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中国版Google Map?中国地図アプリのナンバーワン「高徳地図」の正体とは?

中国はGoogleをブロックしていて、当然Google Mapは普及していない。そのためさまざまなスタートアップや、地図アプリが存在し発展した。2019年9月の評価ランキング(中管院数字経済中心)は

1位 高徳地図  MAU(以下同じ) 1億3224万
2位 百度地図            7017万
3位 騰訊地図            2852万
4位 谷歌地図(Google Map)    489万
5位 奥維互動地図          716万
6位 凱立徳動航           169万

となっている。実質は上位3アプリの争いだ。名の通り、百度地図はバイドゥ系、騰訊地図はテンセント系である。それではMAUダントツ1位の高徳地図とは何者だろうか。

運営会社、高徳軟件有限公司の社歴は下記の通り。

2002年 北京市で設立。
2004年 民営企業初の位置情報、電子地図の発売許可取得。
2005年 カーナビゲーションシステム承認。
 〃   アウディに電子地図供給開始。
2006年 VWに電子地図供給開始。
 〃   中国移動と提携、地図プラットフォーム提供。
2007年 自主開発カーナビソフト投入。
 〃   自動運転サポート用3D電子地図完成。
2008年 アウディと交通情報サービスで提携。
2009年 IPone版「高徳導航」スタート。
2010年 米国ナスダック上場。

独力でナスダック上場までこぎつけた。

2012年 アップルへ中国地図を供給。
2013年 アリババ2億9000万ドル出資、最大株主に。
2014年 アリババ11億ドルで完全買収。

2010年までの高徳は、新進IT企業として、おそらくアリババと大差なかったろう。アリババは2009年、双11独身の日セールを開始、2013年には金融事業に本格進出し、大成功を収める。潤沢になった資金で真っ先に買収したのが高徳だった。

今は、アリババの看板「支付宝」内の配車サービス「高徳打車」、公共交通の「高徳実時公交」、シェアサイクル「Hellobike」、フードデリバリー「餓了蘑」等、さまざまなアプリの位置情報に使われ、アリババの発展を支えていた。

今後のテーマはいくらでもあるという。2019年11月には、北京市交通委員会と「北京SaaSプラットフォーム」で提携した。ただし、百度地図をトップに挙げているランキングもある。地図アプリの戦いは当面続くことだろう。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/