で確定診断を受け、その時の体温が約39℃。以降は解熱剤で抑えつつ4日目くらいには平熱に戻り、6日目くらいには風邪症状がなくなり、少しおかしくなっていた嗅覚と味覚も自宅療養が解除される頃には快復。
一人暮らしのため療養中の自宅内感染対策の手間はかからず、食料品その他日常消耗品も近隣の親族に1、2回調達を頼んで事足りました。

お金の面も、いまは会社の月給制従業員としての給料が主収入で、有給休暇を療養期間に充てられたためほぼ影響なし。
受け持つ業務も、療養期間中に済ませる必要があるものはほぼ他の人に代わってもらえる内容ばかりだったため大きな支障はなく。
罹患による損害は、個人的にはとても軽微で済みました。

もし多少なりと事情が違えば、話は大きく変わっていただろうと思います。

もし、症状がもう少し重く、かつ近隣に頼れる人がいなかったら。― 療養期間の過ごし方はもっと苦しいものだったでしょう。
もし、同居家族がいたら。そしてその家族が高齢で基礎疾患をもつような人だったら。― 発症初期の比較的重めな症状を我慢しながら、自宅内感染対策に奔走していたことでしょう。
もし、有給休暇が無かったら。― 健康保険の傷病手当金を申請したとしても、収入の減少は避けられなかったことでしょう。
そしてもし、会社員ではなく事業主で、10日間休業すると休業日数分かそれ以上の期間分の仕事が無くなるような事業を営んでいたら・・・。

特に飲食業を営む方々から、コロナ感染に関わる色々なお話を聞きました。
― 感染した子どもの濃厚接触者と判定されたため休業し、仕入れていた食材が無駄になった。
― 感染による休業で収入が大きく損なわれた。
― 収入が無くなるのを嫌い、店主が感染したことを隠して営業し続ける店があった。
― 感染したことによる風評で店の信頼が損なわれないか不安だった。

事業主に向けた行政の制度として、以前は社会全体での経済活動の自粛に対する補償として持続化給付金があったり、各種感染対策の促進策として感染対策導入に伴う給付金制度があったりしましたが、感染による休業を対象とした収入面の支援制度は見受けられません (私が知らないだけかもしれませんが)。
私的な損害保険で補償の対象となる場合もありますが、それは契約の内容次第。
10日間休業しても業務を代わりに任せられる従業員がいたり、日程調整をすれば仕事は無くならずに済んだりするような事業ならさておき、そうでない事業を営む場合は、コロナ感染による損害は会社員と比べてとても大きなものとなります。

特に地方は、大都市圏と比べて個人経営の事業主の比率が高い傾向があります。
誰もが罹りうるけれども、立場によって受ける被害が大きく異なる感染症。制度でどうにかできる部分は、少しでもその差を均せないものだろうか ― そんなことを思った感染体験でした。

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