夢の裏側を暴く覚悟をしろ!

ハリー・ポッターが好きだ。
スター・ウォーズが好きだ。

この二作品が、僕を漫画家の道へと進ませた。

いや漫画じゃないんかいっ!
…というツッコミも聞こえてきそうですが。

僕は漫画が描きたくて漫画家を目指したのではなく、小説家と画家を同時にできる仕事はないかと考えた結果漫画家を目指したので、これで合っている。

…さて、ここからが本題。

自分にとってこの二作品はとても大切で、神聖なものだった。
ハリーポッターを超えられるわけがないと、魔法モノは描いたことがなかった。

しかしクリエイターたるもの、面白い作品がなぜ面白いのか、考えなければならないという宿命がある。
物語には、読者が面白いと感じる物語構造があるし、そのための仕掛けがたくさんしてあるものだ。

例えば、ハリーポッターとスターウォーズに共通する物語構造として、「貴種流離譚」というものがある。
これは、「元々高貴な生まれの生まれの主人公が、何らかの理由で不自由な暮らしを強いられているが、冒険によって活躍をしていき、英雄となっていく」というものだ。神話によく見られる物語構造で、ジョゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」で言及されている。

こんな感じで、物語を面白いと感じる中には、理屈やシステムが多く存在している。
僕もその辺を勉強したりしていたのだが、「なぜ面白いか」を考えていくと、作品を素直に見られなくなってしまうのだ。
「これはこの理屈で面白いと感じる」「ここはこういう理由で演出がうまくいっていない」などなど。

これまで大量の作品を見てきて、その度に「なぜ面白いか」を考えてきたのだけど、ハリポタとスターウォーズだけは、それをやっていない。
それをしてしまうと、子供の頃感じた「感動」が、計算によって作られていたことがわかってしまうからだ。
あの頃見ていた夢は大人によって作られていたことを、まだ認められないでいる。

でも、そろそろそんなこと言ってられないんじゃないか?と最近思っている。
漫画家のデビューは、早ければ10代の人もいる。
そして僕は26。デビューはしていない。
なりふり構ってられる年齢ではないのだ。期限は迫っている。というか、もうアウトかもしれない。

ということで、あの頃見ていた夢の裏側を暴こうと思う。
子供の頃のワクワクと、お別れする。

あー。辛いなー。大人になるのやだなー。

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