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中国のペット業界、OMOから社交化へ進化、主役は若い女性、当面は順風満帆か

スマホアプリで、ドッグハウスをシェアするビジネスが登場した。OMOペットサービスの登場は、必然の流れだった。

中国ネット通販2位の京東は、ペット市場の分析に熱心で、毎年“寵物消費趨勢報告”を公表している。それによれば消費傾向は、先進国と変わらず、餌、日用品、医療、宿泊等の順である。高学歴、高収入者が多く、ペット関連用品の購入者は70%近くは大卒だ。

京東のデータでは、女性によるペット用品購入は毎年平均80%以上伸び、年代では80后90后が70%を占める。

女性は餌以外に、シャンプー、美容やおやつ等の買い物を楽しみ、リピート率も高い。京東によると、防疫などの医療サービスを求めているのは75%、清掃サービスは55%、美容サービスは40%だった。スマホによる関連サービス橋渡しへの期待は高まり、ネットと実体の融合、OMOこそ発展の方向性とされていたのだ。

この先、ペット市場は、どうなるのだろうか。艾媒網(iiMedia Reseach)の「2019中国寵物経済運行状況と投資価値研究報告」によれば、2019年の中国ペット市場は1,164億元(1兆8,000億円)前年比14.6%増。その前年、2018年には86.8%増と2倍近く伸びていた。ペットを飼う理由として、49.4%はペットが好き、24.1%は、精神の拠りどころ、と答えた。

報告は、5つの方向性を挙げている。

1 周辺産業の発展…火葬や葬儀のサービス、ペットの服及びアクセサリー等。ペット文化は、多岐にわたる独立した市場を形成しつつ、新サービスの参入も続く。

2 ペット経済のブレイクスルー…消費の増加により、ペット界にも網紅(ネットインフルエンサー)が登場。ペットブロガーたちも、“創造性”を発揮し、多くのファンを吸引している。

3 ペット同伴カフェ、レストラン…発信力のある若き芸術愛好家たちに人気。新ライフスタイルの創造に寄与。

4 独身者、女性による社交場へ…中国には93のペット関連“社会組織”がある。それに加えSNSを通じ、多くのプライベートグループが形成中。

5 ペット用品のブランド化進む

中国ペット業界のIT化は進み、OMOから社交化へ向かっている。どこから見ても順風満帆のようである。


コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/