見出し画像

手元に届きました

「直違の紋に誓って」のペーパーバックが、私の手元にも届きました。
後から脱字や「字下げ」を忘れた部分もちょこちょこ見つかるなど、反省点も多々あるのですが、本そのものは、まずまずの仕上がりです。

文字の印刷

一番安堵したのは、これでしょうか。
一応、PDF原稿を数ページ印刷して印象を掴んでいたのですが、実際に仕上がってきた本の文字は、若干細めの文体に仕上がっています。
特にルビは、コンビニのコピー機で印刷した場合にかなり潰れている印象を受けたので心配していました。
ですが、製本されたものはきちんと読めます。

また、気になっていたのが「文字の大きさ&バランス」です。
ぱっと見は「学校の文集っぽい」印象がありましたが、Twitterでも少し呟いたように、読者層が「私より高めの年代」というのを想定した結果、このバランスに決めました。
紙質も若干ざらっとした手触りでしたが、ペーパーバックですし、こんなものでしょう。

484P

PDFを入稿した段階で分厚くなるのは予想していましたが、想像以上に重量感がありました(笑)。厚みも3~3.5cm位あるのではないでしょうか。
多分、ペーパーバックの量にしてはかなり厚い部類でしょう。

ですが、やはり紙の本はいいです。
実は視力がかなり悪いので(裸眼で左右共に0.02位)、普段はコンタクトレンズが手放せません。
そうでなくてもPC画面と向き合う時間が長いため、できれば、小説などの長い作品は、PCの画面ではなく紙で繰り返し読みたかったのです。

また、表紙の仕上がりも密かに気になってた点です。
実はネクパブで「透過などの効果は崩れることがあります」という注意書きがあったので、どうなるかヒヤヒヤしていました。

ですが、ご覧のようにかなり綺麗な仕上がりです。
元の写真は下記の記事でトップ画像として使いましたが、あのままではやはり濃すぎたと感じます。

そして、タイトルに沿って「直違紋」も使っています。

ルビも綺麗

また、こだわりポイントだった「ルビ&文字の大きさ」。
コンビニで試しにPDFを印刷したときは、一部のルビが潰れていたのでかなり心配していたのです。
特に第三章は、薩摩弁を多用した関係でルビが多めですし。

ですが製本されてみると、PDFのときよりも、若干文字が細めに仕上がった印象を受けました。
そのためでしょうか。割とすっきりとした印象があります。

また、連載中のときから読者層は私より高めの年代、というのを想定していたので、通常の本よりも若干文字を大きめにしました。
※通常の本は文庫本で9P位が一般的のようです。

やってよかった

今回の作品は、元々今村様(剛介の曾孫様)に別件で取材をした際に、世間話の一環として、「二本松少年隊の子孫なんです」というエピソードから誕生しました。
そこから資料を集めて少しずつ構想を練り上げ、昨年の夏~秋に掛けて一気に書き下ろしたものです。
(おまけでスピンオフも入っていますが)

実は小学生~高校生くらいまでは趣味で小説を書いていた時期もあったのですが、これだけの長編を書き上げたのは私も初めてです。
ライティングの仕事を請け負っていたこともあり、やはり昔書いた作品とは書く目的も違いました。

今回書きたかったテーマは、「二本松武士の在り方」。
これは自戒も含めるのですが、福島の人が戊辰戦争を描くとどうしても「敗者側の悲劇」「薩長憎し」の論調になりがちです。
実際に、Twitterで「喧嘩を売っているのかな」というニュアンスで絡んできた方もいましたし……。

ですが、戊辰戦争が終わった後に、かつての恩讐を乗り越えようとした人々は、確かにいました。
その事実がもっと広く知られてほしいですし、単純に「奥羽越列藩同盟VS薩長新政府軍」の視点だけから戊辰戦争を語っては、双方の先人たちの意に反するのではないか。
そんな思いを、武谷剛介という人物に託しました。

そして嬉しかったのが、誰よりも「書籍化」の後押しをして下さった方が、実は西日本の方だったことです。
作中でも書きましたが、全ての薩摩(鹿児島)の人が「会津憎し」ではなかたはずですし、実際には、彼等ならではの苦悩もありました。そして、それは明治に入ってから、西南戦争で「殺戮側」に回った「旧会津藩士」を始めとする人々も、同じことだったのではないでしょうか。
そのような苦悩を互いに分かち合ったときに、また新たな歴史の扉が開かれる。
今は、そのように捉えています。


奇遇ですが、noteでは鹿児島の方と知り合う機会に何度もめぐり逢いました。
この作品が一律に「薩長憎し」にならなかったのは、そのような影響もあるのかもしれません。

もちろん作品としては、まだ未熟な点も多々あるのかもしれません。それでも、やはり代表作と呼ぶのにふさわしい作品になったと感じています。

願わくば、この作品が俗に云う「戊辰の怨恨」解消の端緒になってくれたのなら。
作家クリエイターとして、この作品を書き上げて本当に良かったと感じています。


#エッセイ
#歴史小説がすき
#日本史がすき
#二本松少年隊
#直違の紋に誓って
#戊辰戦争
#福島
#会津



この記事が参加している募集

日本史がすき

これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。