仕事に役立った禅語7選
「禅語」は、古くから語り継がれ、磨かれ、残ってきた、叡智の結晶とも言えます。
そこから学べるもの、気付かされるものは、本当に多い。
私も、仕事に家庭に悩んだ時に、いつも禅語に救われています。
そこで今日は、私が起業して13年の間に、「これは特に、仕事に役立ってくれた」という禅語7つを、ご紹介します。
(1)大地黄金(だいち おうごん)
私は、自分自身が「好きなことを仕事にする」を実践し、また、セミナーなどでも、そのノウハウをお伝えしています。
一点、注意してほしいことがあります。
それは、「好きなことを仕事にする」というのは、「今の仕事ではない、全く別の、自分が輝ける仕事がある!」という意味ではない、ということです。
これを端的に示した、石工のお話をご紹介します。
上述の石工も、「自分が置かれている場所(石工という職業)以外のもの」を追い求めましたが、結局、石工であることが一番だと気づきました。
「好きなことを仕事にする」のも、これと同じこと。
実は、今のあなたの仕事の中に、あなたの才能を発揮できるチャンスが隠れているのです。
その具体的な方法については、以下のnoteで解説しましたので、ぜひこちらもお読みください。
(2)結果自然成(けっか じねんなり)
この禅語は、「目の前の仕事に集中することの大切さ」を示しています。
今から約14年前。
起業した当初の私は、細かい数字のことばかり考えていました。
利益率、クリック率、ホームページの反応率、などなど。
確かに、これらの数字は大切です。
しかし、最も大事なのは、「目の前のお客様が、笑顔になっているかどうか?」なんですよね。
◇
起業してしばらくして、やっと「目の前の仕事に集中する」大切さに気づけました。
例えば、セミナー。
セミナーを開催するには、けっこうな手間がかかります。
どんなセミナーをやるか?ネタだし
セミナーで使うレジュメ作り
セミナー参加者の集客
セミナー後のフォローアップ
セミナー動画を編集し、会員専用サイトで提供
以前は、この「手間がかかる」というのを、ネガティブにとらえていました。
「手間がかかる=効率が悪い」のように感じていました。
しかし、今はある意味「手間をかけたい」のような気持ちでいます。
良いセミナーを作ろう
こんな事例を入れたら、もっと分かりやすくなるかもしれない
ワークも入れて、参加者さんが実践しやすくしよう
そうやって改善を繰り返してきた今、継続してくださる会員様が増え、今では当社の売上の柱になっています。
まさに、結果自然成、ですね。
(3)日々是好日(にちにち これ こうじつ)
日々是好日は、ただ単に「毎日がいい日なんですよ」という意味ではありません。
実際には、以下のような意味の禅語です。
仕事をしていれば、調子がいい日も悪い日もあります。
新規の問合せが立て続けに来た!
お客様に感謝の言葉を頂いた!
そんな日もあれば、
受注寸前で失注してしまった…
安易なミスで、やり直すことになってしまった…
のような日もあります。
でも、どんな日であったとしても、そこから何かを得ているのです。
目に見えるお金や人間関係だけでなく、いろいろな気付きや学びも得ているものです。
ベストセラー作家のひすいこたろうさんの本に「晴れた日は花開き、雨の日は根が伸びる」といった言葉があったのですが、まさにその通り。
どんな1日も、自分を成長させてくれる「好日」なのです。
◇
そして、1日1日を好日にできるかどうか?は、自分自身にかかっています。
これを示す、こんなお話を紹介させていただきます。
上の話の中で、アシュタバクラは、いつも「起こることは最高である」ととらえていました。
どんな出来事に対しても、こういう捉え方をしていれば、「日々是好日」ですね。
(4)少欲知足(しょうよく ちそく)
幸せを数式で現すと、「幸せ=財÷欲」と言えそうです。
つまり、欲が小さくなれば、幸福度は増していく、ということ。
こういう話をすると、「少欲知足=諦める」だと思いがちです。
実際、私も以前は、そう捉えていました。
「少欲知足というのは、自分の目標や夢を諦めて、今の状況に妥協して生きることなんだ」と勘違いしていました。
しかし、そうではないのです。
そもそも「諦める」というのは、もともと仏教用語で、その本来の意味は「明らかにする」なのです。
つまり、「諦める=Give up」ではなく、「Clarify」ということ。
別の言葉で言えば、「腹八分目」とも言えるかと思います。
もっと!もっと!と欲を追い求めると、いつか身を滅ぼすことになる。
そうではなく、自分の腹八分目(ちょうどいいサイズ)を知り、満足・幸せを感じよう、ということです。
以下のnoteにも書きましたが、私は起業した当初、年商10億!という大きな目標を掲げ、一心不乱に仕事に励んでいましたが…
これは、私の心からの目標ではなく、「ただ単に、周りに認められたかっただけ」の、偽りの目標でした。
無理に拡大を目指し、苦しんでいた私は、まったく「腹八分目」ではありませんでした。
この不毛さに気づき、自分のサイズを明らかにできたおかげで、今は楽しく仕事できています。
以下のような言葉もあります。
少欲知足になると、余計な"力み"がなくなり、自然体でいられます。
これが、仕事をスムーズに前進させてくれている。
そう感じます。
(5)七走一座(しちそう いちざ)
日本では、「働くこと=正義」「休むこと=悪(サボり)」みたいなイメージが強いように感じます。
日本は、働くことを特に美化しがち。
そんなふうにも感じます。
しかし、働き続けていれば当然、仕事のパフォーマンスは落ちていきます。
健康にも悪いですし、燃え尽き症候群にもなりかねません。
この「働きすぎな現代」にたいして、ステファン・アーストルは、以下のように話しています。
実際、偉人の中には、労働時間が短い人が結構います。
例えば、進化論で有名な、チャールズ・ダーウィンは、1日90分×3=4時間30分しか働かなかったそうです。
フランスの数学者・理論物理者であるアンリ・ポアンカレも、1日4時間ほどしか働かなかったそうです。
これらの例を見ると、「短い時間なのに」ではなく、「短い時間だから」こそ、偉業を成し遂げられた、とも言えるかもしれません。
◇
あなたも、「短い時間に集中したら、いつも以上に頑張れて、いい仕事ができた」という経験がありませんか?
