また、買ってしまった。
また、買ってしまった。これで3冊目。友だちがニュージーランドで買ってきてくれたものを合わせると、4冊集めたことになる。
パリの午後。マレ地区近くを歩いていたとき、吸い込まれるようにして古本屋に入る。また、絵本を買ってしまった。
絵本。
1年前、子どもたちと絵本をつくった。つくろうとしてつくったのではなかった。遊んでいたら、それは物語になっていて、できあがっていた。
スウェーデン語は分からなくても、絵で表現し合えれば、通じ合える。楽しめる。
どんなふうに工夫すれば惹きつけられるだろう。伝えられるだろう。そうした絵本の魅力と可能性に、1年前の春、ぱっと気付かされた。
今日は、絵本の魅力を書きたいのではない。私は、予定していたわけでもなく、また絵本を買ってしまった。このことを書きたい。
スウェーデン。チェコ。そして今日はフランス。分かりもしない言語でかかれた絵本。買うのはきっと、読むためではない。
スウェーデンで買った絵本は1年間インテリア。数週間前、チェコで買ったものも、スーツケースに入れっぱなしである。そして今日も、感覚的に選んで買ってしまった。
誰にでも心くすぐるものがある。他の誰かにとってはどうでもいいようなものに、心惹かれるときがある。
そして、モノであればお金を、行為であれば時間を注ぎ込む。本人にとっては、「費やす」のとはちょっと違う。
理由はなくたっていい。ときめいたから、買うのだ。なぜときめくのか、それは時間がたっぷりあるときに考えれば良い。でもそんなことをしなくても、たぶん、いつかときめきが結びついて、分かるときがくる。
たぶんまた私は、どこかでときめいては、絵本を買うんだろう。
今日は、2020年3月9日。
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