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新型肺炎で中国カーシェアリング業界に転機?!

EV(電気自動車)用充電スタンドが急拡大している。地方政府の助成金目当ての計画もあり、各地で乱立気味になっているという。EVとカーシェアリングの発展はセットであった。スタンド拡充は、カーシェアリングにも追い風となるのだろうか。

中国のカーシェアリング業界は2017年にブレイクした。「小二祖車」「巴歌出行」「一歩用車」「京魚出行」「PonyCar」「Gofun」「TOGO途歌」などのカーシェアリング企業が、1億元(15億2000万円)を超える資金を調達した。同年の投資額は業界全体で765億元(1兆1500億円)に達し、誰もが意気軒昂としていた。しかし2018年、シェアエコノミー全体が調整に見舞われた。配車アプリ、シェアサイクル、カーシェアリング、すべてのシェア業界で資金調達が減少に転じた。

2018年の大型資金調達は「立刻出行(LIKE)」「Gofun」などに限られた。生き残りそうな会社に集約されたのである。その後、最も話題を提供しているのはGofunである。

そのGofunは2015年8月、北京で設立された。タクシー等交通サービス運営の「北京首汽集団」傘下企業だ。親会社のネットワークを利用できるため、車両の継続的投入やコスト・コントロールがしやすく、メンテナンスコストも安い。そうした強みを生かし、2019年5月の月間アクティブユーザー数は、169万9400人、9月には200万を突破した。業界ダントツの1位である。また9月には、ユーザー評価機能を組み込んだ新アプリにグレードアップした。

ただし業界としては2019年は失速の年で、今も厳しい状態が続いている。事業者は、巨額投資に見合う収益が上がらない。ユーザーは、空車が見つからない、ほとんどEVのため航続距離が短い、返却が面倒などのネックがあった。EV用充電スタンドの増加は、1つのソリューションを提供することになりそうだ。

アフター・コロナの業界見通しはどうだろうか。操業再開に当たって、通勤手段に窮し、カーシェアリングを選んだ人は相当数に上ったという。しかし、防疫体制が完全解除となるまでの一時しのぎ、という人も多い。また事業者は、車両消毒の頻度が増し、コスト高になっているという。新型肺炎により、カーシェアリングが一般の選択肢に上った。転機を迎えたのは確かだ。ただし、盛衰どちらにころぶかは、まだはっきりしない。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/