私は、しょっちゅうあります。
私自身も、起業当初は、本当に1日中働いていました。
それこそ、1日16時間くらい働いていた日も。
しかし今は、仕事時間はすごく減りました。
平均すると、1日5~6時間くらいでしょうか。
それでも、成果は伸びていることを考えると、労働時間と成果は比例するものではないんだな、と実感します。
(6)人人悉道器(にんにん ことごとく どうきなり)
こんな2人がいるとしましょう。
テストの平均点20点の、A君
テストの平均点70点の、B君
一見すると、B君のほうが優秀な生徒に見えますよね。
これだけだと、なんとなく、B君のほうが「道を極める」者に近く感じます。
しかし、テストの点数の内訳は、以下の通り。
(A君)
・国語:0点
・数学:100点
・理科:0点
・社会:0点
・英語:0点
(B君)
・国語:70点
・数学:70点
・理科:70点
・社会:70点
・英語:70点
これだと、「平均点」だけを見たときと比べて、見え方が変わってきませんか?
A君は、「数学」に力を入れて、数学を伸ばしたほうが、活躍できる(つまり、道を極める)可能性は高そうですよね。
A君もB君も、それぞれに極める道があるのです。
◇
そしてこれは、仕事ならなおさらです。
仕事において、「どの分野も平均レベル」の人は、(言葉がアレかもしれず恐縮ですが)パッとしない人、と言えます。
得意分野を見つけ、そこを伸ばすことで、その人の魅力が開花するのです。
◇
例えば私は、営業が苦手です。
だからこそ、営業しなくても売上アップできるように、コピーライティングを磨きました。
もともと文章を書くのは得意だったので、コピーライティングは、私の強みを活かせる分野なのです。
また私は、細かいチェック作業も苦手です。
だからこそ、細かいチェック作業が得意なスタッフ:Yさんに、仕事を任せています。
そして私は、得意分野である「人前で話す」「分かりやすく教える」を活かせる、セミナーやポッドキャストをメインに仕事させて頂いています。
これが、私自身の「道」だからです。
あなたにとっての「道」は、何でしょうか?
(7)家和万事成(いえ わして ばんじなる)
家庭と仕事は、密接にリンクしていると感じます。
よく「家の事情を、仕事に持ち込むな」という人がいますが、ごめんなさい、私には無理です。爆
子供が元気がなければ心配だし、妻が暗い顔をしていたら一日中気になってしまいます。
かのスティーブン・ホーキングも、以下のような言葉を残しています。
最近あった、私のエピソードをご紹介します。
◇
以前、私は、子供たちが起きてくる前に仕事に出発していました。
朝早くから仕事できるので、仕事もはかどっていました。
しかし、妻や子供たちと過ごす時間は減ってしまい、妻も思い通りにならない子供たちへのイライラが募ってしまっていました。
そこで、朝は子供たちと一緒に出発するようにしたのです。
子供たちと、公文の宿題を一緒にやり、朝ごはんを食べ、三男のオムツを変えて着替えさせて。
学校や園までの道も、子供たちと話しながら歩き、元気よく「いってらっしゃい!」して、私は仕事に向かう。
当然、以前よりも、仕事が始まる時間は遅くなりました。
そして、以前よりも、仕事時間そのものも短くなりました。
しかし、家族の状態が安定したことで、自分の心も安定し、仕事が今まで以上にスムーズに進むようになったのです。
そして、何より嬉しいのは、幸せな朝の時間を、一緒に過ごせるようになったこと。
まさに「家和して万事なる、だなぁ」と感じた次第です
まとめ
今日ご紹介した禅語を、以下にまとめます。
大地黄金
結果自然成
日々是好日
少欲知足
七走一座
人人悉道器
家和万事成
ちなみに今日も、このnoteを書いた後に、もともとは「ポッドキャストを収録する」予定にしていたのですが…
今週一週間、仕事をけっこう頑張った影響か、ちょっと気分が乗らない感じがしています。
そういうときこそ、そうだ、七走一座だ。
いったん立ち止まり、スケジュールを整理してみようと思います。
仕事は、気分が乗った時にするのが一番。
今日の午後は、書斎の整理がしたい気分なので、書斎の整理をしよう。
ポッドキャストは、別の機会にリスケしよう。
そんな感じで、今この瞬間も、禅語に救われた私でした^^
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