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私が酒づけ・うつ病の中から立ち直れた、シンプルな2つの約束

今でこそ複数社の取締役を兼任し、充実した日々を送っているが、十数年前の私は、体も心も事業もボロボロで、どん底にいた。

総合商社に勤務しながら、会社に内緒で副業を始め、半年ほどで副業の収入が、本業の収入を超えた。

会社を辞めるつもりはなかったのだが、自分が関わっていた新規事業のプロジェクトが成功したにも関わらず、会社は評価をしてくれなかったので、勢いで会社を辞め、26歳で起業した。

若さもあり、ビギナーズラックもあったのだろう。事業は順調に伸びて、そこそこのお金が入る様になってくると、様々な誘惑が降りかかってくる。

接待という名の飲み会。社長なら良いものを持ちなさいという名の浪費。視察という名の旅行、etc.

控えめに言っても、かなり調子に乗っていた。

朝まで酒を大量に飲み、二日酔いで業務にあたる。そのまま営業活動と称して、昼からお客さんと飲みにいくこともあった。

そんなことを、神様が許すわけがない。

業務にムラが出てきて、マネジメントも上手くいかず、ビギナーズラックは消え、受注は落ちていく。。

そのストレスを埋める様に、また、接待で受注を取り戻そうと必死で、連日連夜飲み続ける。

完全に負のスパイラル。

そのうち、受注はゼロになった。当時の同棲していた彼女(現・嫁)ともすれ違いが生じ、会話はほとんど無くなった。

自分の小ささに落ち込み、会社の看板で仕事をさせてもらっていた事に気付き、なんで会社を辞めてしまったんだろうと猛烈に後悔した。

そのうち、お酒を飲んでも寝れなくなった。自殺願望が出てきて、いまここで死ねば楽になるかな?といった邪心ばかり頭をよぎる。

私は父親が躁鬱病で入退院を繰り返していたので、うつ病の恐ろしさが良くわかる。あまりにつらい状態だったので、クリニックに駆け込むとうつ病と診断され、薬を処方された。

薬は処方されたものの、症状はあまり改善しない。仕事もロクに出来ない状態で、生活費を借金し、家に引きこもる日々が続いた。


そんな中、1人の友人が手を差し伸べてくれた。

彼は世界的スポーツメーカーに勤務していて、ファミリーセールがあるから来ない?と誘ってくれた。当日、セール会場に行ってみると、黒山の人だかり。ランニングシューズとウェアのコーナーは、人でごった返していた。

彼から「いまランニングがものすごいブームで、特に経営者に流行っているんだぜ」と聞かされた。

そこで時間もあるし、まだ「経営者」という言葉に反応する自分がいたので、ランニングシューズとウェアを格安で購入し、誰もいない朝の時間にジョギングを始めることにした。

不摂生極まりない生活をしてきた体が、急に走れる訳が無い。最初は100m程度しか走れず、走っては歩き、走っては歩きを繰り返した。

だが、日々ランニングを続けることで、少しづつ走れる距離が増えてきた。体が少しづつ健康になってくると、酒を飲まなくても睡眠が取れる様になっていった。体重も減って、思考がクリアになり、コツコツ新規事業のアイデアも出る様になった。

そこでまた、転機が訪れる。アメリカに住む友人が、いまマインドフルネスというメディテーション(瞑想)がアメリカでは流行っていて、これまた経営者に向いているという。

私は彼が勧める「マインドフルネス ストレス低減法」という本を購入し、日々のジョギングの最後にベンチで5分程度の瞑想を始めた。

ジョギングと瞑想、この二つを生活に取り入れると、徐々に心と体の健康が戻ってきた。自分を大きく見せる必要もないし、成功している他人と自分を比べる必要はない、以前よりも瞑想によって生活にプレッシャーを感じなくなった。ただシンプルに、手を差し伸べてくれた友人たち、我慢強く支えてくれた彼女(現・嫁)や家族に感謝する心が芽生え、日々生きていることに感謝する様になった。


仕事でも転機が訪れる。コツコツと準備し提案していた海外ブランドの日本における統括ディレクションの話が舞い込んだのだ。複数社のコンペだったのだが、担当者の方いわく、私の提案が一番手が込んでいて真摯に時間をかけてつくったものだと思ったそうだ。

そこから、少しづつではあるが、2−3年掛けて、体も心も事業も回復していった。


その経験から、私は自分に、以下のシンプルな2つの約束を課している。

・走ること

・瞑想すること

いまだに社会不安や、会社の業績で、うつ病を再発してしまうのではないかという恐怖はどこか心の片隅にはある。

でもそんな時は、シンプルに走る、瞑想することで、その不安を払拭することが出来ている。


みなさんも、どこか同じ様なことに悩んでいたら、この2つの方法を試してみてほしい。


私は、この自分との2つの約束を、一生守り続けるつもりだ。




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