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わらぐつの中の神様

小学生の時に、教科書で習った作品です。
今の教科書には載っていませんが、今の子に伝えたい作品の一つ。

主人公のマサエは、今で言うなら小学校高学年の女の子でしょうか?
そもそもは彼女が乾かないスキー靴が心配で、それを見かねた祖母にわらぐつを勧められたところから物語は始まります。

街でも評判の働き者のおみつさん。
そんな彼女が市へ出たときに目についたのが、愛らしい「雪下駄」でした。
ですが、雪下駄は高級品。それでもどうしても欲しくて欲しくて、彼女は父親が「わらぐつ」を作って売っているのを見て、自分もわらぐつを売ってお金を作ろうと考えます。
初めて作ったわらぐつは、不格好そのもの。その代わり、端正込めて編み上げました。
ですが、そのわらぐつはなかなか売れません。そこへやってきて買ってくれたのは、1人の若い大工。
彼はその後も、何度もおみつさんの作ったわらぐつを買っていってくれました。
嬉しいながらも、毎度買っていってくれるのが不思議でならない、おみつさん。とうとう、彼女はある日、なぜ毎回わらぐつを買ってくれるのか、その理由を尋ねるのですが――。

というのが、大まかなストーリーです。
子供心にも、このおみつさんと大工さんの話が素敵すぎて、ドキドキしたものです。

教科書の原文があればいいのですが、いつ頃まで掲載されていたのかは不明。
現在の光村の教科書にはないので、ユーチューブの朗読から拾ってきました。

そしてこの作品の魅力の一つが、登場人物の「方言」。作者の杉みき子さんのプロフィールを調べてわかりましたが、恐らく、モデルは新潟(長岡あたり?)の雪深い地域のお話だと思われます。
雪の降りしきる光景も、方言のぬくみで暖まるような、そんな世界です。


さて、アドベントカレンダーで「俳人ですので、なにか詠みます」と宣言したからには、やはり一句詠みたいところ。
こちらが本題!

そんなわけで、タイトルと物語にちなんで。

わらぐつに宿りし君の神様よ
(わらぐつにやどりしきみのかみさまよ)
季語:わらぐつ

by.大工さん

雪下駄を胸に抱きしめ幾千歳
(ゆきげたをむねにだきしめいくちとせ)
季語:雪下駄

by.おみつさん

それぞれの句意は、ユーチューブの朗読を参考にしていただければと思います。
俳句ですが、返歌も込めて、ワンセットにしてみました。
今回、参加したのはこちらのアドベントカレンダー。

他の方々の投稿も、少しずつ巡回中です(*^^*)

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