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セブンイレブンの先を行くスマートコンビニ「便利蜂」、無人ではなくAIを重視し黒字化へ

AIで小売業向け先進サービスを展開するユニコーン企業が紹介された。中国は無人テクノロジーに熱心で、先日の武漢市の都市封鎖は、図らずも無人オペレーションの実験場となった。最もスポットが当たったのは、各シチュエーションにおける無人配送の取組みだった。話題の中には無人コンビニもあった。「火神山病院」で働く関係者用に急遽開設されたものである。

中国小売業は、オンラインシフトを強め、コンビニの地位は、日本ほど高くない。中国の日系コンビニも同様である。2018年8月、セブンイレブン北京は、フードデリバリー大手「美団外売」と提携、宅配に乗り出した。当時は「コンビニ世界王者、北京の無精な若者に敗北!」などと揶揄された。そのころは無人コンビニこそ将来のエース業態、と考えられていた。

中国では2016年、初の無人コンビニ「繽果盒子(Bingo Box)」の他、「EasyGo未来便利店」「F5未来商店」等が多額の資金を調達、一気に店舗網をに拡大した。しかし、2018年下半期には早くも失速を始め、2019年は人員整理など調整に終始した。しかし武漢では、その店舗移動可能モデルが大きく公益に貢献した。これは無人コンビニ、再浮上のきっかけとなるかもしれない。

現在、最もスポットライトを浴びているコンビニは「便利蜂」である。2017年の創業以来、快進撃を続け、現在は全国20都市に1,500店舗を展開中だ。同社は5月末、北京の500店舗を黒字化したと発表した。従来のコンビニと違うのは、徹底したデジタル化志向と、プライベートブランドの開発である。

公式サイトには、“智能便利店”幸福な都市生活はここから始まる、とある。24時間営業のコンビニに加え、「蜂小柜」と呼ぶオフィス配置の無人商品棚、「便利単車」というシェアサイクルを前面に出している。クリーニングの取次ぎも行い、無人ではなく人員を配置している。

どうやらポイントは、自主開発商品「蜂質選」にありそうだ。創業年の2017年から取り組んでいる。中国人の好む“温かい食事”にこだわり、地域の食文化にも寄り添った。そして徹底した計算により、アルゴリズムを磨き上げ、商品を入れ替えても、売上が落ちない仕組みを作った。これは売れ筋にこだわる従来型小売業にとって、非常に難しい。どうやら少なくとも中国では、便利蜂はセブンイレブンを凌駕したようだ。アルゴリズムの「繽果盒子」と無人の「便利蜂」、5年後にどうなっているか楽しみだ。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/