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シン・ウルトラマンを見たのでネタバレ有でなりふり構わずお話していきます。


ウルトラマンは昔メビウスマックスネクサスあたりを見てた記憶ぐらいしかないけど、特撮ヒーローに関しては好きでネットでよく調べてたりしてたからにわか程度の多少の知識はある状態で観に行かせていただきました。物心ついたばかりの頃に「ウルトラマン大百科」みたいなのを読んでた経験もまた生きたかもしれない。
部門ごとに感想をまとめたので、書き連ねていこうと思います。


【禍威獣、外星人】

シン・シリーズの特徴的な味付けとして、ビームを出したり空を飛んだりする空想巨大生物を科学で分析して理由付けするこの作風がオタクの心をくすぐるんですよね!
外見の面でもウルトラマンの「怪獣」から現代寄りにリアレンジされててかっこよかったな…!
庵野監督風の、エヴァの使徒的な鋭利さ、システマチックな機構さを交えさせたような印象でした。怪獣って、かっこいい。

ガボラのドリルから頭部展開してビームが放たれるのとか、ゼットンが拡大と変形を繰り返して熱球発射の準備を淡々と行うだけの、設計図ありきの創造論チックな生物造形が人外マニアの嗜好に刺さります。
ザラブの薄っぺらなデザインは面白いし、メフィラスは目元がバイザー風になってシャープな体型になっててほれぼれしました。
それと初代のにせウルトラマンって目元がめっちゃ鋭くて子供でもすぐ見分けられるんだけど、シンの偽トラマンはかなり精巧な模倣だったな……

【脚本】
展開としても、序盤から禍威獣を出し惜しみなく登場させていて良い!その後も黙々とした官僚会議とトンデモバトルの乱高下が脳を揺さぶります。会話メインのパートも必要な情報のみがぎっちり詰まっていて見る人を飽きさせない。

まずは知性の薄い、暴れまわるだけの怪獣相手に王道な真正面からの戦いを繰り広げて、続いてザラブやメフィラスみたいな「知的生命体」が搦め手で人類に知恵で交渉してきたりして、最後にラスボスに相応しい奴との総力戦が待っている。

脚本展開においてもお手本のような密度、話の広げ方なんですよね。まさに序破急といったところか。一本の映画で、受け手に急ぎ足だといった印象を与えずに5戦も詰め込むの凄い事だと思います。


【バトルシーン】

戦闘シーンにおいても、プロレス的、格闘技的な体技とSF的、特撮的なビームやエフェクトが両方飛び交っていてはちゃめちゃに燃えました。メフィラス戦のBGMでボルテージアガリ過ぎて失神するかと思った。

スペシウム光線は言わずもがな、八つ裂き光輪などの第二第三の必殺技も令和クオリティで拝めたの良かった!

飛行時のピンと伸びた体勢からそのまま回転して禍威獣を蹴り飛ばすのも、元ネタあるんだろな…当時の特撮ではミニチュア使ってたとかか?

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これだ!!www

【メフィラス】

「私の好きな言葉です。」ってこれかァ~(ネットミームを理解した顔)。これは人気出るな……まったく隙のない立ち振る舞い、極めて合理的かつ最大限の譲歩をしていて、なんなら宇宙全体から見たらた神永のほうが非合理的な行動をとっているようにすら見える。

立て続けに頭脳派異星人が二人登場したけど、後から出てきたメフィラスは人間を完璧に模倣してて、ザラブの干渉はまだまだ稚拙で原始的だったな…と。完全に格上だよね。ステゴロもちゃんと強いの良かった。頭脳派で争いを好まないキャラが肉弾戦するのみんな好きだろ…


【ゼットン】

ウルトラマンといえばゼットンだよな、まんまゼットン星人が連れてきたけど、主役のヒーローに由来する光の星からの敵っていうのは大トリを飾るのに相応しい誕生背景、設定ですよ。
宇宙恐竜ゼットンの「一兆度の火球」っていう誇張し過ぎな設定をある意味忠実に解釈した結果これになるの、頭を下げるしかないな……

あまりに認知されたことだけど、ウルトラマンはゼットンに負けるんだよ……!今まで幾多の怪獣を倒してきたヒーローが手も足も出ない、まさに絶望、恐怖のラスボスなんだよ……
でも残されたものが後を継ぐんだよ…地球人は地球人の手で、自らの星を守るんだよ!
ここでやっと初めて出た、あの赤背景で拳を天に突き出す、ウルトラマンといえばのポーズ、あのベストショットだよ!演出がうますぎる。
原典では無重力爆弾でとどめを刺したけど、これはもう真っ向からぶち当たっていって、ウルトラマンが自らの手を下してゼットンに勝ったんだよ…


【ふりかえり】

シンゴジラは社会や群衆が脅威に立ち向かう話だったけど、キャッチコピーに違わず「個人間での友情」が重要な局面で決定打になったな、という印象です。

米津玄師さんのM八七もこれからスルメみたいに耳で噛みまくるだろうな。ハチ時代から追っかけてたアーティストさんだから……いつの時代も僕の行く先々に居る方だ。

シンゴジラもシンエヴァもなんだかんだ劇場で見てたし、僕、庵野監督のファンなのかもしれない。というかわざわざ映画館に行く習慣が無いから、ここ数年シンシリーズぐらいでしか足を運んでないかもしれん。

非常に満足度の高い作品でした。シン仮面ライダーもこれはぜひ特大スクリーンでお目にかかりたいものですね……あとはネットの感想や考察やパンフレットを読んで更に楽しむとするか。


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