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小説

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鏑木が執筆した小説(主に、短編と掌編)をまとめました。
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#掌編小説

【短編小説】 怒鳴り声

「ゴミは? 誰が出しに行くの」 「あなたが行ってよ、私はご飯作ったんだから」  朝食の席…

鏑木澪
1か月前
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【掌編小説】 こーれーぐーす

 沖縄そばを、ご存知だろうか。  私は、今日の昼、初めてお店で沖縄そばを食べた。  店以…

鏑木澪
6か月前
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【掌編小説】 誰かと話したい

 本当に小さな出来事。  私の両親は「話したい人がいるなら会って話せばいいじゃないか」と…

鏑木澪
9か月前
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【掌編小説】 天然たい焼き

 たい焼きに決まってんでしょうが!  今川焼きもたい焼きも同じようなもんじゃないかと友人…

鏑木澪
10か月前
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【掌編小説】 秋にまつりはするけれど。

 秋のお祭りには、特別な思い出がある。  お祭りなんて考えてみれば年中やっているので、そ…

鏑木澪
1年前
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【掌編小説】 温かな拾い物

 そろそろ終わりかなと思った。  彼女が僕に興味を示さなくなったのは、最近のことではなか…

鏑木澪
1年前
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【掌編小説】 帰り道は、黒猫と。

猫を拾った。 ひどく汚れた猫で、尻尾なんか靴紐のように細く、痩せこけていた。 「お前も、帰るところがないのか?」 先ほど買った割引シールの貼られた惣菜とビールは、この猫には食べられないだろう。 「ミルクがいいかな。普通のツナ缶でも食べるのかな」 生憎、俺は生き物を飼った経験がない。 物語では、痩せこけた猫に温かいミルクをやったり、肉を食べさせたりしているのを見たことがあるが、果たしてそれでよいのだろうか。 「とりあえず、俺の秘密基地に行こうか」 猫の体は小刻みに震

【掌編小説】 菖蒲が咲いたので。

親友の恋人が亡くなったらしい。 らしいというのは、私のところにはそのどちらからもメッセー…

鏑木澪
1年前
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【掌編小説】他人の発する音に耐えられなくなった日

 ある日、急に「うるさい」と  あらゆる音を拒絶したくなったことはないだろうか。  私は…

鏑木澪
1年前
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【掌編小説】ナナの学校

 私、ナナ。  今年、小学3年生。  低学年といわれると、ちょっと嫌だなと思って、一生懸命…

鏑木澪
4年前
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