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DAY34 30分読書『マーケティング大原則』

本棚の積読書を復活させる、30分読書です。

今回の本は私がビジネスに携わる中で、営業部とマーケ部が同じ部署なのに、対立しており、
『マーケティングという同じ視点に立てば、解決やん!』と思って手に取った本です。これはどの会社もあるあるな事象ではないでしょうか。

マーケテイング大原則
著者 足立 光  土合 朋宏
初版 2020年1月30日
366ページ

ナイアンティックの足立さんと今は一橋大学の教授、最初はコカ・コーラで16年間マーケティングをされていた土合さんの共著です。

こちらは
第1章 戦略的コンセプトから、
第18章 イベント活動まで、

事業戦略から、消費者までのマーケティングのすべての流れを18に分けて、
ビジネス事例を盛り込みながら解説している、マーケティングの総まとめ本です。
さらに、マーケティング業界のキーパーソンとの対談も盛り込まれ、
これ一冊で、とりあえずマーケティング活動を一回しできる内容になっています。事例は主に消費財が中心で、シャンプーなどのトイレタリー関係も多く見受けられました。とはいえ、本質を突いた内容ですので、どの業界にも十分応用できると思います。



この本から得たいものは?

マーケティングという自分のコアテーマな本で、
コレ!という問いが決めきれず、すべての章が大きな気づきになりました。
ですので、各章に分けて自分なりに気づいたことをここで発信していこうと思います。

最初の問いはこちら。

マーケティングってアイデア勝負ですが、アイデア出しのコツはありますか?

いろいろな知識を知っていても、結局アイデアが出ないとマーケッターとして生きていけないですよね。だけど普通の人はなかなかアイデアがポンポン出せない。皆さんどうしているんだろう?というのが最初の問いです。


30分読書を終えて

結論『連想と結合でアイデアを膨らませていこう』


この本は、事業戦略から消費者に届くまでを網羅的に書いているので、
それぞれが必要最低限に削ぎ落して書かれています。

第3章がちょうど『アイデアの創造』なので、今回はそこを読み込んでいきます。

アイデアだしについて、多くのクリエイターにアンケートをとって
何をしているか?を聞いてみたところ、一つの共通点がありました。
それは、

『異なったもの同士の結合、組み合わせである』

ということです。
いろいろな新規性のあるアイデアも、実は既存のアイデアの組み合わせでできあがるんですね。

その、結合と組み合わせをするための方法として、本書では2つの方法が紹介されています。
それはKJ法とキーニーズ法です。


KJ法はブレストで出てきたアイデアをラベリングして分類わけや関係性を見出す方法です。

『このアイデアとこのアイデアは似ているんじゃないか』とか
『このアイデアは原因で、このアイデアは結果でつながっているよね』など、
関係性を見出すことで、一つのおおきなアイデアに結び付けていきます。

複数のアイデアを大きくまとめてラベリングしてみると、まったく違うのものが見えてきて、そこで発想が深まり、考えつかなかったビッグアイデアにたどり着く…といったこともよくあるそうです。

付箋ワークでアイデアを分類するやり方ですよね。
しかし、これを実践しているビジネスマンはそれほど多くないのではないでしょうか。
実際私も頭の中だけで、考えてることが多いです。

だけど一人の頭の中では、膨らんでいかないんですよね。

このKJ法は、
『書き出す』ことと、『複数での頭を使って膨らます』
という2つが重要なポイントだと感じました。


もう一つのアイデアだしが、『キーニーズ法』です。
私は知らなかったのですが、こちらはかなり有名な方法だそうです。

コンセプト(C)=
アイデア(I)+ベネフィット(B)

というシンプルな方程式をもとに考えていくやり方です。
さらに、ベネフィットの裏側には、消費者の満たされていないニーズ、顕在化していなニーズ、具体的には『なんとなく不満だけど、これしかないと思っている』のような潜在的なニーズがあり、そこをあぶりだしていきます。


この本での事例では『油で固めるテンプル』が紹介されています。

いままで、天ぷらで使った油は、下水に流せないので、新聞紙などに吸い取って捨てていました。それしか方法がないと、消費者は考えていましたが、手がベトベトして不満を抱えていました。
まさに、『なんとなく不満だけど、これしかないからね』という思いです。

これに着目し、『手軽に、手を汚さずに、油を捨てる』という潜在ニーズに着目し、できたのが油で固めるテンプルです。

『手軽さ』、『手を汚さない』この2点が並列にあるのがポイントです。

手を汚したくないけど、複雑な工程だったら消費者は飛びつかなかったと思います。例えば、固まるまでに48時間かかるとかなら、嫌ですよね。

このキーニーズ法では、この潜在的なニーズをどう捉えるかが成功のカギだと紹介しています。消費者の未充足なニーズを具現化した商品を見つけ出すことなんですね。


最後に、『発想力を鍛えるにはどうしたらいいのか?』という問いです。

そう、やり方を知っても、バンバン発想が出てこないと難しいですよね。

その答えは、コチラ

『それは、なぜ(おもしろいと思うの)だろう?』と考える癖をつけること


たとえば、自分がものを買ったときに、
『なぜこれを買ったんだろう?』
『なぜ競合のBという商品ではなく、Aという商品を私は選んだのだろう?』
と客観的に理由を分析するんです。

そうすると、ある事例と、別の事例の共通点が見つかったり、
2つの別のできごとを連結させると、新しい解決策が見つかったりするんですね。

つね日ごろから、色んな事象を意識しながら、
連想ゲームをしていくことが、
良いアイデアを出すコツなんでしょうね。



最後に

このアイデア創出についての章の最後では次の通り述べています。

マーケティング担当者は、まったくゼロから作品を作るアーティストではありません。なので、さまざまな構造やルールの組み合わせを追求することで、だれでも『差別化』につながるアイデアにたどり着けると思います。

あるクリエーターから『濡れた雑巾をギューッと絞ると水が出る。絞り続けると水が出なくなる。でもそこからさらにググっと絞ると、2滴ぐらい出る。そこまでやるのが、アイデアを作るということだよ』

本書 発想力を鍛える習慣をつける

アイデアは、『さぁ、いまからアイデアを考えるぞ!』と意気込んでも良いアイデアはでないんですね。
日常生活からつねに、『これって何だろう?』といった意識を持つ習慣のその先に生まれてくるんでしょうね。
自分自身が消費者として購買行動を起こしているのに、考える側に回ったら途端に、企業の論理で動くから良い解決策がでないんでしょうね。


とても勉強になりました。
この本は、ほかにも『価格戦略』『流通戦略』『twitterを使った成功するマーケティングとは?』のように、川上から川下まで一気通貫したマーケティングの考え方が深くはないですが、網羅的に紹介されています。
各章で興味のあるものがあれば、それについての専門書を読むと深まるのではないでしょうか。

足立さん、土合さん、とても良い気づきありがとうございました。

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